随想もしくは雑記
――ウェールズに関する、あるいは、ウェールズに関係ない、筆者の雑念・2012年度版――



2012年12月31日(大晦日)
 あと5分で新年! 今年は本当にいろいろあった。とりあえず、皆様、良いお年を!!

2012年12月30日(地下鉄記念日)
 この押し迫った時期に、映画を3本。

 @『この自由な世界で』。2007年イギリス、イタリア、ドイツ、スペイン合作。かのケン・ローチ監督がアイルランド問題を描いた衝撃作『麦の穂を揺らす風』の次に撮ったのは、ロンドンにおける移民問題である。

 シングルマザーのアンジーは東欧などの国に赴き、労働者を集めることだった。しかし会社にだまされ、彼女はある日突然、頸に。そこでアンジーは家をシェアする親友のローズと、女性二人による移民労働者を対象とした仕事の斡旋業を始める。これまで培ったノウハウと人脈を生かしたビジネスは、当初、上手くいく。だが依頼会社の賃金未払いと小切手の不渡りから、移民労働者に賃金が支払えなくなる。そして労働者の一部が、アンジーらに対し、暴動を計画する・・・ 。

 1920年代のアイルランドの次にケン・ローチがメガホンを握ったのは、現代のロンドン。多文化主義をとり、積極的に移民を労働力として受け入れたイギリスの影の部分が描かれる。

 主人公のアンジーも、移民労働者たちも煌びやかなロンドンの世界では、底辺に生きるものたち。誰もが搾取されつつも、その社会の底辺で力強く生き延びようとする姿が、ここでは描かれる。登場人物が呟く「この自由な世界で・・・ 」という言葉は、多くの民族の存在を受け入れ、自由を保障する中央政府のおざなりな政策の裏で、常にマイノリティらは貧困と制度の間で苦しめられていることを表す。映画はその状況を、如実に描き出していく。傑作。

 A『アナザー・プラネット』。2011年アメリカ。

 ある日突然、地球と良く似た惑星“第二の地球”が空に現れる。MITに合格し、浮かれた調子で夜、車を運転していたローダは、その夜空に浮かぶ“第二の地球”に気をとられ、道路の対面に停車していた車と正面衝突をする。相手の車は大破し、乗っていた家族も父親ジョンを除いた全員が即死。ローダは有罪となり、刑務所で4年の刑期を勤めることになる。そして4年後、出所したローダは、謝罪のために唯一生き残った被害者ジョンの下を訪れる。だが相手の顔を見た瞬間、怖気づいたローダは自分が掃除婦であると偽り、“無料の清掃お試しサービス”を申し出る。少年法のもとに犯罪者の身元が知らされていなかったジョンは、ローダがそれとは知らず、翌週から定期的に清掃に来るようにとローダと契約を結ぶ。清掃サービスで通い続けるうちに、次第に心を通わせるようになるジョンとローダ。一方、“第二の地球”はその姿形ばかりが似ているばかりか、そこに知的生命体が生息していることが判明。ローダはその“第二の地球”に向うスペースシャトルの民間人乗組員の一人に選ばれる・・・ 。

 パラレルワールドを扱ったSFだと思って観始めたが、いやはや、硬派な文学作品だった。事故を起こし、後悔の念に追い立てられ、謝罪に向うも、被害者本人を目前にするとその決心が揺らぐ主人公の心情が、非常に丁寧に描かれている。被害者の男性が、最初事故のショックで心を閉ざしながら、それが徐々に解きほぐされていく過程もいい。お勧めだ。

 B『冷たい熱帯魚』。2010年、日本。鬼才園子温監督による本作は、実際の猟奇殺人事件に基づいた、人間の極限を描いた映画。小さな熱帯魚屋を経営する主人公は、再婚して数年。その再婚相手とうまくいかない、年頃の娘が万引きで捕まる。娘が警察に引き渡される寸前、同業者で羽振りのいい村田の計らいで娘の補導は免れる。村田は娘を助けた代わりに、村田の店で娘を働かせることで更生を促すことを提案。主人公は娘を預け、更に、自分も村田の“新規事業”を手伝うことになる。だがそれと同時に村田の行う、猟奇殺人の手伝いへと巻き込まれていく・・・ 。

 筒井康隆が短編「毟りあい」などの作品で描いたような、主人公が狂気へと追い込まれる様が非常にビビッドに描かれている。園監督が描くヴァイオレンスとエロスは留まることなく、うなぎのぼりにその勢いは上がっていく。家庭内の不和を要因に、強引な村田の狂気の世界へといざなわれる主人公の姿は、まさにリアル。非常に過激な映画だが、その一方で、日本の映画がかつてもっていたパワーと、日本独自の陰湿さが映画中からほとばしる。傑作と言っていいだろう。

2012年12月18日(国際移民デー)
 まだ今は少し、書ける。かろうじて、というレベルだが。なので、書いておこうと思う。

 @アメリカでは、現在、4州が同性婚を法律で認めている。ではイギリスはというと、未だ認められていない。それどころか、政府は同性婚を非合法とした。それに対し、ウェールズ聖公会のバリー・モルガン大司教が、口を開いた。曰く、「全くショックだ」。

 モルガン大司教はBBCラジオ4で、「私が送ったメールとそれに対する仲間の司教らからの反応から判断するに、[政府の判断は]非常に不快といわざるを得ない」と語った。つまり、同性婚に賛成だという。

 さすがプロテスタント。考え方も進歩的だ。同性婚そのものに対するコメントは、個人的には控えさせてもらうが、結婚はやはり、合う人とすべきだと思う。それ以上に、家族を作れる人としなければならないと思う。それが異性か同姓かは問題にならない、というのが、彼らの判断なのだろう。

 A先日のウェールズ語使用者減退について。ウェールズ党(Plaid Cymru)の党首リアン・ウッド(Leanne Wood)は「ウェールズ語が教室ではなく、[ウェールズ]国中で家庭、職場、社会情勢において確実に使用されなければならない」と語った。つまりウェールズ語は

2012年12月17日(飛行機の日)
 今日は少しばかり、気分が良い。そこで書けるうちに、書いておく。

 @先日のウェールズ語使用者減退について、ウェールズ語コミッショナーは、「目覚まし時計は今朝、非常に大きい音で鳴った。そしてここには、我々が直面する決定的かつ緊急を要する挑戦がある」と述べた。

 A1995年、ウェールズに衝撃が走った。連続殺人鬼が逮捕されたのだ。ピーター・ムーアは「ゆがんだ性的欲望」から4人の男性を、相次いで殺害した。結果、「ウェールズで最も危険な男」と称された彼は、しかしながら無期懲役は基本的人権を無視するとして、ヨーロッパ最高裁判所は上告。それに対し、ムーアを逮捕した刑事が、15年以上保ってきた沈黙を破った。曰く――ムーアは獄中で死するべきだ。

 Bラン“原子の”エヴァンスが、世界で最高の賞金を誇る賞を得た。これにより、エヴァンスは25万7千ポンド(日本円にして約21,519,509円)を手に入れることになった。おめでとう!

 以上・・・ 。

2012年12月14日(四十七士討ち入りの日)
 やはり、というべきか。先日お伝えしたウェールズ語の三技能習得者の割合の減少が、波紋を呼んでいる。特に最近公表された2011年国勢調査の結果では、ウェールズ語話者の割合が2001年の20.5%から、19%へと落ちたことが判明。バイリンガル・ウェールズを政策に掲げ、ウェールズ語話者5%増加を目論んでいたウェールズ議会にとって、この数字はかなりの痛手となっている。政策の失敗を数字として表された感じだ。

 ウェールズ語協会(Cymdeithas yr Iaith Gymraeg)の会長ロビン・ヴァッラール(Robin Farrar)は「ウェールズ語は危機に瀕している」と公言。更に、「過去10年間に渡り、ウェールズ議会は、本来すべきであるウェールズ語支援ができなかった・・・ ウェールズの人々は我が独自言語を非常に支援しているが、議会は人々の熱望に見合うだけのことをしていない」と、ウェールズ語議会の失態を非難。

 他にも各所から厳しい意見が出されいるが、紹介に関しては今日はこの程度で勘弁してください。

2012年12月13日(正月事始め)
 何を書いたら良いのか、わからない。何をしたら良いのか、わからない。書くべき事はある。するべきこともある。それにもかかわらず、何も書けず、何もできない。目の前で“言葉”が通り過ぎるのを見るだけ。何もせず、何もできない。そして、私はただ座り続ける。書くべきことはわかっている。だが、言葉は通り過ぎるだけ。そして私は何もできず、何もせず・・・ 。

2012年12月12日(ダズンローズデー)
 ショッキングなデーターが公表された。ウェールズ語の三技能(話す、読む、書く)ができるウェールズ人の割合が、減少しているという。この割合は前回の調査では16%だった。だがこのほどまとめられた2011年の国勢調査の結果によると、その数字は15%となっている。これまでわずかながらとはいえ、上昇傾向にあっただけに、残念だ。ウェールズ語の未来は暗いのか。

 だが少しばかりだが、明るい兆しもある。それはこの三技能を持つ人の割合が一番多いグイニッズ(56%)で、10歳から14歳の88%がこの三技能を持つと答えていることだ。これは学校でのウェールズ語教育が成功しつつあることを暗示している。

 ところで一日のうちで、夜明け前が最も暗いという。ウェールズ語三技能を持つ人の割合が低下しているという暗い現況の中で、この88%という数字はウェールズ語の新しい夜明けの指針の明かりとなるか。だとすれば、今――そしてこれから数年間――は、夜明け前の最も暗い時となる。そう、いかに夜が長く暗くとも、明けぬ夜はない。そう――信じたい。様々な面で。

2012年12月10日(世界人権デー)
 ピンクという日本のバンドがあった。80年代に数多くのバンドが飛び出てきた中で、そのテクニックと音楽性の高さのために際立っていたバンドだ。ここ1、2ヶ月、その音が耳に蘇った。どのメンバーをとってもすごい(日本のバンドでは稀有だ)が、中でも透き通った声が響く。そう聴こえるのは、私の調子が比較的良いからだろう。そこで書けるうちに書いておこう。ウェールズより3件。

 @ウェールズ語メロドラマといえば、Pobpl y Cwm(『丘陵の人々』)。そのエピソードが、ウェールズ議会を巻き込んで論争になっている。

 話題になっているのは、11月28日の放送分。ここで登場人物の一人カドノ(Cadno)が、議会のアナグマ対策を非難する。カドノは自分の家畜が結核に感染したのは、政府がアナグマ駆除に踏み切らないためだと公言。これはアナグマを介して結核が家畜の牛に感染するという説を下敷きにしている。

 これに対し、議会は放送局にその回の再放送自粛を正式に要請。一方で放送局側は、「(政府の要請は)政府の検閲からメディアが自由でいられると信じているものには大問題だ」と反論。さて、この論争はどちらが勝つことか。

 Aカーディフの住宅街で、車の最高時速が時速20マイルに制限される方向だ。時速20マイルといえば、キロに直せば約時速32キロ。日本では当たり前の速度だが、向こうの人は飛ばすからね・・・ 。

 Bイギリスといえば、パブ。ウェールズでもそれは変らない。特に田舎に行けば、その重要性は増す。村に雑貨屋はなくとも、パブはある。それほどの件数があり、パブは単に酒場としての機能だけではなく、人々の交流の場として存在している。

 しかしこのところ、その存在が危ぶまれている。存在を脅かしているのが、スーパーマーケットの店舗拡大。大手スーパーマーケットがパブを買い上げ、その跡地にチェーン店を開店しているのだ。この2年間の間に、イギリス全土で200以上のパブが淘汰され、その跡地にチェーン店が建てられたという。そのうち一番猛威を振るっているのは、イギリス・スーパーマーケット最大手のテスコ(Tesco)だ。130ものパブを自らのチェーン店に変えたという。これに対し、パブという伝統ばかりか、地域経済を破壊するとの反対の声もあがっている。

 日本でも数多くの個人商店が、コンビニエンス・ストアや大手スーパーマーケットに変った経緯がある。確かにコンビニが増えることで便利になった面もある。だがウェールズに目を戻すと、パブが失われることは、樽から注ぐ数多のエールが気軽に味わえなくなることを意味する。そればかりか、地元の人と気軽に交流する場が減ることになる。これは一大事だ。次にイギリスに行った時は、スーパーで缶ビールを・・・ なんて嫌だね。ぞっとする。

2012年12月05日(バミューダトライアングルの日)
 ふと手を見る。思い出したように、右手に痛みが走る。知らぬ間に、指が数箇所切れている。いつ切ったのか思い出せず、なぜ切ったのかも思い出せない。痛みだけが鈍く走る。

2012年12月04日(聖バルバラの日)
 ふと耳に入ったのが、ベートーベンの第九。気づけば12月。毎年年末になると第九が流れるのは、日本だけらしい。一説によれば、第九のメロディが日本人の年末の心に合うとのこと。それにしても街中で耳にした第九が、あんなに優しく響いたのは初めてだ。第九の音だけが、暖かかった。

2012年11月27日(勤労感謝の日)
 いつの間にやら、吹きすさぶ風が冷たくなった。その冷たさが、身にしみる。否。その風の冷たさが、突き刺さる。体ばかりか、心にまでも。だが防ぐものがない。従って、もろに刺さる。ふと思う。そういえば、木枯らし一号はもう吹いたのだろうか?

2012年11月23日(勤労感謝の日)
 過日、観た映画(DVD)より1本。『ピアニスト』。ミヒャエル・ハネケ監督の映画で、2001年カンヌ国際映画祭でグランプリ、最優秀主演女優賞と最優秀主演男優賞に輝いた作品だ。

 厳格な母親のもとで、クラシック音楽のピアニストになるべく厳しく育てられたエリカ。彼女はしかしながらピアニストになることはできず、今はウィーンの音楽院でピアノ課の教授として厳しく学生に接している。そして男性とつきあうこともないまま中年になった今も、その母親とふたりで暮らす。抑圧されて育った彼女は、その一方で非常に捻じ曲がった性的嗜好をもつようになる。そこに彼女に恋を告白する、若い男性が現れる。最初は拒絶するエリカだったが、突然、彼に対し、自分の性的嗜好を手紙を通じて告白する・・・ 。

 ミヒャエル・ハネケ監督の作品は『隠された記憶』を観て、その構成に非常に感銘を受けたことを記憶しているが、これは別の意味で“すごい”作品だった。実に上映時間が129分にも及ぶ。その上、劇中では実際に奏でられている音以外のBGMはない。それにも関わらず、一切飽きることなく最後まで鑑賞した。

 人によっては、その抑圧された性の描写(ポルノ的では全くない)に嫌悪感を感じる人もいるかもしれない。また、その異常な性的欲望を厳しく自ら抑圧する姿に、痛みを感ずる人もいるかもしれない。エリカの持つサディスティックな部分と、真逆のマゾヒスティックな行動に居心地の悪さを感ずる人も多いだろう。

 それにも関わらず、この映画は最後まで観る者を惹きつけてやまない。映画の中に、“魅せる”力があるのだ。言い換えれば、非常に力のある作品だ。万人向けではない。しかし、お勧めできる。

2012年11月22日(いい夫婦の日)
 久方ぶりにメール・ラッシュ・・・ ! (って、久しぶりにここに書くことがそれだけか。・・・ やれやれ、だ)

2012年11月15日(七五三)
 @ここのところ、頭の中をぐるぐると回っているのがブラフォード。ドラマーのビル・ブラフォードが自身の苗字を冠したバンドである。

 ビル・ブラフォードといえば、5を中心とした奇数拍子を大の得意とするドラマーである。

 そしてその名を冠したバンドでは、奇数拍子を更に追求。7/4+3/8などという超絶、という言葉でも足りないほどの奇数拍子を難なくやってのける。中には分母が16という、想像を絶する拍子まで演奏している。そのような自虐的な拍子を、今更ながら好んで聴く自分がここにいる。何ともまあ・・・ やれやれ、だ。

 A先日、イングランドがEUを脱退する可能性がある、と、ここで触れた。その時点では、ウェールズ議会の議長は沈黙を守ったままだった。

 しかしながらここにきて、議長はその意を表明した。曰く、イギリス連合王国の解体は「ウェールズの大半の人々にとって憂慮すべき関心ごと」である。その上で、「私は連合王国に栄えてほしいと思う」と述べた。すなわちイングランドにEUに留まり、その上でイギリス連合王国としてこれまでどおり機能してほしいと表明したわけだ。そして「イギリス連合王国の一部分としてウェールズが残っているほうが、経済的に利益がある」と、はっきりと表明したのである。

 確かにウェールズとしては、イングランドと離れてEUに留まるより、イギリス連合王国内に留まっていたほうが経済的な面で良い。だが、同時にそれは現在のイングランドの一地域であり続けることを意味する。ある意味、ウェールズ独立を自ら否定したことになる。さて、ここで気になるのはウェールズ党(Plaid Cymru)の動向だ。イングランドからの独立を掲げる彼らがどうでるか。少なからず、興味がある。

2012年11月09日(太陽暦採用記念日)
 過日、観た映画(DVD)より1本。『堕天使のパスポート』。2002年イギリス。

 ロンドンの移民問題と、臓器売買を掛け合わせた映画。故郷より良い生活を夢見て、ロンドンへと渡ってきた移民たち。しかしその実態は、社会の底辺に甘んじざるをえない。そこから脱出するための手段として、闇の臓器売買に身を投じる移民ら。その事実に気づいた主人公(ナイジェリアからの移民でもある)と、トルコからの移民で、アメリカに住む従姉妹のもとへと渡ることを夢みる女性が、臓器売買の闇に絡めとられていく様子を映画は描く。

 2002年ヴェネチア国際映画祭セルジオ・トラサッティ賞をはじめ、数多くの賞を受賞。移民のおかれた状況と、それを汚い手口で利用する白人には怒りを感じずにはいられないが、その一方で笑いの要素もある非常に良質な映画だ。ラストにはホロっとさせられる。おすすめ。

2012年11月08日(世界都市計画の日)
 アメリカではオバマ再選に伴い、大麻合法化?!――  アメリカのコロラド州とワシントン州で、なんと大麻が合法化された。大統領選挙と同時に行われた住民投票をうけた結果。

 大麻の合法化は、流石のアメリカでも初。P.K.ディック周辺や、ウィリアム・バロウズらビートニク、そして若き日のマイルス・ディヴィスは大麻を使っていたではないか、という声も聞こえてきそうだ。実際に、この記述は残っている。だがこれは、勝手に使っていただけ。つまり法律上は禁止。だが入手しやすかった。それだけだ。

 また、メーン州とメリーランド州では、同姓婚も住民投票の結果を受け、成立する見込み。これはニューヨークなど既に同性婚を認めている6州に続く形だ。

 本当、変わるねぇ・・・ 。しかしオバマの掲げた“変化”って、これだったのだろうか。疑問に思う。

 ちなみにウェールズでは南部の陽だまりの丘に限って、大麻は60年代後半より合法化されている(参照、マン&『ツイン・タウン』)・・・ ということは一切無いので、ご注意を。

2012年11月07日(鍋の日)
 @ちょっとだけメールラッシュ。久々に。

 A驚いた。イングランドがEU(ヨーロッパ連合)を抜けるかもしれない。一方、スコットランドは議会がEUにとどまることを表明。ウェールズもおそらく、EUにとどまる。もしこれが実現すれば・・・ UKがなくなる?! ゆえにスコットランドはイングランドに対し「考え直すように」と訴えている。さて、どうなることやら。

 Bアメリカ大統領選、オバマ再選。2期目で敗れる現職の大統領は、いないからね・・・ それにしても、ぎりぎりまでもつれ込んだものだ。

2012年11月01日(聖人の日)
 @驚いた。『スターウォーズ』はエピソード1から6で終わったはずだった。しかしながら昨日、エピソード7製作が発表された・・・ ! 夢か、と思ったが、現実らしい。しかしながらエピソード7を製作するのは、スピルバーグではない。ディズニーだ。

 スピルバーグがその権利を、ディズニー社に売却したことから、エピソード7の製作が決定したらしい。『スターウォーズ』はスピルバーグが心血を注いだ作品だった。私小説的な面もあった。それが他人の手に渡る。つまり、エイリアン・シリーズや007、はたまた13日の金曜日シリーズのように、肥大化してしまうのだろう。そうなるとエピソード7、観たいような、観たくないような・・・ 。

 A現英国国教会大司教のRowan WilliamsによるWriting in the Dust - Reflections on 11th September And Its Aftermarthを読んだ。いくつか印象的なフレーズがあった。そのひとつを紹介しよう。人のトラウマについて触れた記述さ。・・・ 「虐待や迫害を受けた経歴を持つ人は、他人と自らの経験を完全に分かち合うことはできないかもしれない。経験を共有することだけでは、<他人による>理解は保障されないようだ。」(p.62)

2012年10月31日(ハロウィン)
 いや、驚いた。北ウェールズにあるウィルヴァ原子力発電所(Wylfa power station )は、福島原発事故が周辺に与えた影響なども考慮し、完全に閉鎖される計画だった。それが、この場所に新たなる原子力発電施設が建造されることになった。

 これはこの発電所を運営するホライゾンが、日本の日立からの買収に応じたためだ。日立はここに、新たなる原子力発電所を建てる計画だ。現地では7000人の雇用をもたらすと伝えられている。が・・・ 福島の教訓は、一体、どこに行ったのだろうか?! 否。日本国内で無ければ、何をやっても良いというのか?

2012年10月30日(宇宙戦争の日)
 明日はハロウィン。日本でもアメリカから輸入され、有名になった。先日の日曜日にたまたま原宿界隈に行ったのだが、そこでもハロウィン仮装パレードを行っていた。本当に定着したね。でも、不可思議なことがひとつある。

 ハロウィンはもともと、アイルランドのケルトから来ている。そこで歴史を紐解くと――古代アイルランド人が信仰した土着神らが、キリスト教の布教とともに妖精に格下げとなる。同時に、彼らは神々としての地位も、住む場も奪われる。そこで彼らは、地中もしくは海の彼方で暮らすようになった。現世とこの異界は、ふたのような境界で隔てられたという。

 だがこのハロウィンの日には、現世と彼ら妖精の住む異界を隔てる境界が、薄くなる。そこでその日、妖精が大挙して現世を訪れる。

 この妖精が曲者。もともと神々ではある。だが、非常に人間じみた神々なのだ。彼らは人間のように喜怒哀楽を持つ。そればかりか、悪戯好き。これが何とも厄介だ――もしこの妖精、想像しづらければ、ギリシャ神話の神々をもっと俗化したものや、日本に伝わる妖怪の類を想像してもらえば、わかりやすい。

 そしてその妖精が現世に現れると、人々に悪さをする。そこでアイルランドの人々は考えた。自分たちに悪さをされないようにするには、どうしたらよいか。そこで出た結論は――妖精と同じ格好をすること。そうすることで、妖精が仲間と勘違いし、悪戯をしないと、アイルランドの人々は考えた。ここから現在の仮装の習慣が始まっている。

 ところで日本のハロウィンでは、特に小さな女の子が魔女に扮装しているのを良く見かける。これまでの話からわかるように、扮装は妖精と同じ格好でないと意味が無い。むしろ人間である魔女の格好は、逆効果である――妖精の悪戯の対象である、人間であることを自ら公言して回っているようなものなのだから。

 そのようなわけなので、明日、仮装する場合は注意が必要だ。妖精や妖怪は良い。だけど魔女の仮装は駄目。異界から来た妖精の悪戯の格好の的になるよ。もし魔女の仮装を見つけたら、ちゃんと注意してあげましょう!

2012年10月27日(文字・活字文化の日)
 疲れ。それも、ひどい。どのくらいひどいかというと、文章がぶつぎれになるほど。文章が形にならないのは、まだ良い。ぶつぎれになると、手に負えない。修正不能だからだ。やれやれ、だ。

 また、一方で、決断が下せない。何を聴くか決める、程度のことだけどね。でも、まいったな。肉体的要因はもちろん、心理的な要因も大きいのだろうな。やれやれ、だ。

2012年10月25日(世界パスタデー)
 急激な疲れ。ほぼ、肩で息をし始める。丁度疲れがたまる時期だ。加えて、変なことや余計なことが多すぎる。心理的な要因も大きいかもね。季節的なものも原因かもな。寒暖の差が激しいと、疲れるものね。でも、やはり、理不尽なことに起因する心理的要因と仕事のせいかな。

 このような心理状態だと、自然と暗い話題に目が行く。いや、実にこのところ、ウェールズからは暗い話題が多い。目立つのが殺人や死亡の話題。

 たとえばカーディフでのひき逃げ事故をはじめ、スノードニアからの転落事故、過去の殺人事件の公判などが立て続けに報じられる。中でも特に嫌な気持ちにさせられたのが、22歳のStephen Freyeが若い父親をひき殺した事件。当の犯人であるStephen Freyeは公判で、「(人を)ひき殺さないと自分自身の家族が死ぬ」との声が“頭の中で”聞こえたという。これで殺されたのでは、全く、浮かばれない。理不尽だ。

 そのような中で、明るいニュースをひとつ。南アフリカ聖公会ケープタウン元大主教のデズモンド・ムピロ・ツツ(Desmond Mpilo Tutu)が、ウェールズでの晩餐会に出席した。その席で、ウェールズ南部丘陵地帯の町マーサー・ティドヴィルが、アパルトヘイト時のアフリカで彼に支援を差し伸べてくれた最初の場所のひとつだったと述べた。

 更にツツは、今日自分が自由でいられるのもこれら支援のおかげだと、感謝の辞を述べた。どんな理不尽のもとで苦しめられても、正しいことさえやっていれば、いずれは道が開けるということかな。否。その可能性もあるということか。

 いずれにせよ、マーサー・ティドヴィルの果たした功績が、最終的にアパルトヘイトからのアフリカ解放を助けたとしたら、それはすばらしいことだ。どんなにつらくても希望を持たねば、だね。

2012年10月23日(電信電話記念日)
 このところ東京近郊では、急激に秋らしくなった。昼間は汗ばむ時もある。だが、朝夕は涼しい。たとえば今日。昼前後は26度だったが、その後、一気に16度まで冷え込んだ。明朝は更に下がるらしい。

 これも当然かな。もう10月下旬だもの。もう少しで11月。これで一気に秋かな。「11月の階段」の季節でもあるしね(註:武満徹の名曲「ノヴェンバーステップス」は、直訳すれば「11月の階段」。そしてこれは秋を描いた曲でもある)。

 というところで、結構、疲れがきた。まだ肩では息をしていないが、それもまじかかな。やれやれ、だ。

2012年10月19日(貧困撲滅のための国際デー)
 @先日、偶然、エイジアを聴いた。どの曲も非常に白々しい。また、むなしくもある。非常に売れたバンドだが、音の全てが空虚に感じる。昔はこうは思わなかったのだが。

 その反動か、UKが聴きたくなった。こちらはその音楽の方向性は同じ路線ながら、きちんとしている。

 A引き続き、CD『ジョン・ケージ・ショック』(2012年)にショックを受け続けている。先ほどVol.2を聴いたのだが、圧倒されっぱなしだった。

 音楽を評する際に、「緩急」もしくは「静と動」という表現を使い、その対比を評価することがある。だがここから聴かれるのは、そのような生易しい言葉では足らない。

 静寂と爆音が、偶然性に導かれ、発せられる。特に1曲目は1台のピアノしか使っていないのだが、ピアノはメロディを奏でると同時に、激しいノイズを放つ。このノイズ、トーンクラスターを超えている。その様子は既に「静と動」などの言葉で表すことができる領域は、凌駕している。そればかりか、そのような言葉が陳腐に感ずるほどだ。すごい。心底、震えた。

2012年10月17日(貧困撲滅のための国際デー)
 CD『ジョン・ケージ・ショック』(2012年)を聴いた。これが、すごい。

 本作は1962年の作曲家/演奏家ジョン・ケージの初来日公演の模様を、3枚の連作CDに収めたもの。Vol. 1からVol. 3までばら売りされている。初来日公演が収録されているということだけでも、歴史的価値は計り知れない。

 ところで、ことによると現代音楽の世界で最も知名度の高いかもしれないジョン・ケージは、数多くの音源を残している。だが、ケージの作品は偶発性を重んじたり、非音楽的な音(たとえば鍋を叩いた音など)を多く用いている。つまり高度な作曲の技巧を用いるタイプではない。そのため私は、これまで敬遠しがちだった。

 だがこれを聴いて驚いた。何しろVol. 1の1曲目に収められたのが、武満徹の「コロナ」というだけでも悶絶ものだが、その演奏は、気絶するほどすごい。当時の気迫が、ビリビリと伝わってくる。

 世に数多く「歴史的音源」はあれど、これはその域を超えている。実にこのCDは歴史的な事実を伝えるのみではない。当時の鋭角的な演奏まで十二分に収めている。こんなにジョン・ケージが尖がっていたとは、露とも知らなかった。その気迫に、まさに脳まで揺さぶられているようだ。まさに「ジョン・ケージ・ショック!」である。

2012年10月16日(世界食糧デー)
 最近、日本のマスメディアを騒がしているものに、他人への成りすましがある。これは他人のパソコンにウィルスを感染させ、そのパソコンをインターネットを使って遠隔操作をするというもの。そして他人に成りすまし、殺人予告を掲示板などに書き込む。

 これ、ある説によれば、もともと自分のパソコンを遠隔操作するためのプログラムが使用されているという。つまり、オフィスなどにいながらして、自宅のパソコンを操作するためのプログラムが悪用されているというのだ。驚きだ。最新技術の諸刃の剣の一面を垣間見たような気がする。モノは使いようだが、怖いね。

2012年10月13日(引っ越しの日)
 テリー・ライリーのA Rainbow in Curverd Air(1969年)を、久々に聴いた。

 テリー・ライリーは現代音楽の作曲家。初期ミニマリズムの立役者の一人でもある。そのため、スティーヴ・ライヒやフィリップ・グラスと並んで称される。またキーボードのほか、サックスやトロンボーンなども演奏する、演奏家としての一面も持つ。本作A Rainbow in Curverd Air(全2曲)は、全ての楽器の演奏を自らこなした、一人多重録音の作品だ。

 タイトル曲は、60年代後半という時代を感じさせ、サイケデリックな雰囲気を醸し出している。だがそこはクラシックの素養のある人間だ。その枠にとどまらない作品になっている。

 当時は革新性のほうが強かったのだろう。しかし今聴くと、独自の浮遊感が面白い。特にソフト・マシーンの『6』や『7』への影響が見え隠れするところなど、この音楽がミニマリズムの確立に果たした貢献のみならず、幅広いジャンルの音楽家に影響を与えたことがわかる。その影響は、計り知れない。

 始終聴きたい音楽ではない。だが時間をとり、目を瞑って聴くと独自の世界に浸れ、中々良い。

2012年10月12日(コロンブス・デー)
 AGFのBeatnadel(2011年)というCD作品がすごい。AGFはドイツ出身の女流詩人。しかしながらシンセサイザー、ラップトップ(ノートパソコン)、サンプリングなどもこなす。

 音の基本をなすのは、無機質なリズムと、そこに結びつく自らの声も含むサンプリング。ここに自作の朗読が絡まる。その世界はミニマルでありながら、非常にアグレッシヴ。結果、単なる詩の朗読にとどまることなく、音響的な世界にまでも広がりを持った作品を作り出している。驚きに満ちながらも、非常に完成度の高い作品になっている。お勧め。

 ちなみにウェブ上には、彼女のライヴの様子も公開されている(Googleなどで検索してみてください)。そこからはラップトップ・コンピューターやサンプリングも一人で操りながら、マイクを持つAGFの姿が観られる。その様相は、普段見慣れた詩の朗読とは違う。まるで異世界を覗いているような気分だ。非常に刺激的。

2012年10月09日(世界郵便デー)
 今日、ふいに聴きたくなったもの。ピンク、ピエール・ブーレーズ、キース・ジャレット。簡単に解説しておくと、ピンクは80年代後半にコアな人気を誇った、日本のバンド。ピエール・ブーレーズは、ご存知、指揮者にして現代音楽の高名な作曲家。そしてキース・ジャレットは、ジャズ・ピアノの大御所中の大御所。

 めちゃくちゃだね・・・ 。何のつながりもない。ちなみにこの三者、同じ時期に夢中になった経験も無い。つまり、自分の中だけのつながりも皆無。しかし、ここしばらく音楽すら聴く気が起きなかっただけに、まあ、良いか。否。良いとしよう。

2012年10月07日(ミステリー記念日)
 最近読んでいる本の中に、グレッグ・イーガンの『しあわせの理由』がある。(もちろん)再読である。ただ、前回読んだのはいつだかは思い出せないが。

 本作は、日本で独自に編集した短編集だ。グレッグ・イーガンというと、非常に高度な科学理論をベースにした、ハードSFの作品を発表している。本作の中にも、文系の頭じゃちょっとやそっとじゃわからない理論が、極当たり前のように出てくる。しかしながら、これが、面白い。

 その面白さの理由は、ひとつに、話の展開にある。何しろ奇想天外なのだ。そのストーリー運びは、SFというより、ミステリーのそれ。ただし、そこにしっかりとした科学理論がベースになっている。それが確固たるものだから、ストーリーそのものも安定してくる。

 加えて、そこに登場する人物がいい。いかにも人間くさく、同時に特徴的な人物が出てくる。そのため、短編ながら感情移入しやすい。これが面白く感じる、一番の理由かな。

 どんなに科学が進んでも、やはり、人間なしには語れない、か。なるほどね。

2012年10月05日(世界翻訳の日)
 @久方ぶりに、少しばかり、メール・ラッシュをしてみる。それにしても、メールは減ったね。昔ながらの掲示板はもとより、ブログ、ツイッター、数々のSNSに携帯メールとショートメールと、通信(コミュニケーションの手段)が増えたせいかな。

 Aスウオンジーには、屋内マーケットSwansea Indoor Marketがある。屋内マーケットはカーディフやレクサムのそれがウェールズでは有名だが、スウオンジーの屋内マーケットは実にウェールズ最大規模を誇る。そのマーケットが、カーディフらを抑え、イギリス観光情報および宿検索サイトToprooms.comの「イギリス・トップ農産物マーケット」のひとつに選ばれた。おめでとう!

 実りの秋だものね。マーケット内の各ストールも、豊かな秋の収穫で彩られているのだろうな。行ってみたいな。

2012年09月30日(世界翻訳の日)
 長編小説は文字と時間を重ねることで、その世界を作る。多くの場合、作者は事前に綿密な世界構成をする。そして実際に筆を進めていくうちに、その世界は作られ、変化する。故に読者は、長くその世界に浸れる。その反面、場合によっては、その世界に入るのに長い時間をかけねばならぬこともある。

 短編小説は、短い分、その世界に出入りが自由。現実世界の生活に余裕がない時でも、読める。故に今は短編小説ばかり。

2012年09月29日(招き猫の日)
 昔、コミュニケーションといえば、口頭が主体だった。つまり喋ってなんぼ、聴いてなんぼ、の世界。その後、文字が現れる。文字の使用は、しかしながら、限定的だった。一部の有識者のみに限られた特権だったといえるかもしれない。だが文字は、気の遠くなるほど長い時間をかけて、浸透していった。

 その結果、今ではコミュニケーションは、文字が口頭と同じくらいの位置を占めている。携帯メールしかり。チャットやツイッターしかり。コミュニケーション論を考えるに際し、音声だけではなく、文字までもその範疇に入れて考えないと駄目かな、と、ポップカルチャー学会での発表を聴いていて思った次第。

 確かに一般的に、文字によるコミュニケーションの頻度や力は増した。とはいえ、生のコミュニケーションほどの力はまだ無いと思う。面と向って話すのが、一番だものね。

2012年09月27日(台風襲来の日)
 先日、星新一の『白い服の男』を読んだ。この作品、初めてではない。むしろ、何度も読んでいる。大学生の時分に、星新一に夢中になったことがあるのだ。ただ、あまり読み返した作品ではない。

 今、読み返してみると、その理由が如実にわかる。星作品の魅力は、その展開の意外さと痛烈な批判だ。しかしここでは批判を通り越し、強烈な皮肉になっている。そればかりか、不条理とも思える独断性がここでは占めている。それが人を作品から遠ざける理由だ。

 その独断性とは表題作「白い服の男」における、行き過ぎた勧善懲悪、「悪への挑戦」にあるひとつの思想の強制、そして極めつけは「老人と孫」にある不条理なまでの閉鎖性と非社会性、および矛盾だ。

 これらが読後感を、座りの悪いものにしている。ゆえに自然にその作品から遠ざからせている。

 だが今読めば、この読後感の悪さは、星新一の晩年の“枯れた”作品に通ずるものがあるとわかる。同時にこの作品は、星新一の初期作品にある叙情性は星にとって一環のものであり、この不条理さや皮肉が、星文学の真骨頂であることをうかがわせる。これを鑑みれば、ある意味、『白い服の男』は星作品の中で重要な作品であるとも言えよう。

2012年09月26日(台風襲来の日)
 ここ数日、何を聴いたらいいかわからない。否。何も聴きたくない。頭の中を何の音楽も鳴らず、そして、矛盾しているようだが、何を聴いたら良いかもわからない。観たいDVDは手元にあるのだけれどな。それもできない。ただ、時だけが過ぎてゆく。

2012年09月14日(十字架称賛の日)
 最近、指摘された口癖(2)。「ふいに思ったんだけど・・・ 」。うーん。確かに良く使う。無くて七癖、かな。やれやれ、だ。

2012年09月13日(世界の法の日)
 ウェールズの首都カーディフで、次世代通信規格である4Gが開通することになった。4Gとは、現在、スマートフォンなどで利用されている無線通信サービス3Gの上級サービスだ。

 この4Gを導入することによって、通信速度が速くなる。さて、どのくらいの速度になるのかというと、100メガバイト。ブロードバンドに匹敵する速度だ。ちなみに3Gは、実質、1メガバイトといわれている。つまり4Gは3Gに比べ、100倍の速度だ。いかに速いかお分かりになると思う。

 ちなみに今年、イギリスでこの4Gのサービスが開始されるのは、ロンドン、ブリストル、バーミンガム、そしてカーディフ。つまりケルトの国々および地域で、ウェールズは最も早く4Gが開通する国となる。おめでとう!

2012年09月10日(屋外広告の日)
 @ウェールズでバイクの所有数が減っていることが明らかになった。2009年には所有数が56500台だったのに比べ、2011年には55100台と減った。良いことじゃないかな。その分、排気ガスも減るだろう。何より事故が減ると思う。二輪車関連の事故は、とにかく、多いからね。

 A屋外広告の日とは、日本で1973年の今日、法律で屋外広告業者の届出制度が確立されたことにちなむ。いっそのこと、屋外広告を禁止すればよかったのに。そうすれば景観のみならず、建物そのものの美しさを保つことができる。屋外広告を禁ずることで、非常に良い街並みを保っている都市が多いのにね。残念だ。こういうことには、某都知事をはじめ、某維新の会を束ねながら某市長を務める人は働こうとしないのかね。残念だ。

 B過日、大型量販店に行った。とある商品を1週間以上前に下見をしてからの購入だ。つくづく思ったのだが、店員の接客態度や説明で、どれを買うかがかなり左右されるね。あいまいな態度や説明を繰り返す店員だと、こちらの意思まであいまいになる。そればかりか、購入意欲までそがれる。やれやれ、だ。

2012年09月09日(菊の節句)
 @尖閣諸島を、某都知事が「(日本)国が買わないから(東京)都で買う」と購入意欲を見せていた。だがここにきて国が購入を決定。それに対し、某都知事は憮然とした表情。いかにも不満げな態度をとった。

 いいじゃない? もともと国に買ってほしかったんでしょ? いくら鳶に油揚げを攫われた格好となったからといって、この態度をとるのは、礼節を欠いた行動だと思う。

 挙句に、尖閣諸島購入のために集めた寄付金を、現行政府に購入資金にあててもらわない意向を表明した。じゃあこの寄付金、どうするの? 全員に返却する? その際の手数料は誰が払うの? 全くおかしな話だ。

 A子供にいくら小遣いを与えています? それとも、自分が子供の時に小遣いをもらっていました? ウェールズでは8歳から15歳の子供は、週に£5.94(≒734円)をもらっていることが調査で明らかになった。

 これは前年度の£5.43より9%アップした額だ。8歳から15歳という、調査対象の年齢幅が大きいのが気になるが、それでもちょっと微妙な額だね。

 ちなみに15歳以上になると、私の知り合いのウェールズ人の子供は、学業の傍らアルバイトをして稼ぐようになっていた。金銭を稼ぐことの大変さ、そして、金銭をやりくりの仕方を早いうちから学ぶのは、先を見据えれば良いことだと思う。そうすれば、無計画に購入を宣言し、それが足りないからといって周囲から寄付を集めるような愚かしいまねはしないだろうしね。

2012年08月30日(国際失踪者デー)
 @世に、未発表作品として、後に正規でリリースされる作品がある。その作品の多くは、製作されながらも、何らかの理由からお蔵入りになっていた作品だ。ゆえに10年、20年の時を経て正規のルートを通じてリリースされても、新鮮味が全くない作品が多い。

 だが、稀に例外もある。それはハルモニア&イーノ76『トラックス。アンド・トレイシス』だ。ドイツのグループ、ハルモニアと、イギリスの鬼才ブライアン・イーノが組んだアルバムだ。76年に製作されながらも、1997年になるまで日の目をみることがなかった。さらにその後、2009年に3曲を追加して再リリースされた。これが何とも、実験的で、野心に満ちながら、浮遊感のある作品ですばらしい。

 A今日は国際失踪者デーであると同時に、富士山測候所記念日でもある。その富士山が世界文化遺産登録を目指し、ユネスコの諮問機関である国際記念遺跡会議による調査が昨日から始まった。まずは山と湖がその絶景をなす、山梨県側から調査開始。9月2日からは海のある静岡県側から調査するという。世界文化遺産登録に関しては、賛成意見のみならず、反対意見もある。登録されてもされなくても、良い方向に行くといいね。

2012年08月29日(文化財保護法施行記念日)
 中々書けないが、最近読んだ本の中で、カート・ヴォネガット・ジュニアの『モンキー・ハウスへようこそ[2]』がある。本作には、彼の1950年代から1968年までの短編が収められている。

 ところでヴォネガットの代表作は『猫のゆりかご』や『タイタンの妖女』をはじめ長編ばかりだが(実際、私もヴォネガットの真骨頂は長編にあり、と、思っている)、それとはかなり異なった感触の短編がここにはずらりと揃う。その主だった理由は、彼が得意としたSFのみならず、恋愛小説、メインストリーム、教訓めいた話など様々なスタイルの小説が収められているからだ。実にヴォネガットの作家としての多様な面を観れて、面白い。何より、このように多義にわたるスタイルの小説を連続して読んでいると、まるで万華鏡をのぞいているような気すらしてくる。これが実に楽しい。また読後感が良い、良質な短編が揃っていることも、特筆に価する。

2012年08月25日(川柳発祥の日)
 @ザ・チーフタンズが来日するね! 結成50周年記念ツアーとのこと。11月22日のBunkamuraオーチャードホールを皮切りに、全10公演。観にいきたいな。なおザ・チーフタンズはアイルランド伝統音楽の雄。その縦横無尽な活躍は、アイルランドのみならず、世界中の批評家が認めるところ。詳しくは拙著『ケルトを旅する52章』を参照してください。

 ちなみにBunkamuraは東京は渋谷にある。中にはドゥ マゴ パリと呼ばれる、喫茶店がある。中々良い場所だ。ここでお茶をしたことが、懐かしい。本場パリにも同名のカフェ・ドゥ マゴがある。ここも素晴らしい。

 A今日、ミンミンゼミの鳴き声を聞いた。8月も終わりだというのに、である。そういえば、ツクツクホウシはまだ聞いていない。8月も終わりだというのに。夏はまだ終わらないのかな。そういえば、8月も終わりだというのに、湿気を伴った空気が暑い。どうなっているのかな。

2012年08月23日(白虎隊自刃の日)
 @日本も暑いが、ウェールズも暑い。その暑い日向に駐車した車の中に、飼い犬ラブラドール3匹を無人の車内に置いて、ある飼い主が観光名所で1日を楽しんでいた。夕方、飼い主が戻ってみると、犬は全員死亡。

 大ショックを受けた飼い主は、しかしながら、警察に通報。現場に駆けつけた警察は、飼い主を逮捕した。容疑は動物を苦しめた残虐行為である。

 何とも痛ましい事件だ。晴れた日ならば、締め切った車内はすぐに高温になる。それは車の所有者ならば、わかっているだろう。しかしウェールズでは晴れの日は少ない。そのために飼い主が注意を怠ってしまったのだろうか。気をつけよう。

 A最近、指摘された口癖(1)。「正直に言うと・・・ 」。指摘した人曰く、「(筆者は)正直なことしか言っていないし、嘘なんかついていない」。確かにそうだ。他の人から見れば、変な口癖かも。

 B暦では今日23日に処暑は過ぎたことになる。だが、東京および近郊はまだ暑い。夕暮れ時に吹く、昼間の残暑を感じさせる生暖かい風が、歩いていると心地よく感じるほどだ。

 そこまで暑いので、今日の夕食はゴーヤチャンプルを作った。暑い日に対抗するには、ゴーヤの苦味が良い。初めてだったけど、まあ、上手くできたかな。

2012年08月21日(献血の日)
 過日、観た映画(DVD)より1本。『メッセージ そして、愛が残る』。2008年、ドイツ・フランス・カナダ合作。

 ギヨーム・ミュッソによるフランスのベストセラー小説を映画化。幼くして息子を亡くし、その反動か妻と残った娘とも別れ、一人仕事に没頭するネイサン。そこに突然現れた医師が、自分は他人の死がいつ訪れるかわかるという。その医師と行動を共にするにつれ、自分の死期を悟るネイサン。そしてネイサンは別れた妻の下へと向う・・・ 。

 ラストにどんでん返しがある。このどんでん返しがすばらしい。一方で、そこに至るまでの過程で、非常に考えさせられる映画だ。ちなみにラストは、人によっては唖然とするかもしれない。お勧め。

2012年08月19日(俳句の日)
 ロンドン・オリンピックの興奮も冷めやらぬ今日この頃、ウェールズのスランウルティド・ウェルズ(Llanwrtyd Wells)で2012年世界代替競技会(World Alternative Games)が開催される。期間は8月17日より9月2日。

 この競技会、スポーツの大会なのだが、普通のものとはちょっと種目が違う。妻運び競争(wife-carrying championships)、ミミズ集め競争(worm charming)、ロシアン“卵”ルーレット(4つの卵が参加者に向って投げられ、ゆで卵があたった人が勝ち)、マウンテン・バイク戦車競争(ローマ時代の二頭立ての馬に引かれた戦車よろしく、二台のマウンテン・バイクによってひかれた戦車による競争)など一風(?!)変った競技ばかり。

 さらに以前、日本のテレビ「世界不思議発見」でも放送されたボグ・シュノーケリンは、ボグ・シュノーケリング・トライアスロンとして行われる。これは7.5マイル・マラソン、60ヤード泥炭ボグ泳ぎ、そして19マイル・マウンテン・バイク競争からなるトライアスロンだ。

 そして最大の目玉は、人vs馬マラソンだ。これは1980年より行われている競技で、人と馬が22マイルの距離をマラソンで競う。

 どの競技も馬鹿げているようで、実にまじめに行われる。中にはボグ・シュノーケリングや人vs馬マラソンなど、ウェールズでは以前より行われている競技もある。オリンピックの興奮の余波で、スポーツ観戦をまだ求めている方は、要チェック。ただし衛星放送をはじめ、日本では公共の電波に乗せての放送予定はなさそうだ。残念だね。なお世界代替競技会公式サイトは、こちらからどうぞ。

2012年08月17日(パイナップルの日)
 過日、観た映画(DVD)より1本。『ソウル・キッチン』。2009年、ドイツ・フランス・イタリア合作。ハンブルグにある、小汚い食堂ソウル・キッチン。経営者兼シェフのジノスは、映画の冒頭から妻(恋人?)が上海に単身赴任し、自らは椎間板ヘルニアをわずらうなど、不幸続き。挙句に不動産業を営む友人は、ジノスの店をのっとろうと計画し・・・ 。

 そのような中、偶然、知り合った凄腕だが短気な孤高の天才シェフをリクルート。更に刑務所を仮出所した兄を雇うことになる。だがそのシェフの料理と兄のにわかDJで、ソオル・キッチンはそれまでにないほどの人気を博す。運が向いてきた、と思った刹那、恋人が新しい男を連れて上海から一時帰国。更に店はギャンブル好きの兄によって、抵当に入れられてしまう・・・ 。

 踏んだりけったりの人生だが、憎めない魅力を持つジノスに引き寄せられるように集まる人々の姿を、群像劇の形で描いた非常にすばらしい作品だ。何より映画の主要登場人物が、生き生きと描かれているのが良い。もちろん、天才シェフの作り出す非凡な料理も、美味しそうだ。ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞、ヤング・シネマ賞を受賞。惜しくも逃したが、金獅子賞にもノミネートされた。お勧め。

2012年08月16日(月遅れ盆送り火)
 ウェールズ議会セネッズのメンバーでウェールズ保守党の党首であるアンドリュー・RT・デイヴィス(Andrew RT Davies)の発言が、物議を醸し出している。曰く、「ウェールズ議会(the National Assenbly for Wales)はウェールズ国会(Welsh Parliament)と改名すべきだ。

 これが議論を呼ばぬはずはない。ましてや変化を嫌う、保守派の党首の口から出た言葉だ。論議を掻きたてぬわけがない。

 しかしながらこの発言の背景には、愛国者的な思想はない。デイヴィス曰く、ウェールズ議会という名前が、ウェールズの民衆に混乱を与えている。ゆえに名称を変更したほうが良いというのだ。

 ウェールズでは議会(Assembly)と国会(Parliament)は同等の価値/力を持つ。だが民衆はそれを理解していない。それが改名によって、より多くの敬意が払われるだろうというもの。

 このやり方、どこかでよく耳にする。某国でも「児童手当」が二転三転し「子ども手当」になり、再び「児童手当」に代わり・・・ 。結局、名称を変えるだけで中身は変わらない。だから何の進展もないのにね。どこの国でも政治家が考えることは同じ。そういうことなのかな。

2012年08月14日(専売特許の日)
 過日、美容院でパイドックをしてもらう。パイドックとは、簡単に言えば頭皮と毛髪のトリートメント。粒子の細かい水を使うことで、髪に水分補給をする。更に頭皮の脂など、普段の洗髪では洗い落とせないモノを落としてもらう。これが、非常に気持ちいい。

 終わると、汚れや脂などの不要物が全て除去されたように感ずる。これほどまで、頭に不要物が積もっていたのか、と、思うほど。頭が軽くなったような気すらする。実にすっきりするのだ。目の辺りがすっきりしたという感想を持つ人もいるそうだが、なるほどね。その感覚、よくわかる。

  2012年08月04日(金銀の日)
 @2日の@でお伝えした、試合後に起こった駅での行列。これを受けて、次のカーディフで行われる準々決勝の時には、臨時列車を運行すると列車会社が発表した。

 列車会社の発表によれば、当時、行列は35分ほどだったという。だが実際にはそれ以上待ったという人や、列車をあきらめ、タクシーで85ポンドもの高額を払って帰途についたという人もいる。この臨時列車で次の試合後、行列が解消されるといいね。

 Aそのオリンピック、ようやくウェールズに金メダルが届いた。ウェールズ出身のゲライント・トマス(Geraint Thomas)選手とそのチームが、自転車競技で金メダルに輝いた。記録はトラック1周3分54.395秒。これは世界新。おめでとう!

 B一方、ウェールズ国をあげての祭典アイステズヴォッドが、現地時間の今日4日から開催される。今回の開催地は、南ウェールズのヴェイル・オブ・グラモーガン(グラモーガン丘陵の意味)。

 ご存知の通り、南部、しかもこの周辺は、かなり早くのうちから英語化が進んだ英語文化圏だ。ウェールズ語文化圏の祭典でもあるアイステズヴォッドが、この地域で開催されるのは、実に44年ぶり。

 この地域でアイステズヴォッドが近年開催されなかったのは、当然といえば当然か。何しろ早い時期からウェールズ語を唾棄し、英語化を自ら選んだ地区なのだ。

 しかし現状は変わりつつある。ウェールズ語と英語のバイリンガルを推奨するウェールズ議会は、その本拠地を南部のカーディフ湾に構えている。そして今、議長のカルウィン・ジョーンズ氏によれば、この地域では近年、ウェールズ語熱が高まってきているという。その現われとして、ウェールズ語を媒体とした学校が増えていることを氏は上げている。具体的には、2001年には10.9%だったウェールズ語を媒体とした学校教育は、2011年には13.7%まで上昇しているという。

 氏によれば、この地でアイステズヴォッドが開催されることで、この周辺一帯のウェールズ語の使用への推進力となることができるという。「子供や若者に、学校の外でもウェールズ語を使うことを楽しめる機会を与える」ことは、このアイステズヴォッドでの挑戦であり、それが「更に一歩進めること」につながるという。オリンピックの金メダル以上に、期待したいね。

2012年08月02日(金銀の日)
 @ロンドン・オリンピックでメダルの話が届かないが、オリンピックの話を。ロンドン・オリンピックと言いながら、競技によっては会場は点在する。そのひとつがフットボール(サッカー)。先頃、なでしこジャパンが南アフリカと戦い、引き分けたのはカーディフ。ご存知、ラグビーの殿堂であるミレニアム・スタジアムでのことだ。

 この試合で勝利すれば、なでしこジャパンが次に向うスタジアムはグラスゴーだった。カーディフからグラスゴーまでは移動に8時間かかる。どのような移動手段を使うのかわからないが、列車にしても飛行機にしても、カーディフからでは乗換えが必須。かなり大変だ。貸し切りバスで移動したとしても、かなり時間はかかる。

 ところでもし引き分ければ、次の試合もカーディフで行われることになる。先を見据えたなでしこジャパンの監督が出した結論が、「南アフリカ戦は引き分けて、次の試合もカーディフで」。英断だったと思う。

 一方、そのミレニアム・スタジアムでは男子フットボール(サッカー)の試合も行われている。昨日、行われた試合ではイギリス・チームがウルグアイを破って勝利。おめでとう!

 試合後、カーディフを待っていたのはファンの大渋滞。何百人という数のファンが、カーディフ・セントラル駅から列車で帰途につくのに、長蛇の列を作った。その長さ、行列で有名なイギリスでニュースになるほど。

 10分おきに列車は到着するが、列は全く動く気配がなかったとのこと。列車会社曰く、乗客の多くがカーディフにあまり来たことがなく、そのため、乗換えなどがわからず、駅構内もしくは入り口で立ち往生していたためだろうという。またその乗客の多くが、試合前に列車の切符を買っておらず、試合後、窓口に殺到したためだろうとのこと。

 オリンピックでは何でも記録になるが、この列も記録になったりして。

 A日本の関東では、いつの間にやら夏空。しかも今日は高温注意報が出るほど。東京周辺では、午前中で34度近い温度を記録している。午後にはもっとあがるらしい。気象庁の予報では、35度を超えるとか。皆様、適度な冷房と水分を。それから塩分もね。

2012年07月27日(乱歩忌)
 2012年ロンドン・オリンピックが、ついに開幕式を迎えた。テレビ中継で観た人も多いだろう。斯く言う私もその一人。中々すばらしい開幕式だった。一緒に観ていた人と思わず北京オリンピックと比べたが、その比にはならないだろう。

 特に聖火台に点火するセレモニーの演出は、すごかった。ベッカムがボートでテムズ河を会場まで聖火を運び、それを聖火ランナーが会場内まで運ぶ。さらにその聖火を7人の十代の若者が運ぶ。最後は円形に広がった、204本におよぶ銅製の棒の先端に点火。その棒全てに火が回ったところで、棒が中心に向って立ち上がる。そしてそれらが集まると、巨大な聖火台となった。この様には、一緒に観ていた人も、テレビを食い入るように観ていた。私も感動した。

 ところでコアなネタをひとつ。イギリスの選手団の入場時、それまでとは異なる曲が流れた。かかったのはデビッド・ボウイの「ヒーローズ」である。この曲のギターを弾いているのが、かのロバート・フリップだ。その母親はウェールズ人系で、その父親(ロバートの祖父に当たる)はウェールズ人炭鉱夫だった。ロンザ丘陵で働いていたらしい。

2012年07月26日(日光の日)
 ここのところ、頭の中で鳴っているのが、マイク・オールドフィールドの『アマロック』。「鳴っている」というレベルではない。ガンガンだ。しかも、実際に作品を聴きたくて、いてもたっても居られないというレベル。珍しい。

 ところでこの『アマロック』は、1990年の作品だ。CDがレコードに完全に取って代わった頃の作品である。それ以前には、CDはレコードの延長としか扱われていなかった。この頃から、各アーティストがCDの独自性を生かした作品を発表し始めたのだ。この『アマロック』も、CDに収録できる長さを反映。1曲60分となっている。またCDで再現できる周波数帯を、フルに活用した作品でもある。

 これが頭の中で鳴っている。もちろん、断片的にではある。しかしその断片が曲者だ。何しろこのアルバムは、数々の断片的なフレーズをつなげてできている。一見するとそれは無作為に感じられる。しかしいくつかのキーワードで切ってみると、実にあるひとつの作為に沿って、綿密に、計画的に作られた作品であることがわかる。

 そのひとつがエレキ・ギターである。マイク・トーンとも呼ばれる、高音をしぼり、軽く歪ませた音に注目してみよう。内省的なマイク・オールドフィールド独自の音が奏でるフレーズは、実に、ひとつのメロディから作られている。

 ただ、そのメロディは奏でられるたびに、どこか変調していたり、キーが異なったりする。それがクライマックスで聴かれる、ひとつの完成したメロディを求めるかのように、ひたすら変奏を重ねていく。そう、この『アマロック』は、ひとつのメロディから生まれた様々な変奏曲から出来ている。

 そのクライマックスにあたる、51分からのパートはすごい。ひとつのメロディを、1本のギターが何十にも多重録音されることで、奏でている。一見すると1本のギターが、ひとつの旋律を弾いているように聴こえる。しかしよく聴くと、幾度となく録音されていることがわかる。これにより、通常の方法とは異なった響きがする。

 あれ、この方法、どこかで・・・ と思った方は鋭い。エンヤだ。エンヤがひとつのメロディを細かく分け、自らの声を何度も重ねて録音することで、通常の方法からは生まれない独自の浮遊感を生み出すのと同じ手法(詳しくは拙著『ケルトを旅する52章』を参照してください)を、マイク・オールドフィールドは使っているのだ。

 そういえばこのAmarokというタイトルは、ゲール語から来ているという説もある。「朝」や「幸せ」を意味するらしい。そういえばこの曲のもうひとつのキーワードは、曲中に神出鬼没する“Happy?”というひしゃげた声だ。ボドハンと呼ばれるハンド・ドラムが曲の主要箇所で使われているが、これもアイルランドの伝統楽器である。この作品、アイルランドと関係があるのかもしれない。

2012年07月24日(劇画の日)
 ちょっと嬉しかったこと。某タワーレコードで買い物をした。その際、商品に表示された価格より、実際にバーコードをレジで読み取った際の値段が大幅に安かった。

2012年07月21日(神前結婚記念日)
 本を読んでいると、時折、はっとさせられる表現にぶつかる。Barry Morgan のStrangely Orthodox - R.S.Thomas and his Poetry of Faith (Gomer, 2006)で次のような表現にぶつかった。――「神はこの世では弱く力もない。そしてそれがまさに、神がわれわれとともにあり、われわれを助ける方法であり、唯一の方法である」(“God is weak and powerless in the world, and that is exactly the way, the only way, in which he can be with us and help us.”)。Dietrich Bonhoefferが牢獄からの手紙に書いた言葉だ。神とはもちろん、キリスト教の神を意味する。そしてこれは、キリストの磔について語った言葉である。

 この引用の後に、Morganは次のように続ける。――「神の強さは力ではなく、弱さの中に啓示される」(“God's strength is revealed in weakness not in power”)。打たれた。全くもってすごい表現だ。そして同時に、真実である。

2012年07月19日(戦後民主主義到来の日)
 @雨続きのウェールズ。ようやく今週末に晴れ間が訪れるとの予報が出た。良かったね。

 A一方、梅雨明け宣言はまだなものの、強烈な夏の日差しが照りつける日本・関東。だがこれは一方で、電車内や室内の冷房地獄を意味する。

 確かに汗をかくことはない。暑さで茫然自失になることもない。熱中症の恐れもないのだろう。だが機械が作り出す、非自然的な冷風が体を蝕む。今日はついに、体を壊した。

 B某大学。やや郊外にあるためか、自然が敷地内に多く残る。設備投資に積極的なため、ほぼ各教室にマルティメディア(DVD、ビデオ、CD、各種コネクター、プロジェクター、スクリーンなどのAV設備を指す)が設置されている。非常に環境が良い。

 しかし先日、ふいに教室の椅子を見て、凍った。椅子の背の中央辺りに、明らかに人為的と思われる穴が開いている。このような破壊行為は、一見すると些細に見える。だがこれを放置することで、破壊行為はエスカレートしていく。実際、あたりを見渡せば、喫煙所の床はこれほどまでにないほど汚れ、教室のコンセントのカバーがはずされ、エレベーターのボタンがライターの炎で焼かれている。

 そしてついには、夜中に学外の人間と敷地内に侵入。サバイバルゲームと称した、空気銃などを用いた撃ち合いを演じ、停学になった学生が出た。環境は良い。だが内情は荒れている。残念でならない。

2012年07月18日(ネルソン・マンデラ・デー)
 ようやく学会シーズンが終わったと思ったら、試験問題作成。そしてその問題も全て完成せぬ前に、試験が始まる。各大学で試験を行う日が一定しないので、ある大学では試験をし、ある大学では授業をするという状態。試験問題全てを作り終わる前に、採点が始まる。その合間に通信教育のレポート採点の催促が入る。

 全てがごたごたに入り混じる中、生活必需品であるハードディスクレコーダーがシステムエラーを起こす。帰宅をすれば、CDラックの棚上4段がずれ落ちている(CDの重さに耐え切れず、崩れるとは欠陥商品では?!)。そんなこんなの合間にサイトを更新し・・・ 。・・・ 。・・・ 。大丈夫かね、私?!

2012年07月13日(日本標準時制定記念日)
 書こうと思っていて書けていないもの。@メール。ごめんなさい!! 多忙ゆえです!

 Aこの雑記。昨日、今日は、合間を縫って何とか。

 B最近のウェールズ。でもひとつだけ。イギリスの空港の要であるヒースロー空港。ここからウェールズに入るには、以下の選択肢が主だった。(1) 列車。ただし最低1回は乗り換え。(2) 高速バス。ただし列車より時間がかかる。(3) 自家用車。ただし自分で運転する必要あり。

 ここにもうひとつ、加わる。それは「直通列車」。5億ポンドをかけた一大事業である。

 これが昨日12日、公表された。ただしこれはまだ計画段階。早ければ2021年には開通予定とか。この時期に公表されたので、2012年ロンドン・オリンピックに合わせての開通かと思ったら、かなり先の話だね。残念。首を長くして待とう。メール等も首を長くして待っていてくださいね(本当にごめんなさい!)。

2012年07月12日(洋食器の日)
 @喉は商売道具。同時に、弱点でもある。体調を崩しそうになると、まず、喉がおかしくなる。

 だから喉には人一倍、気を使う。日に数回のうがいは欠かせない。そして帰宅してすぐ、必ずうがい薬を使ってうがいをする。

 というわけでうがい薬には縁が深い。だがこれまでイソジンしか使ったことがなかった。それがとある事情から、ルルに代わった。驚いた。辛い。おかげで殺菌効果は強そうだが、果たしてこの辛さ、喉に良いのだろうか? 何とも不思議な気分になる。

 A先日お伝えした、ハウエル善王の法典の写本が競売にかけられた。予想価格の70万ポンドを大きく下回る、541,250ポンドで落札された。

 落札者はアベリストウィスにあるウェールズ国立図書館。帰るべき場所に帰ったように思う。良かったね。

2012年07月07日(七夕)
 マニックス(マニック・ストリート・プリーチャーズ)にはまる。中でも『ポストカード・フロム・ヤングマン』に。特に朝に聴くのが良い。明るいメロディと風通しの良い音が、何とも気分良くさせてくれる。気づけば、じっと耳をその音に傾けている。「レコード時代には今のCDと違って、1回1回じっと聴いた」と言う人が私の周りにもいるが、まさにその聴き方に近い。

 何を今更、と思う向きもあるかもしれない。しかし、いつもこうなのだ。マニックスの新作が出ると、嬉しくて聴きまくる。ひとしきり聴いて、他の音楽に移る。そしてしばらくして後、ふいに聴きたくなる。するとこれまでとは違った聴こえ方がしてくる。そしてはまる。この繰り返しだ。

 マニックスの音楽が、それだけの鑑賞に耐えうるものだということだと思う。洋の東西、新旧、そしてポピュラーミュージックか芸術家を問わず、良い音楽は体に残る。そして時折、忘れた頃に“現れる”。

 そこに数週間のラグがあるか、はたまた数年のラグがあるか。それはその音楽と、聴く人自身の芸術経験にかかわってくる。実際、私の場合、ペンデレツキの『ルカ受難曲』は7,8年かかった。今ではほとんど聴くことがない。それでも大切な作品のひとつとして、常に体にその音が残っている。

 七夕だけに時間のラグについて思いをはせてみた。

2012年07月04日(地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー)
 昨日まで東京およびその近郊では、雨が多かった。いかにも梅雨といった感じ。あけて今日、朝より快晴。一気に最高気温もあがり、28度。夏到来かな。

 ・・・ と思った途端、冷え込んだ。気温が、ではない。室内、特に、電車内が、である。ジャケットを着ているのに、寒くて震える。思わず周囲を見渡す。何と、厚手のカーディガンを着込んでいる男性もいるではないか。寒くて震えていたのは、私だけではない。

 帰宅してまず、熱いコーヒーを飲む。それから、熱い風呂に入る。そしてようやく一心地。これって尋常じゃない。漢方や医食同源の観点から見ても、おかしいんじゃないだろうか?

2012年06月30日(アインシュタイン記念日)
 @土曜日である。疲労は蓄積している。それも、かなり。しかしながら、仕事である。そのためかハードな音楽をかける傾向がある。

 たとえばカナダのラッシュ。それから北アイルランドのスティッフ・リトル・フィンガーズ。後者は危険なほどパンクだ(『ケルトを旅する52章』参照)。

 ところで彼らスティッフ・リトル・フィンガーズの曲は、基本的に白人パンクながら、そこにレゲエを合わせた曲がある。これもまた、良いのだ。

 北アイルランドの若者が奏でる、地に足が着いた白人パンク。そこに戦いの音楽であるレゲエがかぶさる。――北アイルランドとレゲエの生まれたジャマイカは、どちらも英国軍の不条理な支配と暴力を経験している。一見するとつながりがなさそうだ。しかしながらその根底では、共通項があるのだ。この共通項があってはじめて、ふたつの異なる音楽ジャンルが大きく響く。

 パンクとレゲエ。このふたつがそこでは何とも上手い具合に、融合し、響き合っている。ロンドンやNYで生まれた、ある種白昼夢的かつ理想論的なパンクとは異なり、実践的な戦いの音楽となっているのだ。これが良い。

 A今日で上半期も終わり。皆様、2012年の上半期はいかがでしたかな? ちなみに私が上半期が6月30日までだと気づいたのは、数年前のことである。それまでは5月31日だと思っていた。やれやれ、だ。

 Bその上半期最後を飾る6月は、ウェールズでは最も雨の多い月となった。1910年より始まった観測史上、最高の雨量だった。具体的には今年2012年6月の降水量は186.3ミリだった。これは1998年の183.1ミリという記録を大幅に塗り替えた。

 ちなみにウェールズとイングランドで最も標高の高い山スノードンでの降水量は、316ミリ以上。これは例年の2.5倍の数字だ。

 日本でも2回、本州に台風が直撃する(ひとつは途中で熱帯低気圧に変わったが)など、今年の6月は例年以上に雨が多かった。異常気象なのかな。誰もこの件に関して、何も言っていないけれどね。

2012年06月27日(メディア・リテラシーの日)
 @過日、観た映画(DVD)より1本。『ファニーゲーム』。1997年、オーストリア映画だ。

 ストーリーは父、母、息子の三人家族が休暇で避暑地の別荘を訪れるところから始まる。そこにふたりの若い男性が訪問してくる。彼らのうちひとりが、知り合いの使いだと言って、まずは卵を所望する。そして彼らの要求は次第にエスカレート。ついには家族を監禁し、虐待する“ゲーム”を始める。

 突然降りかかる不条理な暴力と、そこから逃げられない家族。携帯電話も壊され、近くに隣家もなく、家族は孤立する。助けを求めることすらできない。そして彼らの“ゲーム”に無理やり参加させられる。

 ここで描かれる不条理な暴力は圧倒的だ。だが更にすごいのは“メタ映画”とでも呼びたくなるその映画の構造。まさに既存の映画の世界観を、暴力でぶち破ったような感触すらある。

 既に小説界では虚構を超えたメタ虚構なるものが存在するが、まさにこの映画はその映画版に相当する。心底、すごい映画だと思った。

 A旅に出たいね。温泉が良いかな。箱根あたりでも安いプランと聞いた。良いな。箱根なら近くに美術館やアウトレットもあるしね。この夏、ロンドンはオリンピックだからね。

2012年06月23日(オリンピック・デー)
 ウェールズより3件。

 @ウェールズ党(Plaid Cymru)より日本人議員選出! ――先に行われた選挙で、カーディガン町議会議員として、日系イギリス人(イギリス国籍取得済み)が初当選した。日本名を島崎晃とする一方、地元では“Jack Bara Caws”と名乗るこの新人議員。齢にして71。ウェールズの「独立」を掲げて当選した。

 遅咲きとみる旨もあるかもしれない。しかしカフェのオーナー、日本語教育などの仕事を経て、その人脈から推挙されての当選である。しかもウェールズ党は、ご案内の通り、ウェールズ愛国主義者らから当初結成された政党だ。そのような中を異人として潜り抜けての当選である。快挙といっていい。

 A14世紀のウェールズの写本が来月、サザビーズのオークションに出品される。――700年も前のこの本は、上質皮紙(もしくは動物の皮)に中世ウェールズ語で記されている。個人として最後に所有したのは、ブレコンの法廷弁護士ウィリアム・フィリップス(1663-1721)。その後、この本は海を越え、アメリカに渡った。現在は、アメリカのマサチューセッツ歴史協会が所有する。その協会が、今回、この本をオークションに出すことを発表した。

 この本はポケットサイズほどの小ささだ。だがその価値は、計り知れないほど大きい。それというのも、その写本はウェールズハウエル善王の法典を写した、最も古い写本のひとつと考えられているからだ。サザビーズのティモシー・ボルトン博士によれば、この本はウェールズ国の独自性の“心に”立ち戻る目的で、ポケット・ガイドとして使われたのだろうという。

 博士によれば、ウェールズには1250年以前の完本は残っていない。1250年から1500年代までの間ですら、80冊の本が現存するのみ。他は全て断片ばかりだ。今回、オークションに出される本は、その80冊のうちの1冊となる。これだけでもかなり貴重な1冊だ。

 落札予想価格は、70万ポンド。さて、どこが、いや、誰が落とすのか。アメリカから再び海を越え、ウェールズに帰るのか。それとも、他のどこかの国に行ってしまうのか。注目が集まる。

 Bカーディフ・セントラル駅前といえば、路線バスのステーションで知られる。そのバス・ステーションの一部、現在は使われていない旧ターミナルが、急ピッチで再開発されることになった。

 その理由は、オリンピックが開催されるから。何でも女子サッカーの開幕戦となる7月25日までに、新しいバス・ターミナルが開かれるそうだ。間に合うのかね・・・ ?

2012年06月22日(かにの日)
 なぜかここの所、古い音楽を聴いている。特にジェネシスやイエス、そしてピンク・フロイドといった70年代前半の音楽ばかり。その上今日は、更に逆行。60年代までさかのぼった。

 もちろん、その一方で最先端の音楽も聴いている。しかし、それにしても、70年代前半からそれ以前の音楽が多い。なぜだろう? 疲れかな? それとも、様々なしがらみがとれたからか。後者かな。

2012年06月17日(砂漠化および干ばつと闘う国際デー)
 今朝、某テレビ番組『サンデー・ジャポン』を、何となくかけていた。すると、番組BGMとしてアレアの「白い象」(アルバム『クラック!』収録)が流れた。唖然としていると、続いて流れたのがピンク・フロイドの「原子心母」(同名アルバム収録)。

 うーん。朝からこのような曲を流すのもすごい。日曜日の朝だということを考えると、更にすごい。いや、日曜日だからできたのかな。

2012年06月15日(暑中見舞いの日)
 南ウェールズで恐竜の足跡発見! ――こんな鬱陶しい梅雨を吹き飛ばすような、刺激的な(?)ニュースが飛び込んできた。もちろん、発見されたのは足跡の化石である。

 発見したのは、カール=ジェームズ・ラングフォード氏。場所は南ウェールズはサリー(Sully)の浜辺。何でもここは、恐竜の足跡の化石が以前も発見されたことで知られているらしい。

 発見された足跡の持ち主は、 アンキサウルスアンキサウルスと呼ばれる小型の恐竜。大きさは人の身長ほどしかないとのこと。

 ただ驚くべきは、この恐竜の生息時期。ジュラ紀の前、三畳紀だという。つまり今から2億3千年前から、1億9500万年前だ。

 こんな気の遠くなるほど昔から、私たちがかの地をウェールズと呼ぶ以前から、この地は存在したのだね。その後、恐竜は滅び、石器人がここで暮らし、そこに鉄器を携えたブリトン人が渡ってきて――そう考えると、古代のロマンが掻きたてられる。

2012年06月14日(世界献血者デー)
 最近、気になっていることがある。それは先日(5月16日)の雑記にも書いた、サッカーチーム・カーディフシティのユニフォーム色変更である。5月16日の時点では、変更はなくなったと書いたが、その後、やはり従来の青から新しい赤へと変更されることが公表された。

 これに不服なファンが、カーディフ・セントラル・ステーションからカーディフ・シティ・スタジアムまで6月9日にデモ行進をすることを計画。デモ行進を組織したのは、フェイス・ブックを利用しているグループ。その主要メンバーの一人が、17歳だというから驚きである。

 私が気になっているのは、このユニフォーム変更を強いたのが、チームの新しいオーナーであるマレーシア人だということ。先のグループは、人種差別的な意図はないといっている。そうあってほしい。だがリーダーの意図が、末端まで伝わらないことはある。特に抗議集団に、それは多い傾向にあるようだ。マレーシア人オーナーに直接その抗議行動が訴えられるならばまだいい。そうではなく、カーディフ在住のアジア人にその怒りの矛先が向けられたらたまったものではない。そうならないことを祈っている。

2012年06月05日(落語の日)
 @最近の読み間違え・いい間違え。私の周辺で、手書きのメモをめぐり、次のような会話が行われた。A「からパックって何?」B「ゆうパックじゃないの・・・ ?」。ひらがなって難しいね。

 Aナショナル・イルズ・アイステズヴォッドが北ウェールズはスノードニアのお膝元で、6月4日から9日にかけて行われる。これは簡単に言えば、子供向けアイステズヴォッド。10万人の来訪者が期待されている。

 これが終わると続いて音楽の祭典スランゴスレン・インターナショナル・アイステズヴォッドが7月3日から8日まで行われ、その後、トリとしてウェールズをあげての民族の祭典アイステズヴォッドが8月4日から11日にかけて行われる。今年ももう、そんな季節になってきたんだね。

between the 4th and 9th of June. 2012年05月24日(コモンウェルスデー)
 大ニュース! ウェールズがNHK-BSプレミア『ぐるっとイギリス3500キロ』(サイト内の“旅”の項目をクリック!)で放送されます!! 日時は2012年5月31日19時30分から21時まで。これは30日に始まる2夜連続ドキュメンタリーの後半。「連合王国の悲しみと希望」と題してウェールズが北アイルランド、スコットランド(島)、リバプールにまじって送されます。

 特筆すべきは、北ウェールズに住む人々の声がウェールズ語で聴かれること。これだけでも快挙なのに、加えて、その字幕を担当したのが『ウェールズ語の基本』のわが盟友、小池剛史!! 是非ともご覧ください!!

2012年05月21日(対話と発展のための世界文化多様性デー)
 どうもここ数日、ピンク・フロイドが聴きたかった。しかも無性に。だが正直に言えば、特に好きなバンドではない。まして集中的に聴いた記憶もない。なぜだろう、と、不思議に思っていた。

 それが今朝、7時のニュースを観ていてわかった。そう、今日は金環日蝕。ご存知のように、ピンク・フロイドの名盤The Dark Side of the Moonには「日蝕」を意味する“Eclipse”という曲がある。これだね。これが記憶の底にあって、連日観た/聴いた「(金環)日蝕」という言葉に反応したのだな。そう思うと、私の無意識、すごいものだ。

 ちなみにこのアルバムの邦題は『狂気』。先の曲は「狂気日蝕」。アルバム内容の意訳なんだろうけどね・・・。

 ところで皆様は、先の日蝕、見られました? 私は部屋の窓をカーテン越しに見て、曇りだと思って、朝の支度にいそしみつつ、テレビの生中継で見ました。こういうものを一般大衆が騒ぎ、そしてマスコミがテレビ中継するって、ある意味、すごいね。

 ちなみに私の周囲では、見なかった人続出。「寝てた」というのが、大半の意見だけどね。

2012年05月16日(旅の日)
 @サッカーの世界にも人種差別?!――カーディフをホームとするサッカーチームのカーディフシティ。そのオーナーは現在、マレーシア人の富豪ヴィンセント・タンだ。先日、そのオーナーがチームを再編する計画を発表した。その計画の中には、チーム・ユニフォームの青を赤に変えるというものも含まれる。

 これにはファンから激しい怒りを買い、結局、変更は取りやめになった。しかし、同時にオーナーはこのままでは経営が成り立たない旨を公表。

 ファンの心境は複雑である。ユニフォームが青のままとなったことは嬉しい。しかしこのままではチームそのものが破綻する可能性がある。結果、このふたつの事実の間でファンのフラストレーションは高まり、ネットの世界に向く。そして「人種差別的で虐待に通ずる、不適切なメッセージ」が立て続けに投稿された・・・ 。

 というところで、カーディフの警察署が動いた。人気のあるふたつのサイトに、警察がコメントをモニターしていると警告。これにより不適切な発言をしたものは、処罰されることとなった。

 カーディフはウェールズの中では、白人以外の人種の居住率が最も高い。それに配慮しての態度でもあるのではないか。しかしフーリガンの行動はすごいからな。何もないことを祈る。他民族のためにも、カーディフのためにも。

 A旅の日とは、1689年のこの日、松尾芭蕉が『奥の細道』へと旅立ったことに由来する。・・・ ああ、旅に出たいな。久しく行ってないし。

2012年05月14日(種痘記念日)
 ウェールズより話題をふたつ。@。2012年はイギリスでオリンピックが開かれる年。カーディフのミレニアム・スタジアムでは、そのサッカーの試合が行われる。しかしながらそのチケットの売り上げが、非常に悪い。

 たとえばそのこけら落しとなる、女性サッカーの試合。日本ではナデシコジャパンの活躍のおかげで、注目を浴びる女性サッカー。しかしながらかの地ではそうでもないらしい。何しろ74500席あるチケットのうち、売れたのはたった11,000。1/6にも満たない。

 サッカー・ファンにとっては、ワールド・カップに較べ、オリンピックの試合は重要ではない。各王国の代表チームが出場できるワールド・カップとは異なり、イギリスとしてひとつのチームしか出場できないオリンピックは、かの地での注目度が低い。ゆえに仕方のないことなのかもしれない。

 A。産業革命に沸く19世紀のロンドン。そのロンドンを震撼させた、人類史上類を見ない連続殺人鬼、切り裂きジャック。現在でも、その真犯人はわかっていない。ゆえに世紀の未解決事件としても名高い。この事件が今、ウェールズで話題になっている。曰く、切り裂きジャックは女性だった?!

 ジョン・モリス(John Morris)による著書The Hand of Womanでは、スウオンジー近くの村イニスタウエ(Ynystawe)の有力者の娘リジー・ウィリアムス(Lizzie Williams)が真犯人だという。

 実はその夫、ジョン・ウィリアムス医師(Dr. John Williams)には、既に切り裂きジャックの疑いがかけられている。だがモリス氏は、彼の妻リジーこそが真犯人であるという。

 曰く、その理由はふたつある。発端は名士だった父の経済的破綻。この破綻により、リジーは精神的に良くない状態になったのだろう。もうひとつはリジーが妊娠できない体だったこと。このふたつの要因が、リジーを凶行に走らせたというのだ。このうち、ふたつ目の要因は切り裂きジャックの連続殺人を考える上で、非常に興味深い。

 モリス氏の推理は続く。子供を作ることのできないリジーの代わりに、ジョンは愛人をもつ。その愛人が、切り裂きジャック最後の犠牲者であるメアリー・ジェイ・ケイだった。リジーはそのメアリーに嫉妬し、殺したのだという。

 なるほど、医者の妻であればメスなどはたやすく手に入ったであろう。また多少の医学知識もあったかもしれない。加えてモリス氏によれば、当時の証拠や証言では、切り裂きジャックが男性であることを確定するものはない、という。

 さて事の真相はどうだろう。興味のある方は、著書をてにとってみては。

2012年05月05日(こどもの日)
 @去る5月3日、ウェールズでは議会選挙が行われた。この結果、労働党が圧勝となった。何と225議席も増やし、議席数は578。保守党の104議席より圧倒である。

 ちなみに前回の選挙の結果、イギリスは保守党と自由民主党による連立政権となった。これに対し、国民は“No!”を叩きつけたのである。さて、再び労働党の時代が来るかな。楽しみだ。

 A過日、観た映画(DVD)より1本。『母なる証明』。2009年、韓国。

 出来が悪い上にワルにあこがれる息子。そしてその息子を貧乏ながら支え、溺愛する老いた母。その息子が、あろうことか猟奇殺人の容疑者として、警察に逮捕された。母親は息子の無実を信じる。そして自ら真犯人を探すべく、西へ東へと奔走する。

 息子の無実を証明するために、捜査に関しては素人の母親が奔走する姿を熱演した女優には脱帽。それにしても韓国映画のおきて破りには、慣れたつもりだった。だがこの映画には完全にやられた。ネタばれをしてしまうので、言及は避けるが、なるほどこれが「母」であることの証明というわけか。親であることに対し、考えさせられる。すごい映画だ。ラストも、ある意味、すごい。こどもの日に家族で観るには、適さないだろう。しかし大人が観る分には、十分、意味があると思う。

2012年05月03日(憲法記念日)
 ここのところ、CDの整理を行っている。主にCDのプラスチック・ケースを取り払い、代わりにビニールの薄型ケースに入れなおしている。この作業により、CDが従来の半分以下のスペースで収納できる。つまり今までと同じスペースに、倍以上のCDが収納可能というわけ。非常に便利だ。

 この作業をやっていると、結構な発見がある。たとえば2枚組みCDの裏ジャケットの内側。通常、この部分は透明なケースに入っている場合を除けば、目に触れることはない。ゆえに何も印刷されていないものが多い。だが中には発注ミスか、稀に内側が印刷されていることがある。これを発見すると、もうひとつジャケットが増えたようで、少しばかり嬉しくなる。

 もうひとつの発見は、CDそのものだ。かつてひと月に大量のCDを入手していた。そのため1回聴いただけのものや、中には1度も聴いたことのないCDがコレクションの中には存在する。その中には貴重なお宝もある。たとえばアストール・ピアソラのBandoneon Sinfonico。このCD、今回の整理中に発掘した1枚だ。

 そのジャケットを見て驚いた。何とピアソラ最後のコンサートの録音なのである。しかもその死の1ヶ月前。これだけでも垂涎ものだ。

 加えてすごいのが、全編オーケストラとの共演なのだ。個人的には最後のバンドとなる6重奏団が非常に好きだったため、どうやらピアソラのソロとオーケストラの共演にはあまり興味を抱かなかったようだ。しかし今回、改めて聴いてみて驚いた。その演奏のすばらしいこと。特に壮大なオーケストラをバックにピアソラがバンドネオンを奏でる「アディオス・ノニーノ」が艶っぽくも、色っぽい。しかもこの曲、コンサートの中盤とアンコールで2回も演奏している。どちらの演奏も良いが、特にアンコールの演奏が群を抜いてよい。まさにお宝発掘である。

2012年04月29日(昭和の日)
 @この日、かつては昭和天皇の誕生日だった。崩御後、一旦は緑の日となったが、いつの間にやら昭和の日になっていた。ちなみに緑の日は、5月4日に移り、みどりの日となった。おかげで昨今では、確実に5月3日から5月5日までが連休となった。

 Aということで、昨日から世間一般ではもうゴールデン・ウィークになっている、らしい。正直なところ、あまり実感がない。去年は講演の準備でてんてこ舞いだった。今年は休みたいな。でも、片付けものをしなければ。おちおち休んでられないか。そういえばゴールデン・ウィークにまともに休んだ記憶がないな。今年も、そうか。やれやれ、だ。

 B先日のYouGovの世論調査結果、他にも興味深いものが出ている。少し、紹介しておこう。

  • 60歳以上の人で70%が、ウェールズ人だと見られることを重要だと思っている。一方、18歳から24歳では、その割合は49%に落ちる。それでもふたりに一人はウェールズ人であると見られることを重要視しているのだ。すごいね。
  • 75%の人が首都カーディフに誇りを抱いている。
  • 78%のウェールズ人がウェールズ語に誇りを抱いている。一方、スコティッシュ・ゲール語に誇りを抱くスコットランド人は67%であり、英語に誇りを抱くイングランド人は89%だ。この数字、微妙だな。
  • アイステズヴォッドを誇っているウェールズ人は、全体の78%。
  • スノードンに誇りを感じているのは、86%。さすがウェールズのシンボルだね。その一方で南部の『丘陵地帯』に誇りを感じるのは、84%。すごい数字だ。南と北の差がなくなってきているのかな。
  • ウェールズの伝統食、ラヴァブレッドに誇りを感じるウェールズ人は42%。一方で、スコットランドの伝統食であるハギスを誇るスコットランド人は、68%。ハギスはスコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズの日など、国家的行事の日に食べられるのにね。以外に低いな。あの強烈な匂いのせいかな。
  • ウェールズ人はウェールズを代表するスポーツ・チームに、90%以上の人が誇りを感じている。スコットランド人の65%、イングランド人の68%に比べ、格段と高い数値だ。
 以上。終わりよければ全て良し、かな。

2012年04月27日(哲学の日)
 @今年の4月は、ここ日本では気候が不安定だ。ウェールズでも同じらしい。いや、ウェールズのほうがすごいかも。何しろ“wettest”(最も湿った=最も降雨量の多い)4月になりそうだという。現地時間の昨日、1日だけでウェールズのトレデガー(Tredegar)では月間平均降水量の1/3が降ったという。

 ウェールズの4月の平均降水量は、MetOffice(註:日本の気象協会にあたる)によれば、91.6mm。それに対し、トレデガーの昨日の降水量は27.8mm。実にここでは、今月に入って昨日までに134mmもの雨が降っているという。ウェールズは雨が多いことで有名だが、それにしても、この数字はすごい。

 ちなみにイギリスで4月に最も雨が多く降った4月は、2000年。実にその時の各地の平均月間降水量は120.3mm。先のトレデガーの降水量は、既にこの数字を越えている。すごいね。ちなみにウェールズで最も降水量の多かった4月は、1920年。実に193.9mm。さすがに今回の雨も、この記録を塗り替えるのは難しいといわれている。上には上がいる。すごいね。

 A北ウェールズはアングルシー島の北端には、ウィルヴァ(Wylfa)原子力発電所がある。1971年より稼動し、電力を供給し続けてきた。その供給量は、イギリスの年間電力需要の2/3に匹敵するという。

 この原子炉のうちひとつが、閉鎖予定の4月30日より3日早く閉鎖された。今後の予定では、2014年にはもうひとつの原子炉も閉鎖。そして2016年に核燃料棒を取り除く。原子炉が完全に冷却されるのは、2025年の予定という。

 これだけの時間がかかるのだ。

2012年04月25日(DNAの日)
 @世論調査会社YouGovによる、世論調査の結果が公表された。この結果、実に興味深い。

 それによると、ウェールズへの愛国心は86%の人がもっている(※調査では、「国旗へのプライド」という形であらわされている)。スコットランド84%やイングランドの61%よりも、高い数字だ。

 それに対し、その愛国心と人種差別(racism)を結びつける人が、ウェールズでは7%しかいない。スコットランドの10%やイングランドの24%と比べても、かなり低い数字だ。驚いた。

 これはすごい。通常、愛国心が高ければ高いほど、他民族に対しては排他的になる。時にそれは加速し、差別となり、過剰な暴力に結びつく。それは歴史をみても明らかだ。つまりウェールズ人は自国へのプライドは高くもつ。しかしながら他民族を排除することがない。すばらしい。

 加えて驚かされたのは、ウェールズ人であるためには白人であることが重要ではないと考えている人が、81%もいたこと。これまで白人であることは、ウェールズ人のみならず、ヨーロッパ人のアイデンティティの中核にあったはずだ。それがなくなった。驚きである。この心境の変化は、先の結果を反映したものなのだろう。肌の色への偏見がなくなり、同時に、人種差別への感覚もなくなってきたのだろうか。

 いずれにしても、ひとつだけいえることがある。おそらく20年前に同じ質問をした場合、もっと別の数字が挙がってきたと思う。ウェールズが多民族を受け入れてきたことで、民衆の感覚が変化したのだといえると思う。

 ところで以前、ウェールズ人の詩とウェールズへの移民らの詩を同等の価値で扱ったアンソロジー詩集<Gŵyl y Blaidd / The Festival of the Wolfを賞賛した(2010年5月20日の雑記参照)。それは彼らの作品が同等に並べられ、その結果、新しいウェールズ像が描かれていたからだ。偏見や差別のない社会を、文学という一形態で表現したこのアンソロジーは、まさに賞賛に値する。

 それと同じ感覚が、一般の市民に根付いているということなのだろう。重ね重ね言うが、本当にすばらしい。

 Aメールの返事が書けていない。本当、申し訳ない。もうしばらくお待ちのほどを。

2012年04月20日(女子大の日)
 ウェールズの1年間の犯罪件数が、公表された。それによると2011年は194,904件。これは2010年の205,924件を下回る数だ。実に犯罪件数は、1年間で5%も少なくなったことになる。すごいね。

2012年04月19日(地図の日)
 @ここ数日、頭の中をぐるぐると回っているのが、イタリアのバンド、アレア。非常にアクの強いヴォーカリストを中心にすえたバンドだが、その最もアクの強いところが回っている。うーん。どうにも思考を邪魔される。何もできない。困った。

 A年齢と見た目というものは、人を一喜一憂させる。見た目が自分よりも相当上に見える人と実は年齢が一緒だと知り憂う。人から10歳以上も若く見られたと喜ぶ。私の話ではなく、周りの人の話。でも良い事だと思う。自分に強い関心があるということなのだから。それなしには、自分を磨く続くことなどできないし。

2012年04月10日(女性の日)
 ウェールズといえばエールだ。だが、そのエールが打撃を受けるかもしれない。原因はこのところ続いている、雨不足だ。

 先日、季節はずれの豪雪が襲ったイギリス。だが、これを除けば、実に日照続きだった。そのためダムは90%以上の水位をたたえているものの、ウェールズ南部を流れるウスク川やワイ川では水位が低下。その勢いはとどまるところを知らず。現在、最低水位の記録を更新中だという。

 この水不足が穀物の成長に影響を与え、特にホップの生長に大打撃を与えるとか。そのためエールの価格が高騰するみこみだという。大変だ。ウェールズでエールといえば、フランスのワイン、日本の日本酒、韓国のマッコリ、ロシアのウォッカにあたる。まさにエールなしのウェールズなんて、クリープを入れないコーヒーのよう・・・ ってもう誰もクリープは入れないか。

2012年04月05日(ヘアカットの日)
 @東京および近郊では、いつの間にやら桜が綺麗に咲いている。先日、暴風雨が襲ったが、どうやら咲く前だったようで影響はなかったようだ。そして昨日、今日の陽気で、一気に開花したのだろう。通勤途中に眺めるだけで、気分が軽くなる。嬉しいね。花見に行きたいという声も周りから出てきた。行きたいね。

 A先頃、ウェールズでBeaufort Research社による大規模な世論調査が行われた。それによれば、過半数がウェールズ政府が所得税額を独自に設定できるべきだ、と考えていることがわかった。数字の内訳は、賛成が46%。反対が36%。残りは無回答であった。

 現在、ウェールズの税制はイギリス議会によっている。これをウェールズに任せることは何を意味するのか?

 これが意味するところは、ウェールズ政府の権利拡大である。もし所得税率の独自設定が認められれば、現在、イギリス政府からのウェールズへの権利移譲、すなわち、がウェールズの権力増大を認めることになる。引いてはそれが、ウェールズの内政権確立につながる。

 一方で、ウェールズ議会の代表は慎重な構えをみせている。曰く「議会は所得税変更の道を考えたことはない。ファースト・セクレタリーの見解では、権利移譲以前に国民投票を行うべきだ」。所得税制を決めることは、同時に、財政を全て自国内でまかなうという責任を負うわけだものね。慎重になるのもわかる。しかし・・・ 面白くなってきぞ。

 B夕方の電車内でのこと。若い男性が音楽を聴きながら、書類に目を通し、メモを取っている。移動の間も仕事熱心だな、と思いつつ眺めていた。するとその男性、やおら空いた手で髭を抜きはじめた。しかも毛抜きを使って。

 その行為は、終点まで続いた。何だろうね。以前より、電車の中で化粧をする女性への非難はあった。これはそれ以上かも。髭抜きは家でやれって。やれやれ、だ。

2012年04月03日(日本橋開通記念日)
 @本日、日本列島は南から関東まで、強風が荒れ狂った。九州では朝方襲い、東京では帰宅ラッシュに重なる夕方から夜にかけて、強風が吹き荒れた。春の嵐は風流だが、そうとも言っていられない低気圧爆弾である。特に東京近辺では多くの電車が運休。帰宅の足を阻まれた人も、多いだろう。

 一方、ウェールズはというと、季節はずれの雪に見舞われている。イギリスの各地でこの寒波は襲っているようで、スコットランドでは25センチの豪雪をこの時期に記録。ウェールズでは特に今夜半から明日にかけて、雪が猛威を振るうとのこと。最低気温は、マイナス4度だ。どうぞ現地の方々、お気をつけて。

 A過日、観た映画(DVD)より1本。『チェイサー』。2008年の韓国映画。韓国では観客総動員数が500万人を超えるヒットとなったという。2008年鐘賞(韓国のアカデミー賞)で各賞を受賞する他、カンヌ国際映画祭の特別招待作品にも輝いた作品だ。

 主人公ジュンホは元刑事。だが現在は売春の元締めをしている。彼のところから消えた売春婦の足取りを追うジュンホは、誘拐犯と思しき男性客の下に売春婦ミジンを潜入させる。

 だがミジンは誘拐犯に捕らえられ、体の自由を奪われる。一方、ミジンと連絡がとれなくなったジュンホは、ミジンの行方を捜すうちに、偶然、犯人の青年をつかまえ、警察に引き渡す。青年は行方不明の売春婦は自分が殺したと警察で告白。彼は誘拐犯ではなく、連続殺人犯だったのだ。

 しかし自供のみで証拠がない。警察とジュンホは殺人の証拠と、消えた女性を探す。だが何も見つからないまま、青年は勾留期限が切れ、釈放される。

 一方、潜入した女性は自力で脱出。近くの雑貨店に逃げ込む。そこに釈放した青年が偶然、立ち寄る。女性がいることを知った青年は・・・ 、というストーリー。

 連続殺人犯が映画のかなり前のほうでつかまった時は、あれ?と思ったが、この後の展開がとにかく見せる。拘留期限のタイムリミットが近づくにつれ、憔悴する刑事とジュンホの描写が真に迫っており、観るものを惹きつけてやまない。しかもこの手のサスペンスもののルールを破った展開には、驚愕。そのルール破りが「すごい」と思わせる説得力を持った映画だ。お勧め。

2012年03月29日(マリモ記念日)
 昨日、ツイッターに否定的なことを書いた。今日は逆のことを書こう。ウェールズでは学校でツイッターやフェイスブックを教材として使用すべきだ、という調査結果が公表された。これはウェールズ議会に委任されたグループによるもの。先日とは真逆だ。かつ、肯定的意見でもある。

 曰く、日常生活で使用されているテクノロジーが、学校教育で使用されないのは理にかなわない。また、インターネットを教育に取り入れることは、教育に対する膨大な可能性がある。そして生徒が卒業した後、そのテクノロジーを職場で活かせる。成程ね。

 肯定的な意見を並べたが、最後に一言付け加えておこう。グループは次のようにも言っている。グループによれば、ツイッターなどを教育に取り入れることで、最近のネチケット(インターネット上のエチケット、マナー)の低下を防ぐことができるという。成程ね。これが本筋だったりして。

2012年03月28日(三つ葉の日)
 @映画『スターウォーズ』のエピソード6(公開順では3番目)のクライマックスの戦いは、痛快この上ない。喜劇として、非常に良くできている。

 だがダースベイダーの誕生を描いた悲劇エピソード3(公開順では6番目)を観た後では、このクライマックスをもっと悲劇的に描いても良かったのでは、とも、思う。もちろんこのままでもすばらしい。しかしもし悲劇的に描けば、エピソード1から6までを通して観た時、これまで以上の感動が得られると思う。特にエピソード3と重ね合わせて観ると、そう思う。

 もっともエピソード1から6まで通して観る人もいないか・・・ 。やれやれ、だ。

 Aサッカー選手ファブリス・ムアンバ が心臓発作で倒れた。その際、ウェールズの若者がツイッターで、人種差別的な発言を繰りかえした。そして捕まった。その結果が56日間の禁固刑。怖いね。くれぐれもツイッターやフェイスブックを利用している人は、言葉にご用心を。

 B三つ葉の日といっても、シャムロックのことではないらしい。ちなみにシャムロックとは、アイルランドの国花であり象徴だ。アイルランド守護聖人の聖デヴィッドが、未だ原始・土着宗教(ドルイド教)を信じていたアイルランドの民に、キリスト教を広める際にシャムロックを使ったことから、アイルランドの象徴となった。曰く、キリスト教は父・子・精霊の三位一体から成り立つ。それをシャムロックの三つ葉に例えたというわけ。

 ちなみに聖デヴィッドは、ウェールズ人と同じブリトン人である。つまりブリトン人は、アイルランドとウェールズの守護聖人ふたりをそれぞれ輩出していることになる。すごいね。

2012年03月27日(さくらの日)
 桜はまだだね。つぼみも固い。今年は特に寒いし。それでも私たちは桜の開花を待ちわびる。春の象徴だしね。そういえば近頃聴いたスピーチの中でも、サクラが話題に出てきたな。もっともこちらは花の桜と、ダミーのサクラをかけていたけれど。

2012年03月19日(ミュージックの日)
 先日、とある美容院に行った。そこで10年以上切ってもらっている人の紹介である。全てお任せでやってもらった。結果、すばらしいの一言。はまりそうだ。

 また、そこでマッサージ・チェアを体験した。これが面白い。全自動で肩から背中、腰のみならず、腕や足までやってくれる。しかも足をマッサージしたりするのに、座っている椅子が自動的に角度を傾け、足を持ち上げる。まるで宇宙船に乗っているみたい。はまりそうだ。

2012年03月18日(2012年度ウェールズ文化祭開催日
 今日は関西ウェールズ会主催のウェールズ文化祭だね。会場は大阪の千里文化センターのはず。行ければ、行くのにな。しかしどうにもこちらから離れられない事情がある。そのため、私は向うことができない。

 その代わりといっては何だが、私の『ケルトを旅する52章』会場でしか手に入らない特典つきで販売される。ちなみにこの特典、この文化祭でしか入手はできない。これは・・・ 会場でゲットだ!

2012年03月15日(涅槃会)
 過日、人に言われたのだが、私はモノを置きすぎるらしい。これがいけないらしい。

 特に言われたのが、パソコン周りの小物。殺風景なので、バッジや小さなマスコットなどを飾っていた。どうもこれがいけないらしい。曰く、それら小物に埃がたかる。汚れたところには、運がこない。したがって運気が滞る。成程。思わず、納得した。これぞ断捨離の極意か。

 さて、整理しようか。ついでにパソコンのハードディスクも。これもかなり使用していないファイルがたまっているしね。ハードディスクの中に様々なファイルを置いておくと、すぐに呼び出せるので便利は便利だ。だが、ファイルが多すぎると、立ち上げなどに支障をきたす。うむ。パソコンに断捨離とは、ミスマッチのようだが、実に、そうでないのかもしれない。

2012年03月11日
 あれから1年がたった。東北を襲い、壊滅的な被害をもたらし、千葉、東京に被害をもたらし、ひいては福島では原発事故を誘発したあの地震から丁度1年である。巨大な地震も恐ろしいが、それ以上に津波がもたらす被害の恐ろしさを自然が見せつけた日だった。

 あの日、東京も揺れた。丁度、私は外出しようとしていた時だった。あの揺れに、とっさにこれは尋常ではない、と外出を取りやめた。その後、巨大な余震が続いた。公共の交通機関は全て止まった。家路に向う人々は、誰もが自らの足に頼らざるを得なかった。私の周りでも新幹線に乗っていた人がいた。後に聞いた話だが、幸いにも新幹線は一旦止まりはしたものの、駅まで運行したそうだ。

 テレビや新聞は惨劇の様子をまざまざと伝えた。津波が家や車を飲み込む様子、気仙沼一帯の火災、そしてその後の福島原子力発電所の建屋の倒壊と核燃料棒の加熱には、誰もが釘付けになったはずだ。

 その報道の中で、記憶に残った言葉がふたつある。ひとつは「テレビを消し仕事に戻ろう」というもの。加熱する報道の中で、人々の不安を煽るなと訴えた記事があったのだ。確かに情報操作は良くない。しかし、人々の不安を徒に煽るような報道は、考え物だ。それは日本に居た外国人全員が放射能を恐れ、国外退去をしていると報道し、在日外国人の不安を駆り立てた一部の外国メディアのやり方に明らかだ。

 その中で、冷静に情報を伝え続けた機関がある。他でもないWalesOnlineである。多くの外国メディアは在日外国人に国外退去を強制するかのように不安を煽った報道をし、更に被災者らの行動を取り上げ感情的に書きたてた。その一方、WalesOnlineは被災地の様子を、冷静に描いた。事実だけを挙げ、指導者や有識者のコメントを簡潔に伝えた。決して感情的に煽るような記事は報道しなかった。ゆえに数多くの外国メディアが伝えた記事の中でも、もっとも日本の、そして、被災地の“今”を封じ込めた記事となった。これは賞賛に値すると思う。

 もうひとつは、「被災地では時が止まる」という言葉。あまりの惨劇と、どうすることもできない自然の驚異、そして、原発事故が残した爪痕(これは現在進行形だが)のために、被災地では“日常”が失われる。それまでの不自由のない暮らしから一転、避難生活という非日常へと追い込まれた被災地の様子を描いた言葉だ。非常に簡潔にして、的を得た言葉だ。

 あの震災から1年が経過した。その間、あれほどの被害がもたらされたというのに、人々は頑張って復興して来た。だがそれでもまだ、被災地では日常が完全に戻っていない。3.11が襲う以前の状態のままで、時は止まったままだ。再びその“時”が動き出すのはいつだろうか。早く動き出してほしい。だが、その一方で、無理をしないでほしいとも願う。

2012年03月02日(遠山の金さんの日)
 ウェールズを代表するウェールズ語詩人ヘッズ・ウィン。その類稀なる才能から詩を編み、早くからアイステズヴォッドの地方大会で賞を勝ち得ていた。そしてついには、アイステズヴォッドの本大会で“椅子”を勝ち得ることとなる。

 アイステズヴォッドは民族の祭典だが、そこで行われるウェールズ語定型詩のコンテストがその頂点をなす。そしてそのコンテストで優勝したものだけが、“椅子”を与えられる。したがって“椅子”を授与されること、それは最高の名誉となる。

 その生家と彼がアイステズヴォッドで勝ち得た“椅子”が、ウェールズによって保護・管理されることが公表された。

 ウェールズ議会とイギリス国民文化財記念基金(National Heritage Memorial Fund)が、それぞれ資金を出す。そしてスノードニア国立公園局(Snowdonia National Park Authority)が、管理することになった。加えて、一般公開される。

 自著『ケルトを旅する52章』にも書いたが、これまでこれらの遺産はヘッズ・ウィンのたった一人の身内が守ってきた。私が訪ねた時ですら、相当な高齢であった。これからどうするのだろう、と、内心、心配していた。地元のウェールズ人の友人と、国家的な遺産なのだから、国が買い上げて管理すべきだと話したが、それが現実となった。素直に嬉しい!

2012年03月01日(聖デヴィッドの日
 今日は別のところでも書いたとおり、ウェールズの守護聖人、聖デヴィッドを祝う日である。聖デヴィッドの日、おめでとう! Happy St. David's Day! Dydd Gwyl Dewi Hapus!

 ところで今日というこの日に公開目的で、ICMによる世論調査が行われた。その結果では、ウェールズに完全独立を求める人の割合はわずか7%だった。スコットランドが独立した場合でも、その割合は12%。この結果、どうみるか・・・ 。時代の流れかな。うーん。

 その一方で、ウェールズ党(Plaid Cymru)は聖デヴィッドの日を国民の祝日にすべく、訴えた。しかしそれは愛国心を高める目的ではない。聖デヴィッドの日を国民の祝日にすることで、ウェールズを訪問する人が増え、経済的効果が見込めるというものだ。時代の流れかな。ウェールズ党も変わったね・・・ 。

2012年02月29日(閏日)
 閏日である。天気予報どおり、東京では雪となった。夜半より降り始め、昼を過ぎた今、その雪は降り続け、積もっている。東京では降雪そのものが珍しいが、積もるのも珍しい。ましてや閏日の降雪は珍しいのではないか。加えて私が雑記に3日連続で書くのも珍しい?! 

 ちなみに“閏”とは、暦の日数や月数が普段の年より多いことを表す言葉。それ以外の意味はないらしい。つまりめったに使われることがない、特殊な漢字ともいえよう。

 語源は中国にあり、暦から外れた日には王が門の中に居て政治を執らなかったことから、この漢字が生まれたという。

 英語では通常、leap dayという。意味は「跳び越す日」。1年が365日であれば、翌年の同月日は曜日が1日ずれる。しかし閏年の場合、366日となるので、2日ずれる。つまり曜日を1日「跳び越す」というわけ。

 ちなみに漢字の“閏”にあたる言葉は、intercalary。これはまさに「閏になるように挿入された」という意味だ。難しい言葉だ。それゆえに、通常は使用されない。天文学などでは、専門的に閏日のことをintercalary dayというらしいけどね。

2012年02月28日(女性雑誌の日)
 @今日、忘れそうになった/忘れたもの。ハードディスク・レコーダー、デジカメ、携帯電話、USBメモリーのキャップ、打ち合わせの担当者ふたりの名前。しかも打ち合わせ担当者の名前にいたっては、打ち合わせの直前・直後にわからなくなった。どうかしてる・・・ 。やれやれ、だ。

 A今年はうるう年だ。ゆえに明日、2月29日が存在する。これでも時間と地球の自転が一致せず、今年は“うるう秒”を7月1日に入れるそうだ。実に7年ぶりとか。ちなみに今夜から明日にかけて、東京では雪の予報が出ている。2月29日に東京に雪が降るのは、一体、何年ぶりなのだろう?

 ちなみにこの記録、私に訊かれてもわかりません。何せ、@にあるように、当日のことすら忘れるような人間だから・・・ 。やれやれ、だ。

2012年02月27日(女性雑誌の日)
 最近、スタバによく行く。同じ店舗ではないのだが、とにかく、スタバによく入る。その原因のひとつが、タンブラー。ステンレス製のため保温にすぐれ、最後の最後までコーヒーが温かく飲める。これが何とも嬉しい。

 また店舗によって差があるが、タンブラーをカウンターで差し出すと、コーヒーを注ぐ前に中を軽く水でゆすいでくれるところもある。ちょっとした心配りだが、これが何とも嬉しい。

 店舗の場所や、時間帯によって異なるが、客層が広いのも良い。今日行った店舗では、高校生が多数いた。お喋りに花を咲かせているかと思えば、誰もが勉強中。そうか、期末試験が近いのだな。試験勉強にスタバを使うなんて私から見れば優雅だが、何はともあれ、頑張れ。

2012年02月25日(箱根用水完成の日)
 なぜか頭の中を回るのが、ハンク・モブレーの「リカード・ボサ・ノヴァ」。イントロの“あの”フレーズが、延々と頭の中で繰り返される。いや、いい曲だよ。好きだし。でもこの曲のフレーズ、強烈だからな・・・ 。やれやれ、だ。

2012年02月24日(月光仮面登場の日 )
 Q. ウェールズ出身で、映画007シリーズの主題歌を2回歌った歌手は?――A. シャーリー・バッシー。その彼女がこれまでの功績を認められ、今回、カーディフ市より名誉市民権を送らることになった。

 市曰く、シャーリー・バッシーがカーディフ市で過ごした時間は少ない。だがそれでも、カーディフとウェールズのためにしてきた貢献は、計り知れないとのこと。この功績を認められ、名誉市民権が送られることとなった。しかもこのカーディフ名誉市民権が与えられるようになってからの116年間で、61人目という快挙である。おめでとう!!

 なおシャーリー・バッシーは1999年にデーム(Dame;女性に与えられる称号で、ナイトに相当する)に叙せられており、来る6月にはエリザベス女王のダイアモンド婚を祝うコンサートで歌を披露することが決まっている。

2012年02月23日(富士山の日)
 最近はまった音楽。その@。ケイト・ブッシュの『愛のかたち』(Hounds of Love)。85年の作品。あれ以来、ケイト・ブッシュの歌が突然、頭の中をよぎる。中でも多いのが、このアルバムの曲。「愛のかたち」「大空」「こんにちは地球」など名曲揃い。

 このアルバムを聴いたのは、意外にも遅い。大学4年生の時だ。就職活動に飲み込まれ、次々と企業案内の会場を渡り歩いていたころだった。その時、某企業から支給された交通費(当時、企業はまだ羽振りが良かった)で買ったのが、これ。渇いた心に、その音楽がしみこんでいったのを覚えている。

 そのA。エマ・クリスチャンの『薄明の下で』。94年のアルバムだ。全編マン島に伝わる歌と曲を収録した、稀有のアルバム。もちろん、歌は全てマン島語。エコーが独特で、その雰囲気はまさに「薄明」。そこから浮かび上がるエマの声は、優しくも温かい。

 アイルランド人でノーベル文学賞を受賞した詩人・劇作家のW.B.イエイツの『ケルトの薄明』以来、「薄明」という言葉はケルトの枕詞のように使われてきた。エマのアルバムも、まさしくケルト“らしさ”を彷彿とさせる。素晴らしいね。ちなみにエマの歌も良いが、縦笛の可愛らしい響きも良い。個人的にはこの音、とても好き。

 そのB。Anoice『The Black Rain』。2012年の作品。いわゆるポスト・クラシカルと呼ばれる音で、退廃的な世界を描く。その音、時にドラマティック。聴く者の心のひだ一枚一枚に、ゆっくりと沁みていく。それが、やりすぎない程度に、その一歩手前で止まっている。これが良い。また弦楽器やピアノに混じり、細かなノイズが 丁寧に配されている。

 この手のバンドは、実は演奏が下手な場合が多い。しかしAnoiceは別格。手数こそ少ないが、演奏技術の高さがそこかしこにうかがえる。決してテクニックを期待して聴くアルバムではない。だがこの演奏技術の高さが、楽曲を安定したものにしている。聴けばメンバーはそれぞれ、世界で活躍しているとか。なるほど。

 加えてメンバーは全員、日本人だ。これには驚いた。ポストクラシカルやミニマルの世界では、日本人の活躍はすごいな。

2012年02月17日(天使の囁きの日)
 明日から公開予定の映画『ものすごくうるさくてありえないほど近い』の主人公を演じたトーマス・ホーンのインタビューを観た。映画では9.11で父親を亡くした11歳の少年を演じたトーマス。現在、実生活で13歳とのこと。その彼が、父親役のトム・ハンクスに肉薄する演技をしているとの前評判だ。このトーマス、演技の経験が全くなかったという。驚きだ。

 そのトーマス曰く「今までそのこと(=9.11同時多発テロ)をよく知らなかった」。この発言には驚いた。

 事件当時、トーマスは3歳だ。リアル・タイムで経験していないことだろう。しかし当事者のアメリカ人が9.11をよく知らないとは、驚愕である。いや、これが今のアメリカの現状なのだろう。アメリカ人自らが9.11を風化させている。当事者が風化させて、誰が語り継ぐのだろう? また風化した歴史から、誰が学ぶというのだろう? 驚きと動揺は隠せない。

2012年02月16日(天気図記念日)
 エピソード4「新たなる希望・・・ ?」――先日の若者との会話。私「この間、後輩とよっぴて・・・ 」。若者「“よっぴい”って後輩に呼ばれてるんですか?」。私「いや、そうじゃなくて・・・ “よっぴて”って知らない?」。若者「知りません」。

 その場に若者は4人いた。だが、誰も“よっぴて”を知らん。ちなみに“よっぴて”とは、“夜っぴて”。夜通しの意味。やれやれ、だ。

 エピソード5「若者の逆襲」――若者「え、じゃあ、すごく美味しいものを食べた時、何て言います?」。私「“ヤバイ”だろ(このくらい、知ってるぜ!)」。若者「違いますよ。“鬼”です、“鬼”」。もう、ついていけない。・・・ やれやれ、だ。

2012年02月15日(春一番名附けの日 )
 @コンビニと100円ショップは、不況とは無縁だと思っていた。特に都内では、至るところにコンビニか100円ショップのどちらかがある。しかし、私の使っている駅には、その両方が店を畳んだ場所がある。

 実にその場所、数件の100円ショップとコンビニが店をやっていた。しかし、どれも営業をやめてしまった。そして今は、空き店舗になっている。

 場所が悪いとは思えない。マンションの1階だし、駅からは歩いて1、2分の距離だ。更に言うと、駅から歩いて数分の距離内に他にコンビニが3軒、100円ショップが1件、更には大型スーパーが1軒ある。こちらは昔から営業をやっている。この場所、鬼門なのだろうか・・・ ?

 Aインフルエンザ大流行。周囲でもかかった人がいる。もう完治したが、大変そうだった。しかし流感ばかりは、どこでもらうかわからない。防ぎようにも、防ぐのは難しい。

 しかも今年は、A型とB型の両方が流行しているという。つまりA型に感染・完治しても、その後にB型に感染する恐れがあるという。大変だ。

 しかし、それにしても、私は流感からも風邪からも無縁である。何とかは風邪を引かないというが、本当だ・・・ やれやれ、だ。

2012年02月12日(ダーウィンの日)
 下のようなことを書きながら、ここ数日、頭の中をぐるぐると回っているのは、四人囃子の「カーニバルがやってくるぞ(パリ野郎ジャマイカへ飛ぶ)」である。これについて思い当たる節が・・・ 皆無である。

 困ったのは、歌詞。日本語なのだ。日本語の本や新聞を読んでいると、この歌詞が頭の中で邪魔をする。うーん。困った。

 不案内な方のために記しておくと、四人囃子は70年代後半から活躍した日本のロックバンド。初期ピンク・フロイドの影響を受けたことから、日本のプログレ・バンドとして紹介される。だがその実、独自性は非常に高い。

 演奏能力と表現能力もすばらしいが、特に際立つのが初期の歌詞。全て日本語で書かれているが、かつての日本の“匂い”を感じさせながら、同時に不条理な内容を持つ。そのため現実離れした浮遊感が生まれ、ひいてはそれが独自性に強く結びついている。

 なお現在はCDで手軽に聴く事ができるが、アナログ時代にはその1stアルバムは中古レコード屋で10万円の値段をつけていた。

2012年02月11日(建国記念の日)
 チック・コリア/スタンリー・クラーク/レニー・ホワイト『フォーエヴァー』を聴いた。本作は、チック・コリアの組んだフュージョン・バンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーの名曲の数々を、ジャズ・ピアノ・トリオで演奏したCD1に、ゲストを多数招いたセッションを収録したCD2の2枚組。

 その総ボリュームもすごいが、ここから発せられるエネルギーはそれを凌駕する。近年、稀なほど熱い演奏がここには封じ込められている。去年観に行った来日公演を思い出すな。あれは本当に良いコンサートだった。このようにライヴを思い起こさせてくれるCDは珍しい。それほどのエネルギーが、収録されているのだ。すごいね!

2012年02月10日(左利きグッズの日)
 @2、3日、家を留守にした。結果、山のようなeメールが来た(!)。メール・ラッシュ!・・・ である。順次、返事を書いています。申し訳ない。しかしその結果、雑記も10日以上空けることになった。やれやれ、だ。

 A先日、スターバックスのタンブラーについて書いた。これ、本当に重宝している。何しろ入れてから長時間経っても、コーヒーが冷めない。ステンレス製のおかげだろう。これが何より嬉しい。やはりコーヒーは熱くなくては美味くない。ところで最近の若い人は猫舌が多いそうだ。これでは、残念ながら、コーヒーの美味さはわからないだろうな。

2012年01月27日(国旗制定記念日)
 最近のウェールズから、気になるニュース2件。

 @新しいウェールズ語圧力団体求める――この1月初頭、現在のウェールズ語協会は「1960年代の抗議行動にルーツがある」ゆえに「(現在では)貢献もしていなければ効果もない」として、ウェールズ議会に働きかけることのできる新しいウェールズ語協会が必要だと、大学人および活動からが訴えた。

 曰く「ウェールズ民主主義の台頭とともに、言語運動は革命の意味を再解釈しなければならない。生まれつつあるウェールズ“国(state)”の中心的な位置に、ウェールズ語をおく合憲の団体が必要なのだ」。

 これに対し、ウェールズ語協会の議長であるビーサン・ウィリアムス(Bethan Williams)は「ここ数十年の間にウェールズでは多くが変わってきた。我々も同様に変わらねばならない」と答えている。果たして、どうなるか?!

 A数世紀も前の譜面の手稿が、ウェールズで編纂され、公開されることとなった。その公開される譜面の中には、古くは16世紀の譜面から、ニース(Neath)のグノール城(Gnoll Castle)で何世代にも渡ってMackworth家が保管してきた800近くもの譜面、スランダフ大聖堂のオルガニストセオドレ・エドワードアイルワード(Theodre Edward Aylward)(1844-1933)による700以上ものコレクションが含まれる。

 実にウェールズでは、18世紀以前の宮廷および大衆音楽は失われたといわれて来た。それが一時に、日の目を見るのである。すばらしい。

 さらに嬉しいことには、その一部がウェブ上で公開されるとのこと。ご興味ある方は、National Library of Walesのサイトを訪れたし。

2012年01月26日(帝銀事件の日)
 @ケイト・ブッシュの『ディレクターズ・カット』が良い。本作はいわゆるセルフ・カヴァーだ。曲はそれぞれ、89年の『センシュアル・ワールド』と『レッド・シューズ』から選ばれている。何しろ徹底的に自身の美学に沿って、曲を再解釈/再構築しているだけあって、どこを切ってもケイト・ブッシュ・ワールド全開である。

 中でも注目したいのは、冒頭を飾る“Flower of the Mountain”。この曲は、創った当時、許可の下りなかったジェームス・ジョイスの文章を使用している(もちろん、許可を再度願い出て、得ている)。これが何ともすばらしい。

 Aそれにも関わらず、頭の中で鳴るのはセリーヌ・ディオンの「トゥ・ラヴ・ユー・モア」と、ソフト・マシーンの「ムーン・イン・ジューン」である・・・ 。

2012年01月21日(料理番組の日)
 何でもヴェルヴェット・アンダーグランウンド・アンド・ニコの有名なファースト・アルバムのカヴァーデザインである、アンディ・ウォーホールの「バナナ」がアップル社のiPhoneとiPadのカヴァーに使われるらしい。

 これに反対したのが、ウェールズ・ポピュラー音楽のアイコン、ジョン・ケイルと、その盟友、ルー・リード。彼ら二人はヴェルヴェット・アンダーグランウンド・アンド・ニコの中心人物だ。その二人が、アンディ・ウォーホール財団にアップル社へのデザイン使用許可を取り消すように求め、ニューヨークで今週、法的手段に訴える。

 いわく「バナナ」のデザインは彼らのヒットにより、ヴェルヴェット・アンダーグランウンドのシンボルになっている。そのため第三者がこのデザインを使用した場合、誤解などを生じさせる恐れがある、とのこと。

 ジョン・ケイルとルー・リードの二人はバンドを代表し、アンディ・ウォーホール財団には「バナナ」デザインの著作権を所有していないとして、第三者への使用許可を取り下げるように訴えている。これに対し、財団はコメントを控えている。

 まあ著作権は所有者が不利にならないようにすべきだろうね。バナナとリンゴだけに、著作権フルーツ戦争勃発?! なんてことにならないように。

2012年01月18日(振袖火事の日)
 過日、スターバックスでタンブラーを始めて使用した。ステンレス製の品物だ。そのため、中のコーヒーが冷めづらい。これは何とも嬉しい。もらい物なのだが、中々使い勝手がいい。紙コップやマグカップより良いかも。何で今まで使用しなかったのかな。

2012年01月17日(防災とボランティアの日)
 @昨日は、救急車を見た。今日は消防車である。ただし火災現場ではない。先ほどからずっと、家の前に止まっているのだ。エンジンも止め、中に一人しかいない状態で、である。もう2時間以上、駐車したままだ。通行人の誰もが不審げに眺めながら、通り過ぎていく。ちょっと、不気味だ。

 Aまたソフト・マシーンにはまる。昨日と同じく、70年のライヴだ。

 B最近、壊れたもの。冷蔵庫。製氷機が動かなくなり、それから数日後に冷却昨日そのものがいかれた。

 洗濯機。朝、動いていたと思ったら、突如、断末魔のごとき変な音をたてた。そして全く動かなくなった。

 砂時計。子供のころから持っていた砂時計だ。3分計だったので、風邪を引くと、熱を測る時にこの砂時計を使って時間を計った。物心ついた時には、既にあったように思う。それを落として割ってしまった。

 しかし、「ものみな全て過ぎ行かねばならぬ」――“Everything Must Go”。形あるものは全て壊れる。過去は過去。その経験を活かせばよい。さあ、前進しようか。

 今日で阪神淡路大震災から17年。その間、9.11が世界の安全基準と危機管理を根底から覆した。3.11は、私たちの生活を変えた。これらの教訓を胸に、前に進もう。進み、変り続けることでのみ、私たちは生きていける。

2012年01月16日(禁酒の日)
 @今日、通勤途上に救急車を5台も見た。どれも異なる時間帯、異なる道を、異なる方向に走っていった。つまり5台とも出動現場が違うということ。それだけ出動要請があったということだが、すごいね。どれも大事無いと良いのだが。

 ところで海外、特にイギリスをはじめヨーロッパで救急車を見ると、矢のような速度でものすごいサイレンを鳴らしながら、走り去っていく。そもそも道路の最高速度制限が違うが、それにしてもあの走り去りようはすごい。日本の比ではない。

 しかしそれにも関わらず、日本の救急車の現場到着時間(レスポンス・タイム)は、7.7分。救急隊員の努力の賜物だろう。すごいね。

 Aソフト・マシーンのライブにはまる。それも70年のライブ。それというのも、昨日、DVDでライブ映像を観た為。影響されやすいな。やれやれ、だ。

 B実は今日、これとは別にはまった音楽がある。マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』だ。何も初めて聴いたわけではない。朝、『カインド・オブ・ブルー』の1曲目にしてマイルスの代表曲「ソー・ワット}(「だから何?」の意味)FMラジオでかかっていたためだ。影響されやすいね。やれやれ、だ。

 C禁酒の日というのは、1920年のこの日、アメリカで禁酒法が実施されたことに由来する。「ウェールズを食べる――ウェールズで飲む――」でも以前書いたが、禁酒法がわたる以前のウェールズでは(というよりイギリスでは)教会でも酒が振舞われていた。信者を教会に通わせる苦肉の策だったらしい。

 そして当時、禁酒を宣言した牧師を、教会から締め出した人たちがいた。教会の信者と副牧師だったという。何とも、である。それにしても、やれやれ、だ。

 Dヨーロッパ版宝くじEuroMillionsで、100万ユーロを当てた人がいる。一夜にして100万ユーロ長者の誕生だそうだ。何とウェールズはネース・ポート・タルボット(Neath Port Talbot)の人らしい! もちろん、匿名だが。とりあえず、おめでとう!!

2012年01月14日(十四日年越し)
 @5日投函した年賀状が、届いたのが9日から10日らしい。聞いた話では、12月31日、1月1日、2日に出した年賀状は驚くほど早く届いていたとのこと。だが3日以降のものは、かなりの日数がかかって届いている。

 あんなに大騒ぎして強行した郵政民営化だが、民営化の途端、サービス全般が悪くなったのは一体どういうことだろう。民営化の意味、あったのかな?

 Aケイト・ブッシュの新作を聴いた。ふと、彼女の昔のアルバムが聴きたくなった。引っ張り出してきて今、聴いている。ここ数年、全く聴いていなかったが、今聴いても実に新鮮だ。斬新ですらある。懐かしい想いよりも、むしろその新鮮さに驚かされている。

 特に素晴らしいのが、彼女の声。何とも表現力豊かである。その豊かな表現力を活かし、声を多重録音。結果、独自の世界を作り出すことに成功している。似た手法をエンヤが使用し、世界的に有名にした。しかし今ではエンヤのおかげで有名になったこの手法も、エンヤよりもいち早く取り入れていたのが、ケイト・ブッシュだった。

 だがケイト・ブッシュの場合、その手法は内省的を通り越して、精神的にいってしまっている(実際に、精神病院に入院している)。故に、この音が万人向けではないのは否めない。しかしこの独自世界は、他の追随を許さない。まるで難攻不落の城のごとく、存在する。その存在感は、圧倒的ですらある。したがって、今聴いても新鮮なのだろう。すごいね。

2012年01月11日(鏡開き)
 東京では日が落ちた途端、急激に冷え込んだ。昼間の冷え込みは、さほどでもなかった。まして朝は、通常なら凍っている車のフロント・ガラスに氷の形跡すらなかった。それほどこの時期にしては、暖かい気温だった。

 だが夜になった途端、強い北風が吹き荒れはじめた。同時に気温は下降の一途を辿る。手近の寒暖計では、外の気温は10度を割るくらいだ。だが、この北風が体温を奪う。こういう日は、特に寒さがこたえる。皆さんも、十分、暖かくしてください。知り合いに寒さに対して非常に弱い人がいるが、大変だろうな。心配だ。

 ところで夏同様、この冬も節電対策がとられている。それは素晴らしいことなのだが、某大学ではその節電対策と称して、各教室に2台あるエアコンのスイッチを入れさせない。日中、日の当たる教室は良い。だが一日中、日蔭の教室もある。そうすると外にいるより寒くなる。何とかならんのかな。やれやれ、だ。

2012年01月06日(エピファニー)
 以前、仕事場のひとつとしてよく使っていたスターバックスを、久方ぶりに訪れた。かつてはジャズがBGMだった。それがアンビエント(・ミュージック)に変わっていた。それもたまたま耳に飛び込んできたのが、マニュエル・ゲッチングのようなアンビエント。う〜ん、と、思わずうなった。・・・ って、皆さん、マニュエル・ゲッチングってわからないですよね。ネットで検索してみてください。

 そうは言いながら、私がコーヒーを飲みつつ、ハードディスク・レコーダーで聴いていたのはChristpher Hipgrave。この人のDayというアルバムは、いわゆるエレクトロニカに分類される。音はドローンが中心なのだが、そこにミニマル的な細かくも美しいノイズが混じる。それが何とも心地よく、内省的に響く。別に内省をしているわけではないのだが。疲れているのかな。

2012年01月05日(シンデレラの日)
 ようやく年賀状書きが終わったのが、4日深夜。投函は、明けて5日。というわけで皆さんの手元には、明日6日に届くことになります。

 だが今年は、忙しすぎてメール用の年賀状を作れなかった。というわけで今年は海外の友人を中心に、連絡の行かない人間が出てきた。新年早々、やれやれ、だ。

 ところで、年賀状の裏面は全てパソコンで作成する。だがそこに一言メッセージを手書きで沿える。加えて宛名は、全て手書きにしている。時間がかかるのは確かだ。だが全て印刷では味気ない。

 そうは言うものの、手書きゆえに稀に誤字を書いてしまう。そこで登場するのが、修正液・・・ だが、普段、ほとんどといっていいほど修正液を使用しない。そのためペン先で液が固まっている。

 そのままでは使用できないので、何とか固まった液を取り除こうと試みる。だが叩こうが、擦ろうが駄目。仕舞に安全ピンで先をつついてみた。これも、駄目。結局、新しい修正液を買い求めるはめになる。やれやれ、だ。

 ところでブリテン島南西のはずれ、コーンウォールという地がある。ここはかつてケルト(ブリトン人)の王国だった。だが現在は、完全にイングランドの一地域とされている。しかしながらここにきて、地方分権を求める声が高まってきた。スコットランドやウェールズ同じく、独自議会設立を求め、地元の政治家たちが立ち上がったのである。

 これにはもちろん、ウェールズは協力姿勢を見せている。さて、どうなることか。できうれば地方議会が持てると良いのだが。今後の動向を見守っていこう。マン島の例もあるしね。

2012年01月02日(初夢)
 去年、最後に聴いたのはキング・クリムゾンの「ディシプリン」。

 今年、最初に聴いたのは武満徹の「弦楽のためのレクイエム」。

 とりあえず作った年賀状は、結局、今年も2種類。宛名書きなどはこれから。

 久方ぶりに1月2日に外出をしたが、街中は新年を祝う人々であふれていた。その一方で通常営業の店があり、日本は非常に便利に感じた。

 さて、今年も皆様にとって良いお年でありますように。今年も幣サイトをよろしくお願いします。







文章:Yoshifum! Nagata
(c)&(p) 2012: Yoshifum! Nagata






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