プロフィール

 東京生まれの東京育ち。大学および大学院では、英文学を専攻。現在、大学で教鞭をとる。


 研究の専門は、現代英詩、英詩と音楽のかかわりあい、および文化を中心としたウェールズ全般。英詩では、特に地域性を重要視した詩人に注目している。R.S.トマスやG.M.ホプキンズといった宗教詩人や、トマス・ハーディが主な研究対象。

 学術論文としては、「There is no "Drummer Hodge" 戦争詩に観る心象の遍歴 ―― Thomas Hardy の場合」、「Structure in the Poetry of Thomas Hardy ―― The Seventh Chord of Restlessness」、「W. B. Yeatsの象徴劇 At the Hawk's Well の「若者」について」、「Thomas Hardy と Benjamin Britten, 2人のWinter Words ―― 詩と音楽の融合」、「ウェールズの奥深くへ――Manafon時代のR. S. Thomas」、「G. M. Hopkins と R.S.Thomas ―― 2人の宗教詩人の描いた労働者像」、「To Return To The Welsh Hills ―― On R.S. Thomas's Poetry For Supper」、「Looking at the ground ―― 初期の詩における R.S.Thomas」、「ウェールズの闇――R.S. Thomasがそこに見たもの」、「初期から中期におけるR.S. Thomas の「闇」「緑」「静けさ」について」などがある。

 また、2003年12月13日には、「歌の国ウェールズとポピュラー・ソング――ウェールズを歌う若者たち」と題して、1時間強の発表も行い、喝采を得る。前半にウェールズを歌の国と言わしめることとなるウェールズ語の賛美歌に託したウェールズの民族性について論じ、そして、後半に90年代以降のウェールズ生まれのポピュラー・ソング(主にステレオフォニックスやマニック・ストリート・プリーチャーズ)がその民族性からいかに影響を受けているかを論じた。

 上記発表は、同名の論文としてまとめられ、2005年に成就。またこの年には、雑誌『English Journal』12月号(株式会社アルク)に特集記事「ウェールズ・サウンド紀行」を執筆。この特集記事では、写真撮影、現地に住むウェールズ人へのインタビューと録音、そして、記事執筆を行った。

 2006年5月13日には「R.S.トマスとウェールズ語――ふたつの言葉の間で」(於日本カムライグ学会第3回例会)と、同年6月10日には「隔たりの間で――R.S. ThomasのIago Prytherch詩」(於英米文化学会第120回例会)のR.S.トマスに関する口頭発表を行う。続けて同年7月29日には、「1984-85年のグレート・ストライキ及び以降のウェールズの詩 / 詞」と題した発表を行った。これは炭鉱閉鎖に対して1984-85年に行われたグレート・ストライキと、その後のウェールズを詠った詩と詞を考察したものである。

 翻訳としては、スウェーデン大使館に提出された、「ラーシュ・ホルメル・インタビュー」 ((有)ストレンジ・デイズ 『ストレンジ・デイズ』2001年9月号) などがある。この時の翻訳がラーシュ・ホルメルのスウェーデン・ツアーの際、パンフレットに一部採用された。

 2006年11月9日、『English Journal』12月号(株式会社アルク)に特集記事「イギリス&アイルランド紀行」を執筆。2006年夏に旅をして回った、スコットランド、北アイルランド、アイルランド共和国、ウェールズで行った、突撃街頭インタビューとともに、写真、旅行記で構成される。本誌には特別付録として、インタビュー音声を収録したCDがついている。

2008年3月1日には関西ウェールズ会主催による、第2回ウェールズ文化祭で、ウェールズ・ポピュラー・ミュージックのブースを担当。

 2008年3月21日には、論文「炭鉱の消えた丘――グレート・ストライキおよび以後のウェールズの詩/詞」が、法政大学比較経済研究所/曽村 充利 編『新自由主義は文学を変えたか―サッチャー以後のイギリス』《比較経済研究所研究シリーズ23》(法政大学出版局、2008年)の第3部「政治と詩人たち」の1章として上梓した。

 2008年5月、大学用教科書『ダイジェスト版 9・11アメリカ同時多発テロ報告書 The 9・11 Commission Report Digest』(三修社)を共同にて執筆、編集。

 同じく2008年5月17日には日本カムライグ学会第7回例会において、「R.S. Thomas:Iago Prytherchのランドスケイプ」として口頭発表。

 続いて同じく2008年5月、翻訳書『9/11委員会レポートダイジェスト』(WAVE出版)を共訳にて上梓。本翻訳書と大学用教科書『ダイジェスト版 9・11アメリカ同時多発テロ報告書 The 9・11 Commission Report Digest』(三修社)は、アメリカ議会が設立した独自の調査委員会による2001年アメリカ同時多発テロの公式報告書The 9/11 Commission Reportの本邦初の翻訳であり、また、本邦初の英語用教科書である。2009年にはこの『〜Digest』は早くも3版を重ね、2009年2月にこれを拡大した『ダイジェスト版 9・11アメリカ同時多発テロ報告書 The 9・11 Commission Report Selections』(三修社)が刊行された。

 2009年2月25日には東京は六本木ヒルズのテレビ朝日多目的スペースUMUにて、「ウェールズ広場」なるイヴェントを小池、寺本の両名とともに開催。その3日後にあたる2月28日には大阪で、関西ウェールズ会主催による第3回ウェールズ文化祭にて「ウェルッシュポップ・ビデオショー」にあわせた講演も行う。

 2011年2月28日、大学向け英語教科書『Hillary Clinton Online: “Yes We Will” ――  私を大統領に――ヒラリー・クリントンのEメールから英語を学ぶ――』を東京堂出版より刊行。
 同年5月28日、第13回日本カムリ学会例会で『丘を下りて―現実と向き合う過程で /Eglwys-fach時代の R.S. Thomas試論』と題した講演を行う。
 さらに同年7月20日、小池剛史との共著『ウェールズ語の基本 入門から会話まで』が三修社より刊行された。

 2011年10月28日−2012年02月14日、3冊目(4冊目)となる大学向け英語教科書『The World Watches Japan』を南雲堂より出版。

 2012年01月15日、『ケルトを旅する52章―イギリス・アイルランド―』(エリアスタディーズ 94) を明石書店より単著として出版。これはこれまでで一番、私が出したかった本です。

 2014年5月、論文「R.S. トマス初期の詩3篇にみるウェールズ魂――その翻訳とともに」が昭和女子大学『学苑』第883号 p.45-61に掲載される。
 また2014年11月29日に出版された『イギリス文化事典』(イギリス文化事典編集委員会編[編集委員長] 川成洋 法政大学名誉教授)に「ウェールズの国立公園――ありのままの自然との共生」および「R.S.トマス――牧師・詩人」を執筆する。

 2015年4月、英語論文“Imaginative Truth ―― R.S. Thomas at Eglwys-fach: Paradoxical Poet”が英米文化学会『英米文化』第45号p. 1-18に掲載される。また英語教科書『ポップカルチャーで日本を表現―J-Pop Culture on the Net』を三修社より出版。

著作物(一部)






















 安部公房、筒井康隆、カード・ヴォネガット、フィリップ・K・ディック、SFなどの本を読むことを除けば、音楽や映画が好き。武満徹の作品を、最も好む。しかしながらその守備範囲は、他の現代音楽(ヤニス・クセナキス、スティーヴ・ライヒなど)を中心に、アヴァン・ギャルトと呼ばれるもの、クラシック(イゴール・ストラヴィンスキー、リチャード・ワーグナー、マーラーなど)、フリー・ジャズ(デレク・ベイリーなど)、ジャズ(ジョン・コルトレーン、マイルス・ディヴィスなど)、テクノ(クラブ・ミュージック)、環境音楽、ミニマル・ミュージック(テクノも含む)、タンゴ(アストール・ピアソラのみ)、ポップス、ロックなど様々。一言で言えば、美が作品の内側からこみ上げてくるような、強く、深い音楽が好き。

 楽器も演奏する。演奏する楽器は、エレクトリック・ベース、アップライト・ベース、シンセ・ギター、アコースティック・ギター、ウクレレ。他にシンセサイザー、テープ操作、プログラムもする。以前は曲を書いて演奏していたが、ここ数年は即興演奏を重視。その比重の大部分をしめる。


Yoshifum! Nagata



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