ウェールズを感じる
――ウェールズから響く音楽1:ポピュラー・ミュージック――



■ロードリ・デイヴィス(Rhodri Davies) ハープ奏者
 数少ないウェールズ出身のフリー・ミュージック1演奏家の一人であり、最も目覚しい活躍しているのが、ロードリ・デイヴィスである。フリー・ミュージックの中でもハープを演奏する音楽家は稀有な存在だが、彼がハープを伝統音楽とするウェールズの出身であることを考えれば、それも当然のように思えてくる。だがその演奏方法は、時には弓を使うなど独創的なものだ。また、ライヴ・エレクトロニクス2やミュージック・コンクレート3にも興味を示し、ハープを使ったノイズの創造も探求している。これは、時にロマンティシズムに陥る、伝統的なハープの演奏スタイルに挑む形で生まれたのである。

 ロードリ・デイヴィスは1971年に西ウェールズのアベリストウィス(Aberystwyth)に生まれる。6歳の時に小学校を訪れたハープ奏者の音色の感激し、ロードリは7歳からハープを演奏し始める。その一方で、ドラムやパーカッションもオーケストラやジャズ・バンドで叩きもした。イングランドのシェフィールド大学を卒業した後、ハザースフィールド大学に進学、修士号を修得する。ロードリがフリー・ジャズを始めて経験したのは、丁度この頃、ハザースフィールド大学で近年のハープ音楽について勉強していた最中であった。
 95年にロードリはロンドンに出て、トリニティ音楽大学で大学院の教育課程を修了する。96年にロンドンでの演奏を観て以来、その独特なスタイルに惹かれたというジョン・ブッチャーとは、デュオで2004年10月24日から11月7日まで日本ツアーを行っている。
 また親日家の面も持ち、2006年、2007年と続けて来日し、素晴らしい演奏を聴かせてくれている。2007年2月には日本人アーティストのカヒミ・カリィのツアーで演奏する一方で、ジャン=リュック・ギオネ、村山政二朗、ロビン・ヘイワード、宇波拓ら面々とツアーも行っている。


2007年2月来日時 (撮影:Yoshifum! Nagata)

 ロードリは現在、ロンドンを活動の中心としているが、それもフリー・ジャズ・シーンのないウェールズでは致し方ないだろう。その一方で曲名にウェールズ語の言葉を採用するなど、ウェールズ出身であることのこだわりを見せる一面もある。

 彼の活動の幅は広く、フリー・ジャズのみに限定していない。オーケストラと演奏したり、ポップスの分野でも演奏することもある。その幅の広さを証明するのが、シャルロット・チャーチに同行したワールド・ツアーであろう。彼女には、ウェールズの有名な伝承歌「トラ・ボ・ダウ」(“Tra Bo Dau”;「2人がいる間」)を編曲し、提供しているが(彼女の『エンチャントメント』(2001年)の日本盤にボーナス・トラックとして収録)、これは彼の伝統や音楽に対する造詣の深さを感じさせる。彼は、伝統を否定しているわけではない。新しい音楽とハープ演奏の可能性を広げるために、彼は伝統を踏まえた上で前衛という手法を選んだのである。


E-Bowでハープを弾くロードリ。

註:
1. 1960年代にアメリカの黒人フリー・ジャズがヨーロッパに渡り、白人の間で独自に形成された即興演奏(フリー・インプロヴィゼイション)の音楽形式。アメリカのそれが黒人の解放(=フリー)運動と少なからず関りをもつのに対し、ヨーロッパのそれは作曲を中心とした既存の音楽形式を解体する形で使用された。
2. ライヴ・エレクトロニクス・・・ 電子音楽。鍵盤シンセサイザーは使わずに、初期の電子音楽のように、サイン波などの音の周波数を直接変化させることでノイズや音階を生み出すものを特にこう呼ぶ。
3. ミュージック・コンクレート・・・ 具体音楽と訳される。従来の楽器による作曲/演奏ではなく、例えば列車の音や川の流れる音など、日常にある具体的な音を使って作曲された音楽のこと。



ロードリ・ディヴィス・ライヴ・レポート  2006年3月2日、門仲天井ホール(江東区)にて。

 前回のライヴを見逃した時に、これはロンドンまで行かねばならないか、と思っていたが、この東京でロードリ・デイヴィスのライヴが再び行われると聞き、会場まで足を運んだ。会場となった門仲天井ホールは、門前仲町駅より徒歩数分という立地の良さだ。また、会場が広すぎないのも良い。渋谷エッグ・マンと同じくらいだろうか。ホールのコンクリートむき出しの壁を見て、これからここでどのような音楽が繰り広げられるのだろう、と、まずは思いをはせる。何しろロードリ・デイヴィスのライヴは、これが初体験となるのだ。

 ライヴは3部構成で(当初は2部構成とアナウンスされたが、当日、3部構成となった)、第1部にギタリストの秋山徹次氏のソロ・インプロヴィゼーション、第2部にロードリ、そして第3部に秋山氏とロードリのデュオ・インプロヴィゼーションとなった。秋山氏の自在にチューニングを変えながら紡ぎだす音の世界に聞き惚れているうちに、時間はあっという間に過ぎ、15分の休憩を挟んで、ロードリの登場となった。

 この夜、ロードリは一切、伝統的なハープの弾き方をすることはなかった。ピックで爪弾くと同時にその弦をミュートすることで、通常のハープでは得られない、金属的な音を響かせながら、静かに始まった演奏は、次第に、E-Bow(電気磁石によって弦を振動させる機材。通常はエレキ・ギターに使用する)や弓を使った持続音へと移っていく。ロードリは一音、一音を、熟慮するかのように弾き、そして、その余韻を噛み締めるように、音を少しづつ重ねていく。どこまでも伸びるその実音と、余韻が揺らめき、唯一無二の静謐なる音世界が作られる。

 通常、私たちは演奏者がはじき出す音しか、注意して耳を傾けることはない。しかしここでは音とその余韻(エコー)に耳を注意深く傾けることで、その間に生まれる静寂の美を身をもって体験した。まさにこれこそが、ロードリが意図する音楽であろう。日本庭園で見られる鹿威し(ししおどし)は、その音と余韻で静寂を演出すると聞いたが、その世界に通ずるものも感じた。

 最後の秋山氏とのデュオでは、ロードリは木材を弦と弦の間に挟みこむことで、打楽器とも弦楽器ともつかない音を出し、即興をスタートさせた。更に様々な道具を使い、ロードリは細かなノイズを積み上げていく。後半、秋山氏が日本刀の峰で弦をこすることで生み出すハーモニクスの持続音と、ロードリのハープが絡むさまは、非常に素晴らしかった。このデュオは、まさに静かな会話といった趣だった。

 実に今回のライヴでは、その作品の素晴らしさもさることながら、ロードリの特殊奏法を実際に間近で観ることができ、非常に有意義なものだった。CDと写真からその作り方を想像してはいたものの、想像すると見るのでは大違いだ。まさに、目から鱗である。次回来日の際には、更に多くの人に足を運んで、その音を実際に体験してほしい。


(撮影:Yoshifum! Nagata)



[アルバム(選)]
■Strings with Evan Parker / same (2001) (Emanem / 4302)
 大御所エヴァン・パーカーが集めた、総勢8人の演奏者による集団即興演奏をCD3枚に収録したのが、本作である。2001年になってリリースされたが、97年1月録音の1曲を除けば、録音は全て98年1月に行われている。3枚のディスクは、それぞれA、B、Cと分類され、AとCには集団即興が、Bには集団即興とやや少人数編成の即興演奏が収められている。この中でも圧巻なのは、28分にもおよぶA6の“Double Headed Serpent”だ。これはC2の即興演奏(これは単体でも素晴らしい1曲だ)に、2000年7月にエヴァン・パーカーがサックスを重ねどりしたものだが、そのような経緯を感じさせないほど、全体が一体化している。全体的に静寂や統一感を感じさせる曲が多いが、C1では集団即興ならではの渾然とした力を感じられる。

■Bailey Davies Fell Gaines Wastell / Company in Marseille (2001) (Incus / Incus CD 44/45)
 1999年1月13日と14日にフランスのマルセイユで行われた、フリー・ミュージック界大御所中の大御所デレク・ベイリー率いるカンパニーのライヴの実況録音。CD2枚に収録された全8曲中、ロードリ・デイヴィスは5曲に参加。ここには伝統的で優雅なハープはない。むしろ伝統から離れることで、ハープはより豊かな表情を私たちに見せている。中でもまるで小鳥がさえずるように繊細でありながら、ハープ本来の深い響きを新しい形で聴かせる「MW/ DB /RD」と「MW/ WG/ RD」は白眉の出来。20分を超える「RD/ DB/ MW SF/ WG」も素晴らしい。いずれもバックグラウンド・ミュージックには決してない、高潔な音楽がここにある。

■Cranc / All Angels (2000) (Edo / E-07)
 1999年5月20日と9月16日にロンドンのオール・エンジェルズ教会で録音され、2000年7月に890枚限定でリリースされた。ウェールズ語で「カニ」を意味する“Cranc”は、ロードリ・デイヴィス(ハープ)、ロードリの姉アンガーラド・デイヴィス(Vln)、そしてギリシャ人NikosVeliotis(Cello)によるトリオである。ここに収められた曲は全て即興演奏で、打楽器不在ながら、その音楽はここに挙げた中で最も緊張感高く、硬質/過激だ。安易な音とは無縁である。ロードリが爪弾くハープは金属的な音だが、それが教会のエコーによって増幅され、厳格に響く。これがアルバム全体の硬質観を際立たせている。

■John Butcher with Derek Bailey & Rhodri Davis / Vortices & Angels (2001) (Emanem / 4049)
 全5曲で最初の2曲がジョン・ブッチャー(Sax)とデレク・ベイリー(G)のデュオ、残り3曲がブッチャーとロードリ・デイヴィスのデュオである。2000年5月24日に録音されたこの演奏は、ブッチャーとロードリのデュオとしては初めての演奏である。また、その3曲全てにウェールズ語の曲名が被せられている。お互いの演奏に注意深く耳を傾け、間や空間を意識して創られた演奏からは、オリジナルティ高い楽曲が生み出されている。ロードリの演奏は、言われなければハープの音とはわからないほど変形され、ある種の独創性を持つ。独創性においては、ジョンも負けてはいないが、二人の演奏はそれでいて攻撃性や過激さとは無縁である。むしろ、お互いのツボを心得た2人の演奏は、まるで厳格な言葉で交わされる、静かな会話のようだ。だがそれが非常に心地良く感じられるのは、その内容が素晴らしいためだろう。ここに挙げた数枚のCDの中では、最も静寂な音楽である。

■The Sealed Knot / Surface / Plane (2001) (Meniscus Records/ 012)
 ザ・シールド・ノット(The Sealed Knot)のライヴは、非常に批評家から高い評価を受けているが、彼らの2001年9月27-28日に行われたライヴを収録したのが、このアルバムである。ザ・シールド・ノットはバークハード・ビーインズ(Burkhard Beins)(per)、ロードリ・ディヴィス、マーク・ワステル(Mark Wastell)(viola)からなるトリオだが、その音は、この楽器編成からは想像できないほど、静寂に満ちている。むしろ、静謐な空間を音で作り出す、と言ったほうが、適確な表現になるかもしれない。時に弦を金属的に響かせ、時に、ハープの弦を弓で擦ることでドローン効果を出すロードリを筆頭に、誰もが独自の特殊奏法で演奏することにより、唯一無二の音空間が生まれている。2曲目“Plane”は、まるで宇宙の胎動を聴いているような錯覚に襲われる。名曲である。

Trem (2002?) (confront / 11)
 2001年5月10日から同年12月7日までロンドンのオール・エンジェルス教会で3回行われた単独演奏を収録したのが、本作である。ここでロードリはハープの他、打楽器やテープも駆使している。明らかにハープ然とした音も聴かれるが、曲中では音階を持たない様々なノイズがひしめき、独自の音空間を創っている。しかしながらその音からは、暴力的な粗暴さは皆無だ。むしろ、凛として清い。それはロードリの出すノイズが、騒音を起すためではなく、静寂を引き立たせる目的であるために他ならない。「静寂は音と同じくらい興味深い」という彼の発言が、このアルバムを聴いていると特に思い出される。またこれらの音が全て、ロードリ一人の手になるものなのかと思うと、彼の前衛音楽演奏家としての才覚は、底知れないものだと思う。

■broken consort / done (2005) (Quakebasket CD / 24)
 broken consortは、ロードリとマーク・ワステル(cello, preparations & amplified texture)のデュオがその中心となり、時にゲスト演奏者を向かえることで形態を自由に変えるグループである。このアルバムでは、マット・デイヴィス(Trumpet, electronics & processing)を向かえ、トリオになっている。グループ名は、「異なった種類の楽器の小さなグループ」(Broken)と「結びつけること/同意すること」(to associate or to agree)から来ている。アルバム中全4曲中(註:封入されたカードには3曲の記載しかない)、1曲目がロードリのソロで、2、3曲目がトリオによる演奏となる。最後の4曲目が、ワステルとマット・デイヴィスのデュオでロードリは参加していない。その1曲目は、楽器の表現の限界に挑戦するかのような演奏である。4分少々の演奏ながら、美しくも硬質な空間を創り上げている。対して2曲目は26分にもおよぶ熱演だ。そうは言ってもこの面々である。暗闇の中を微かな白光が交差するような、静寂に満ちた演奏である。

■Amber / Rhodri Davies Robin Hayward Julia Eckhardt Lucio Capece (2005) (creative sources / CS 031 cd)
 全2曲。1曲目は32分を超える大曲、2曲目は10分ほどの曲である。近年のロードリの作品にしては珍しく、スタジオ録音だ。場所はベルリン。時は2004年4月。そこに集ったのはロードリ、ロビン・ヘイワード(Tuba)、ジュリア・エックハルト(Viola)、ルーチョ・カペーチェ(Sax & Bass Clarinet)の4人だ。全員の出身国も様々で、順番にウェールズ、イングランド、ドイツ、イタリア。まるでヨーロッパ即興演奏の縮図のようだ。全体として各人がつむぎだす、こと肌理やかなノイズと、ドローンが生み出す静寂に支配された作品だ。その静寂の中から、時として爆発する音の塊に、創造力の噴出を感じる。また楽器がここまで寡黙に、かつ、表現力豊かになることができるようになるのかと、唸らされる場面も少なくない。特に2曲目冒頭3分の美しさは、特筆に価する。この生楽器が生み出すエレクトロニカのような音世界には、夢幻の美しさがある。

■cwymp y dŵr ar ganol dydd / traw & rhodri davies (2006) (Confront Collectors Series / CC56)
 trawはカーディフを拠点に活動をしている、ラップトップ・ミュージックのトリオだ。そのtrawがロードリの演奏を、リアル・タイムでサンプリングをし、加工・再構成したのが、本作である。特に近年のロードリは音数が少なく、代わりに非常に美しい伸びやかな音を聞かせるが、本作はその中でも確実に傑作ではないか。trawの作るエレクトロニカとロードリの生の音が触れあい、交わり、互いに反響しあう。そしていつしか、互いの境界を越え、ひとつの音風景に溶けていく。時に官能的なその音空間は、非常に美しい。このどこか甘美な中に、厳然たる音への追求が聴かれる作品だ。傑作である。
(trawのサイトはこちら

■over shadows (2007) (Confront / confront 16)
 まさに1曲入魂。数々のアンサンブルを手がけるロードリが届けてくれたのは、独奏1トラック36分07秒の至福の時間である。本作は2004年1月に録音された音源から、2006年に36分の長さに「作曲」された作品である。ハープをEボウ(註:電気的に弦を振動させる機材。バイオリンの弓で弾いたような効果がギターなどの弦楽器で得られる)のみで弾くこと自体が独創的だが、届けられた音も通常のハープ音楽ではない。この音世界は、ハープ演奏の新しい局面を切り開いたといっても過言ではないだろう。倍音豊かなハープのドローンが、静寂の合間を縫うようにして、私たちの聴覚へと心地よい刺激を与えてくれる。この曲でロードリは静寂と音が織り成す世界のひとつの極限に達した。本作はアンビエント作品としても、傑作である。

■hum / rhodri davies, matt davis, samantha rebello, bechir saade (2007) (another timbre / at4)
 ロードリ(Harp & objects)、マット・デイヴィス(tp & electronics)、サマンサ・リベロ(flt)、べシール・サーデ(bass clarinet)によるカルテットの即興演奏。3人が管楽器だが、一般の人が期待するようなアンサンブルはここにはない。フリー・ジャズ愛好家が求める激しいブロウもない。「ハム」という題名に相応しく、低音の、しかしながら静寂なノイズによる音世界がここにある。ロードリのハープが作り出す伸びやかな高音の持続音にバス・クラリネットが奏でるドローンと、繊細なフレーズを繰り返すフルートが佇む4曲目は、静寂の中に自然の“動”たる営みを感じるような傑作だ。

■Live Uncut Vol. 1 / SANSOM/DAVIES (2008) (another timbre / at4)
 全33分。2曲入りCD-R。ライヴ・エレクトロニクスのマシュー・サンソム(Matthew Sansom)と組んだデュオだ。もちろん即興演奏だが、実に美しいアンビエント音楽を描いている。ロードリは弓とE-Bowを多用しハープを弾いているため、音がどこまでも伸びながら、儚くも美しいサウンドスケイプを作り出す。実音を加工したと思われる、サンソムの細かいエレクトロニクスとの相性も抜群に良い。静かな夜に聴きたいアルバムだ。Massimo Riccioは本作をして「半静寂の詩」('semi-silent poetry')と高く評価した。

■poor trade / rhodri davies, david lacey, dennis mcnulty (2008) (Cathnor Recordings / Cath005)
 ロードリ・デイヴィスがアイルランド人二人と相対した、ケルティック・トリオ。ミニマル・ミュージック(もしくは電子音楽)とフリーが融合した、まさに新しいケルト音楽の幕開けである。昨今のロードリ自身の方向性を示すように、ここで繰り広げられるのはドローンから導き出される静寂の世界。そこにデジタル機材ならではの重低音とパーカッションが加わり、静寂の中にも張りつめた緊張感が感じられる。全体的に、スリリングな作品に仕上がっている。どちらかというとアンビエント・ミュージックに傾いていた近年のロードリの作品からすれば、新たなる境地を開いた作品と言えるかもしれない。全3曲収録。録音は2006年9月4-5日、アイルランドの聖パトリック教会にて。

■John Butcher Rhodri Davies / Carliol (2010) (Ftarro / FTARRI220)
 ロードリの久々の新作は、盟友ジョン・ブッチャーとの共演となった。96年以来の付き合いになる二人だが、意外にも二人名義のデュオ作品はこれが初となる。これがハープの音か、と思わず唸るようなアイデア満載の音に、繊細なブッチャーのサックスが絡む。互いのツボを知りえた二人による演奏は、どちらもかなり最先端の音を出しながらも、それを“アヴァンギャルド”の一言に貶めない稀有なまでの作品へと昇華している。また以前に増してロードリが“弾いて”いることもあり、ロードリの音楽にしては非常に濃密な世界を作り出しているのも印象的だ。全7曲。録音は2007年から2008年。





[リンク]
 Rhodri Davies ... 公式英語サイト。
 Rhodri Davies ... European Free Improvisation Pagesによるロードリ・デイヴィスの紹介ページ。簡潔にして非常に見やすい。







ウェールズ?! カムリ!
文章:Yoshifum! Nagata
(c)&(p) 2004-2010: Yoshifum! Nagata








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