ウェールズを感じる
――ウェールズから響く音楽1:ポピュラー・ミュージック――



■トム・ジョーンズ(Tom Jones) 歌/英語
 1940年6月7日南ウェールズはトレフォースト(Treforest)生まれ。南ウェールズの伝統に従うかのように、彼は幼い頃から歌を愛した。その歌声は、家族や親類縁者の集まる席では必ず歌うことを求められるほどであり、また、学校の合唱隊にも所属していた。

 50年代後半、しかしながら、彼は伝統的な音楽から離れ、ロックン・ロールに傾倒するようになる。そして56年、16歳で学校をドロップ・アウトし、翌年、結婚。子供は結婚の1ヶ月前に生まれていた。製紙工場の夜勤をすることで彼は家族を養うが、次第に歌への欲求が大きくなり、仕事をやめる。そして63年にウェールズのクラブで歌っていたところを、彼は見出された。64年にDECCAと契約、翌65年にシングル“It' Not Unusual”がチャートで1位に輝く。そして引き続き“Thunderball”や“Green, Green Grass of Home”らのシングル・ヒットで、瞬く間に成功への階段の第1歩を強く踏み出した。

 セクシャル・シンボルとしての魅力も最大限に活用し、アメリカに渡った彼の初のアメリカでのテレビ出演は、かのエド・サリヴァン・ショウであった。67年には初めてラス・ヴェガスでショウを行い、世界的な成功をものとする。68年4月のラスベガスのショウが終った後、彼の楽屋を訪れた人物がいた――エルヴィス・プレスリーである。プレスリーは彼のステージに感激し、わざわざ彼に会うために自ら楽屋に足を運んだのだ。そしてこの瞬間、トム・ジョーンズはプレスリーがはじめてショウを観にいった最初のイギリス人アーティストと、即ち、最初のウェールズ人アーティストとして、歴史に刻まれた。以来、ジョーンズとプレスリーの親交は、プレスリーの死まで続いた。


(左→右)ジョーンズ、プリシラ(当時のプレスリーの妻)、プレスリー

 ジョーンズは膨大なシングルとアルバムをリリースし、ウェールズのポピュラー・ミュージックのアイコンとまで呼ばれる。




[リンク]
 Tom Jones ... 公式サイト。英語。




ウェールズ?! カムリ!
文章:Yoshifum! Nagata
(c)&(p) 2003-2005: Yoshifum! Nagata








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