ウェールズを感じる
――ウェールズから響く音楽1:ポピュラー・ミュージック――



■ビッグ・リーヴス(Big Leaves) 歌/ウェールズ語(時に英語)
 北ウェールズの城塞都市カーナヴォン近くの小さな村、ウアウンヴァール(Waunfawr)出身のバンド。メンバーは、ロードリー・シオン(Rhodri Sion)(Vo)、メイリル・グウニッズ(Meilir Gwynedd)(G&Vo)、ケヴィン・テイム(Kevin Tame)(B&Vo)、オシアン・グウニッズ(Osian Gwynedd)(Keys&Vo)、マット・ホブス(Matt Hobbs)(Dr)の5人編成。メイリルとオシアンは兄弟である。結成は古く、メンバーの年齢が未だ10代に達していなかった時だという。
 北ウェールズの村々で活動を続けていた彼らの自主制作テープがリリースされ、そのうちの1本(Beganifs)が注目を集め、オランダはアムステルダムのフェスティヴァルに招待される。この時、彼らの名前が間違って“Big Leaves”と伝わり、それが、バンド名として定着してしまった。
 1998年から1枚のウェールズ語のシングルと、2枚の英語のシングルを制作した後、「誰が呼んでいる?」というタイトルを持つPwy Sy'n Galw? (2000年)をリリース。全編ウェールズ語の歌ながら、そのポップ・センスあふれる歌は、一部ではあるものの、イングランド人をもひきつけた。続いたシングル、“Fine”は、伝えられるところによると、オアシスのリアム・ギャラガーが好んだらしい。
 将来を期待された彼らだったが、2枚目のアルバムAlien & Familiar (2003年)をリリースした直後に、解散した。

 そしてメイリルとオシアンの兄弟は、2004年に新たなる音楽プロジェクトへと進む。そのプロジェクトは、シブリディオンと呼ばれた。




[アルバム(選)]
Pwy Sy'n Galw? (2000) (Sain / CRAI 069)
 ここに収録された11曲全てが、ウェールズ語で歌われている。サウンドは、スタジオで一発録音されたような荒めだ。しかしながら、1曲目からはじける、ちょっとひねりのあるメロディとコーラスの絡まりは、彼らのセンスの良さを感じさせる。オルタナに片足を突っ込んだような2曲目“Pryderus Wedd”(「怒った顔」)、7曲目のバラード、“Synfyfyrio”(「瞑想」)の細やかなアレンジ、70年代初期のサイケデリック・フォーク・ソングに通ずるラストの“Sithenyn”など、曲調は多彩だ。しかしながら、それぞれの曲調から一歩引いたところで足を踏み留めているのが、まさに見事。それがアルバムに一貫して流れる、ちょっとだけひねくれた、ごきげんなポップス感覚になる。彼らの音楽は、ビーチ・ボーイズと同郷のスーパー・フューリー・アニマルズに影響を受けたといわれているが、それも納得の出来だ。




[リンク]
 The Welsh Band Page ... ウェールズのバンドに関する英語サイト。残念ながら、サイトの更新がかなり以前から停まっている。New Bands!のページに、Big Leavesの紹介あり。 ※残念ながらリンク切れとなっています。


 Big Leavesに関するウェブ・サイトの情報をお待ちしております。



ウェールズ?! カムリ!
文章:Yoshifum! Nagata
(c)&(p) 2003-2013: Yoshifum! Nagata








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