ウェールズを食べる
――ウェールズの料理あれこれ――

スィーツ もしくは 午後の紅茶と一緒に
イギリスには、夕食の前に頂くアフタヌーン・ティーの習慣がある。ただ悠然と紅茶だけを楽しむのではなく、気のあった友人と語りあったり、スコーンと呼ばれるお菓子をつまんだり、と、イギリスで最も優雅な時が過ぎてゆく。ただしこのお菓子が曲者で、食の細い日本人ならば夕食代わりになるほどだ。同様に食後のデザートも量が多い。甘いものは別腹という人でも、注意が必要だ。

さてここではそのようなデザートや菓子をいくつか並べてみた。ご堪能あれ。


*ウェルッシュ・ケーキ(Welsh Cake)
*パンフレットより
・・・ ビスケットとスコーンの中間のような、ウェールズで最も有名な菓子。そのまま食べると、かなり硬い。
 また、土産物屋での定番菓子でもある。こちらは柔らかく、食べやすい。

土産物屋にて。ウェールズの伝統衣装を着た女性を印刷したラベル(右写真;クリックで拡大)からも、
伝統色を打ち出そうとする意図が読み取れる。
(2005年ウェールズで撮影)


2007年アイステズヴォッドに出店中のレストランにて撮影。


*バラ・ブリス(Bara Brith)
*Anglesey〜The Food Islandより
・・・ ウェールズ語で呼ばれる、有名なウェールズの茶菓子。フルーツ・ケーキだが、作る人によって味も大きさも変る。言ってみれば、料理人の数だけ味に種類があるというわけだ。ただし見た目以上にボリュームがあることは、共通している。そのまま食べても良いし、バターなどをつけて食べても美味。なお、バラ(Bara)とはウェールズ語で「パン」の意味である。



バラ・ブリス(右がバターを塗った状態)
(撮影:2004年8月)

*フラップジャック(Flapjack)
・・・ ウェールズに限らず、イギリス全土で見られる菓子。イギリスで暮らしたことのある人ならば、必ず食べたことがあるという代物だ。家庭で作るのが一般的だが(それ故にレシピもたくさんある)、店頭でもみかける。オートミールを原料に、大量のバターと蜂蜜(もしくは糖蜜)を混ぜ合わせたものを、オーヴンで焼いたビスケット菓子である。

*アングルシー島のケーキ(Anglesey Cakes)
・・・ 小麦粉を使って円形に焼いた2つのパンでジャムを挟み、全体に粉砂糖を振りかけたもの。もともとは元旦に子供たちが近隣の家々を、新年を祝って尋ねた時にもらった菓子パンだ。その菓子パンのお礼に、子供たちは次のような歌を歌ったという。

ウェールズ語(原詩) / 英語訳
Calennig yn gyfan, / Today is New Year's Day
Mae heddiw'n, Ddydd Calan, / And we wish you
Unwaith, dwywaith, tri. / Once, twice, three times
Blwyddyn Newydd Dda i chi / A very happy New Year.

日本語訳
今日は元日 
1回、2回、3回と
あなたに新年のご多幸を
お祈り申し上げます





ウェールズ?! カムリ!
写真(*は除く)と文章:Yoshifum! Nagata
(c)&(p) 2003-2013: Yoshifum! Nagata




主要参考文献
Anglesey The Food Island, (Menter Mon, 2002)
Davies, Evelyn, Cegin Aberdaron Kitchen, (St. Hywyn's [Trading] Ltd, 2002)
Smith-Twiddy, Helen, Celtic Cookbook, (Y Llolfa, 1970)
Favorite Welsh Recipes, (J. Salmon LTD)
Freeman, Bobby, Traditional Food From Wales, (Hippocrene Books Inc., 1997)
Williams, Margaret, The Smallest House Cook Book, (Gwasg Carreg Gwalch, 1992)
Williams, Rhian, Welsh Dishes, (Y Lolfa, 2000)
Yates, Annete, Welsh Heritage Food & Cooking, (Lorenz Books, 2006-2007)




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