ウェールズを感じる
――ウェールズから響く音楽1:ポピュラー・ミュージック――



■ア・ファルク(Y Ffyrc) 歌/ウェールズ語
 マーク・ロバーツ(1969年11月3日、スランルスト生まれ)とポール・ジョーンズによるプロジェクト。二人はア・カリフ(Y Cariff)、カタトニア(Catatonia)などのバンドで一緒に演奏していた。カタトニアが解散後、二人はスルイブル・スライソグ(Llwybr Llaethog)のジョン・グリフィス、ケヴス・フォードとシャーベット・アントラーズ(Sherbet Antlers)なるバンドを結成。だがこのバンドは、ライヴ活動と数曲を発表するにとどまった。

 ロバーツとジョーンズの二人は、改めて活動を再開。カタトニアの前に組んでいたバンド名ア・カリフ(Y Cariff)を綴り変えた、ア・フィルクとして再スタートの口火を切った。カタトニアでは英語の歌だったが(※ヴォーカルはケリ・マシューズ)、このバンドでは完全にウェールズ語に転向。2006年8月7日、フル・アルバムOes(2006年)を発表する。このアルバムでは楽器のほとんどを、マークとポールのふたりが担当している。




[アルバム(選)]
Oes (2006) (RASAL / CD017)
 90年代以降のウェールズ・ポップス・ファンなら、思わずにやり、とするだろう。本作はどこから聴いてもウェールズ・コンテンポラリー・ポップスだ。それほどウェールズ色が強い。具体的にいえば、スーパー・ファーリー・アニマルズが確立した90年代ポップス色だ。
 “捻じれた”“ひねくれた”とも形容されるウェールズ・ポップスだが、その独特さは一筋縄ではいかない楽器のフレーズの積み重ねとメロディの組み合わせから生まれる。このアルバムにも、その独自さは健在。決してテクニックに走ることなく、一度聴けば耳を離れなくなるような独特なフレーズが展開され、その上に非常に軽やかなメロディが載る。これがたまらない。1曲目の“Godinebwraig”(非常に猥雑な言葉です)から、その魅力は全開。また全体として、非常に低い音圧を放つベースが作るリズムが印象的でもある。ブックレットには全曲の歌詞が載っている。





[リンク]
 Y Ffyrc ... 公式サイト。簡潔にして明瞭。

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ウェールズ?! カムリ!
文章:Yoshifum! Nagata
(c)&(p) 2009: Yoshifum! Nagata








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