随想もしくは雑記
――ウェールズに関する、あるいは、ウェールズに関係ない、筆者の雑念・2008年度版――



2008年12月31日(大晦)
 静かな夜だ。よく晴れている。仕事も何も途中だが、とりあえず、今年最後のご挨拶を。皆さん、良いお年を!

今日1日で聴いた曲。ホルスト『惑星』、アディエマス『遥かなる絆』、エニグマ『The Screen Behind The Mirrors』、オービタル「ベルファスト」、パトリック・モラーツ『i』、アースワークス(マイベスト)、ジョン・コルトレーン『アセッションズ』、スーパー・ファーリー・アニマルズ『ゲリラ』、イエス『危機』(タイトル曲のみ)、alva noto『UNITXT』、キース・ジャレット『ケルン・コンサート』、デレク・ベイリー『インプロヴィゼーション』、rhodri davies, matt davis, samantha rebello, bechir saade『hum』 、N響の第9、アバド指揮によるマーラー『交響曲第2番 復活 第5楽章』。そして武満徹「弦楽のためのレクイエム」。
2008年12月30日(地下鉄記念日)
 2008年一番最初に買ったCD。フィーダー“Picture of Perfect Youth”と武満徹『岩城/NHK/弦楽のためのレクイエム』。
 購入したCDの総数、143枚(CDシングルを除く)。本当に数が減ったな。
 よく聴いた曲:ブライアン・イーノ「パッヘルベルのカノンに基づく協奏曲」、マーラー「復活第5楽章」、マニックス「センド・アウェイ・ザ・タイガース」。記憶しているだけだが。他にキース・ジャレット、キング・クリムゾンのライヴも。
 映画館で観た映画、0本。DVDはかなりの本数を視たのだがな。

 壊したもの、数知れず。部屋から撤去したもの:シンセサイザー(老朽化のため)。交換したもの:エアコン、ルーター(無線LANへ!)。

2008年12月29日(国際生物多様性の日)
 もうザルを抱えて走り回っている。大掃除は終わらない。雑記のアップロードを忘れる。車の掃除ができない。パソコンはデーターの整理が終わらない。年賀状もまだだ。何より、仕事が終わらない。30日am2:00を回って夕食も何もまだ。やれやれだ。

 そのためかどうか知らないが、朝からカンタベリー・ミュージックが頭の中で鳴りっぱなし。変拍子(奇数拍子の誤訳ではないかな、これ)と豊潤なる和声が、疲れた脳みそをかき回してくれる。やれやれだ。

2008年12月28日(ディスクジョッキーの日)
 年末。この時期になると、いつも頭をかすめるのが、大掃除だ。1年分のたまった汚れを・・・ というよりは、私にとってはたまった資料、本、CDなどの山の移動と再配置がその中心となる。大掛かりな整理整頓といったところか。

 毎年、あれやこれやと実行前は頭の中で計画を練る。だが、実際には時間と気力、体力の関係から、そのほとんどは翌年に持ち越しとなる・・・ やれやれだ。車やパソコンのハードディスクの大掃除もしなきゃな。やれやれだ。

2008年12月25日(クリスマス)
 メリー・クリスマス! 昨日挙げた曲の、説明を少しだけ。

 佐野元春(日本)の「クリスマス・タイム・イン・ブルー」は、ビートニクに影響を受けてきたという佐野の言葉を思い起こさせる曲。佐野元春が他のJ-POPの人たちと一線を画すのは、このバックボーンであり、同時に、それをポップスまで昇華するセンスだ。

 マニックス(ウェールズ)の「ラスト・クリスマス」は、まさにマニックスの面々がサッチャリズムの申し子であることを思い出させる。マニックスの面々が幼少から青年期にかけて音楽的に影響を受けたのは、「丘陵地帯」の合唱ではなく、サッチャリズムが音楽産業にもたらした(といっても過言ではない)産業ポップスであった。

 ザ・ポーグス(アイルランド)の"Fairytale Of New York"は、アイルランド人が生活のために移民せねばならなかった悲しい歴史を思い出させる。ザ・ポーグスの中心人物である、シェーン・マガウアン自身も、ニューヨークではないが、ロンドンに母親と移民していた過去をもつ。最後がハッピーエンドなのが、好きである。

 トマス・ハーディ(イングランド)の詩“The Oxen”は、雄牛がクリスマス・イヴの夜にキリストの降誕を祝って跪くという伝説をもとに創られた。詩が書かれたのは、1915年。第1次世界大戦(1914-18年)の真っ最中だ。当時、ハーディは国民的詩人で、軍部から国民を戦争へと鼓舞するような詩を依頼され、また、再婚した妻も戦争に非常に肯定的だった。しかしながらハーディ自身は、かねてより戦争否定派だった。戦局に加担するような詩を書かねばならぬ状況で、昔の平和な時代を一人思い返した詩である。

 改めて皆様に、メリー・クリスマス!!

2008年12月24日(クリスマス・イヴ)
 あまりにも忙しく、クリスマスのことを(向こうの友人にカードを送ったにも関わらず)忘れていた。そこで、特別にクリスマスに聴きたい曲を公開。あくまでも個人的に、ということを忘れないでくださいね。

  Greg Lake, "I Believe In Father Christmas"
  Keith Emerson, "The Silent Night" (The Christmas Album収録)
  佐野元春、「クリスマス・タイム・イン・ブルー」
  Mike Oldfield, "Silent Night"(シングル盤「Tatoo」収録のインスト曲)
  Manic Street Preachers, "Last Christmas"(Wham!のカヴァー)
  Charlotto Church, Dream a Dream
  Katherine Jenkins, Sacred Arias
  Enya, Silent Night (in Irish)
  The Pogues, "Fairytale Of New York"
  Benjamin Britten, "The Oxen" (Thomas Hardy の詩に曲をつけたもの)

2008年12月22日(改正民法公布記念日)
 朝からマニック・ストリート・プリーチャーズの「ザ・マッシズ・アゲインスト・ザ・クラッセズ」(「労働者階級対上流階級」の意味)が、頭の中で鳴っている。しかも、“We love the winter/ It brings us closer together”(俺たちは冬が好きさ/冬は俺たちをより密に、集わせる)という部分が、何度も何度も繰り返してかかる。ああ、冬だな。

 この曲はアルバム『ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ』(98年)のアウトテイクながら、その非常に良いメロディと相手の胸ぐらを掴むような歌詞、そして短いギター・ソロ(格好良い!)のために、非常にライヴで人気が高い。実際に、カーディフのミレニアム・スタジアムでのライヴ(DVDにて発売中)はものすごく良い出来である。

2008年12月18日(国連加盟承認の日)
 どうやら冬眠の時期が来たようだ。電車に乗ると、眠くてたまらない。・・・ 睡眠時間が短すぎる、と言う声もあるが、ちゃんと3時間程は寝ている。

2008年12月16日(紙の記念日)
 @イギリスでは燃料の価格が下がり続けているらしい。ここ日本では、あまり実感はないけれどね。

 Aまさに師走。走り続けています。それにしても12月になると、面白いドライバーを良く見かける。普段運転しない人が、様々な用事で車を運転し始めるため、思いもよらぬ行動をしてくれる。先日見かけたのは、必ず左折レーンに入ってから本線に戻る車。危ないな、と後ろから見ていたら、右折レーンに入る時ですら、一端左折レーンに入った。何かの儀式か?!

 B本当に奔走している。それなのにインターネット・エクスプローラーは壊れる(どなたか修復の方法をご存じないですか?)。それなのに欠席の続く学生から免除のための課題希望がでる。それなのに小テストの採点がある。それなのに授業内提出物の採点がある。それなのに渋滞する。それなのに人身事故で電車が止まる。それなのに書類がどこに行ったかわからない。それなのに、それなのに・・・ 。

2008年12月04日(E.Tの日)
 ウェールズより3件。2008年度カロー最優秀ウェールズ村賞(2008 Calor Village of the Year for Wales )に北ウェールズのレクサムのフロンキシルテ(Froncysyllte)が選ばれた。人口750人ほどのこの村には、決して風光明媚な景色はない。19世紀に産業が発達するが、現在ではかつてあった石切り場は閉鎖され、郊外のベッドタウンになっている。なぜこのような村が選ばれたのか?

 実際、1950年代の石切り場の閉鎖は地元での雇用の喪失を意味していた。村は衰退に直面したが、村人たちはそれに各人の才能を駆使し、団結して立ち向かった。

 犯罪を許さず、それを犯そうものには毅然と立ち向かった。村の郵便局と小学校の存続すらも脅かした経済危機も、会社を設立することで乗り切った。この互いに村人が知恵を出し合い、協力して、村の衰退から脱した姿勢が高く評価されたのだ。おめでとう、フロンキシルテ!

 もう1件目。ダフィ(Duffy)がグラミー賞の最優秀アルバム部門(record of the year)にノミネートされた。賞の発表は来年2009年02月08日とのこと。

 最後の1件。イギリスでは歳入税関庁(HM Revenue and Customs)が、全土で90の事務所を閉鎖計画を発表した。これによりウェールズだけで470人が職を失うことになる。この時期に官庁が職の切りつめをするとはね。日本とは大違いだ。

2008年12月03日(国際障害者デー)
 信じられない話だが、ウェールズでは6万4千人もの児童のDNAサンプルが、警察によって保管されていることがわかった。これは10歳から17歳の児童数に対し、5人に1人以上の割合でDNAサンプルがとられている計算になる。

 更にすごいことは、これがデーターベース化されていることだ。ウェールズ児童委員会はこれを人権侵害と考えていると声明を発表。大変なことになったものだ。

 それに較べれば明星大学で授業をやらず、代わりに映画を5、6本も見せ、時には授業開始時より終了5分前までを「休憩時間」と宣言する外人教師がいても、何の不思議でもない。大学側がこれに気づかず、何の処置もとらなくても、何の不思議もない。やれやれだ。

2008年11月29日(服の日)
 話題:大相撲。元若ノ鵬が「八百長があったといえば相撲(界)に戻れる」と言われ、虚偽の発言をしたと昨日、記者会見を行った。トカゲの尻尾きりか。可愛そうに。相撲協会から詰め腹を切らされてしまったね。

 話題:秋。しまった。11月だというのに武満徹の「ノヴェンヴァー・ステップス」を一度も聴いていない。何ということだ。前半の秋を感じさせぬ暑さにも増して、忙しかったということか。自分では気づかなかったのだが。そういえばため息が深い。何ということだ。

 話題:ウェールズ。1973年のこの日、カーディフでライアン・ギグスが生まれた。マンチェスター・ユナイテッドで輝かしい活躍をしたことで知られる彼は、サッカーの歴史上最も優秀なウイングとも言われる。サッカー選手として活躍する一方で、2002年よりユニセフの代表もつとめ、地雷から子供を守る運動に取り組んでいる。私はライアン・ギグスというと、リーボックスの2005年の広告で、同郷のシャリー・バッシーのヒット曲「私は私」(I know What I am)と赤龍をバックに、「俺はウェールズ人だ」と宣言したことを思い出す。

 話題:裁判員制度。素朴な疑問なのだが、裁判員個人個人の刑法や法律の知識はどうやって調べているのだろう? 日本人は道路交通法ですら危うい。それを証拠に、駐車違反などは日常茶飯事である。

 話題:コンピューター。少しでも休みたいと思ったら、コンピューターのスイッチを入れないことだな。つくづく、そう思う。

2008年11月26日(ペンの日)
 某アメリカの通販サイト。2ヶ月以上前に注文した品物が届かず。代金だけは既にクレジット・カードから支払われている。

 再三のメールによる催促にものらりくらり。前回にいたっては「数週間前に送ったので、もしあと2週間経って届かなければ連絡をくれ」と自信たっぷり。

 結局届かず、メールによる催促をするが、今度は返答すらしない。「6時間以内に返答しなければ、カード会社を通じて法的手段を起します」とメールを昨日深夜に送ったところ、返ってきたメールが「本日、改めて品物を送ります」。何が「改めて」だ。最初から送ってなかったのでは?! やれやれだ。

2008年11月24日(オペラ記念日)
 安倍公房の小説『砂の女』は、「八月のある日、男が一人、行方不明になった」と始まる。ウェールズでは2008年11月23日、リッチー・エドワーズの失踪宣告が下された。即ち、法的に死亡が確定したのである。

 リッチーはマニック・ストリート・プリーチャーズの創立メンバーであり、事実上、バンドの思想や歌詞の中心をなしていた。95年2月1日に失踪し、その後の捜索もむなしく、リッチーの法律上での死亡が確定したわけである。

 イギリスでは行方不明者が失踪宣告を受けるまで、行方不明になってから最低7年以上経たねばならない。リッチーの両親は2002年に失踪宣告の手続きに入ってはどうか、と訊ねられた。だがリッチーがどこかで別の人生を歩んでいると信じ、失踪宣告を頑なに拒んできた。だが13年が経過し、息子の法的死亡を受け入れた。

 当時27歳のリッチーの愛車が発見されたのは、セヴァーン橋(Severn Bridge)の近くだ。地元では自殺の名所として知られるらしい。だが死体は発見されていない。

 安倍公房の『砂の女』は「男」の失踪宣告書で終わる。だが、「男」は生きている。「男」はそれまでとは全く異なる人生を生きている。

 リッチーにも生きていてほしいと思う。

2008年11月22日(聖ポール・ヘンの日
 イギリスでは国教会の資金繰りが非常に困難である。その対策として、牧師館や教会が売りに出されてきた。R.S.トマスがかつて勤めた教会のうち、ふたつの教会とひとつの牧師館が既に売却されている。

 カーディフの名所のひとつ、“偉大なる”聖ジェームス教会が2007年にオークションで売却された。当時の価格で50万ポンド(2007年当時で約1億2500万円)の値段がついた。そしてこの教会の塔が、アパートとして改築されることが決定した。どうやら外見はそのままらしいが、中身を改造し、7階建ての住宅になるらしい。曰く下二階が寝室で、その上がダイニング・ルーム、台所、浴室、書斎とラウンジ、そして展望台室になる計画とのこと。

 好奇心だけだが、非常に住んでみたい気がする。特に展望室からの眺めは最高だろう。不謹慎かな。

2008年11月20日(ホテルの日)
 日本の話。先日起きた元厚生次官およびその家族殺害事件2件。痛ましい限りだが、報道を見聞きしていて、違和感を覚えていた。

 何かわからなかったのだが、昨日の夜、FMラジオを聴いていてハッとした。それはこの二つの事件が被害者がかつて一緒に基礎年金制度導入に深く携わったという共通点だけで、この二つの事件を「年金テロ」と一つの事件として報道していることだ。犯行声明すらないというのに、この飛躍はすごい。

 ウェールズの話。日本でも日本海側を中心に、ここ数日に初雪を観測するなど、急速に寒気が広まっている。ウェールズでも寒波が到来、この週末が危ないそうだ。

 なお本日は聖コルマン(St. Colman)の日でもある。ウェールズのダルリアダに生まれ、スランゴルマン(Llangolman;聖コルマンの教会の意味)に教会を設立したと言われる。同名の聖人がアイルランドに多数おり(一説によれば300人)、アイルランドはドロモアの司教となった聖コルマンと同一人物とみなされることもある。なおウェールズではこの日に聖コルマンを祝うが、スコットランドとアイルランドでは7月6日に祝う。

 個人的な話。いらついたり、心が安らいだり。一喜一憂をしている。明日は荒れているだろうな。確実に。

2008年11月13日(うるしの日)
 どこか近くに夜遅く(22時過ぎまで)診察をしてくれる歯医者はないかな。それと週末および水曜日に診察してくれれば、更にありがたい。

2008年11月08日(聖カビの日
 Googleの検索で、今日初めて移転後のアドレスにヒットした。移転したのが10月21日だから、18日間かかったことになる。長いのか、短いのか。正直、わからない。とりあえず、以前のアドレスのほうが上位に出ているのに、思わず、笑ってしまった。

 聖カビはコーンウォール王の息子であったという。ローマとエルサレムに巡礼し、南ウェールズに教会を建てた。その後、アイルランドに渡った後、北ウェールズのスランギビ(Llangybi)に定住する。この村の名前は、聖カビからとったものだ。

 聖セアリオルと非常に仲が良く、彼に会いに行く途中、常に太陽に向かって歩いた。そのため日焼けをし、「色黒のカビ」との異名も持つ。聖カビの教会は、ホーリーヘッドのローマ要塞跡に建てられた。

2008年11月05日(電報の日)
 本日、わが国の大統領がオバマ氏に、アメリカ本土で決定した。日本は時差を考慮してか、大統領選挙にも関わらず、今回も選挙権がなかったのが残念極まりない。アメリカ本土で黒人初の大統領と報道されていたが、それは日本にもあてはまる。「変化」を謳ったオバマ氏だが、日本国憲法第9条の「変化」だけはごめんこうむろうか。それにしても次は4年後だが、その時は日系か中国系の人に大統領になってもらおう。(以上、かなりきつい冗談を含んでいます。ご了承ください)

2008年11月04日(ユネスコ憲章記念日)
 ふたつ大きなことがあった。小室某氏の5億円詐欺とクローン技術の成功。前者は自分の書いた(ということになっている)作品の著作権を、詐欺の道具に使うなど、クリエーターの風上にも置けない。著作権の収入だけで年間2億円を稼いでいるというのに、それを10億円で売ろうとはそれにしても器の小さい男だ・・・ 。

 後者は死んだ動物の細胞から、クローン動物が作られたという画期的な研究成果である。現時点では未だ無理だが、ジュラシック・パークの世界である。これ、かなりすごいことなのに、報道は小室某氏ばかり。日本の報道は少しおかしくないか? しかも小室某氏の事件のせいか、本日はわが国の大事な大統領選挙に関する報道が少ない。おかしくないか?

2008年11月03日(文化の日)
 レディオヘッドの新作『イン・レインボウズ』はすごいな。最新のデジタル・ビートでアルバムは始まり、最終的にアコースティック・エレクトロニカにたどり着いている。

 確かに上物もすごいが、それより底辺で動き回っているベースに注意していただきたい。曲によってはかなり音数が多いが、それでも低い音の周波数で鳴っているので、曲の構成を全く邪魔していない。「クリープ」のベースの音といい、かなり良いベーシストだ。実は以前から彼らのベースには注意を払っていたのだが、このアルバムで確証を持った次第。

 もっとすごいのは、ケヴィン・エアーズの4枚組みアンソロジーCD。1969年から80年までを網羅した編集盤CD3枚に、73年の未発表ライヴCDが1枚という構成だ。4時間以上、ケヴィンの音に浸っていられるならば、文句の言いようもあるまい?!

2008年11月02日(聖エルニンの日
 先日までよく聴いていたのは、バッハの『マタイ受難曲』。限りなく美しいと思うし、何より、癒しの作用がある。武満が生前に好み、死ぬ前日に病床でその素晴らしさを称えている。

 武満の歌にも癒しの作用があるが、それとは異なった種類の癒しである。武満はそれを宗教を超えた感動と表現したが、それこそがある種、究極の宗教ではなかろうか。数多くの演奏家によって演奏されているうちに浄化され、不要な部分が削られ、その核たるエッセンスのみが残ったとしたら? それこそ究極の祈りであり、音楽はその時、神へ最も近づく手段となりうる。

2008年10月30日(ニュースパニックデー)
 これまでの暖かさから一転、昨日からここ東京では急に寒さが増した。10月末になり、ようやく秋に突入である。寒さが身に、心に、しみる。

2008年10月21日(国際反戦デー)
 2008年09月25日にたった1通のe-mailで届けられた、AOLによる全サイト強制閉鎖および削除通告。このままサイトの閉鎖も考えた。だが結局、本アドレスに移動して運営を継続することにした。かなり新しいコンテンツも加え、心機一転まきなおしである。これからもどうぞ、弊サイト「ウェールズ?! カムリ!」をよろしくお願いいたします。

2008年10月17日(カラオケ文化の日)
 ウェールズではロードリ・ディヴィスのエレクトロニカ・プロジェクトに、それ以外ではRudi AlapahoeのEchoes from One to Another にはまる。前者はドローンを使用し、静寂を作り出す傑作。ハープと電子ノイズだけで創られているとは思えない、深い音がする。後者はフィールド・レコーディングやエレクトロニクスと、ギターなどの楽器を合わせたもの。まるで自己発見の旅をしているかのような音だが、風通しが良く、安心して聴いていられる。『チューブラー・ベルズV』のころのマイク・オールドフィールドの作品を連想させる傑作だ。

2008年10月15日(グレゴリオ暦制定記念日)
 Internet Explorer。ウィスキー・グラス。小皿。ハードディスク・レコーダー。サングラス。ジャケットのボタン。以上、ここ数日以内に壊した/割ったもの。

 去年ウェールズで購入した本(1箱分)、ハードディスク・レコーダーの保証書、DKNYのサングラス。以上、ここ数日内に部屋の中で見つけたもの。

2008年10月14日(鉄道の日)
 内省をしているわけではないが、フィーダーの『プッシング・ザ・センシズ』は心底、最高傑作だと思う。期せずして三人三様の国籍になった彼らフィーダーだが、そのことがアルバムの普遍性を高めるのに貢献しているようにも思える。

2008年10月12日(芭蕉忌)
 手紙の宛名で、名前の漢字を間違われた。確かに私の下の名前(英語ならfirst name)は、ワープロで一発変換できない。そのようなわけなので、多い時は貰った年賀状の1/4が誤った宛名書きとなっているが、気にしないことにしている。だが、今回は手書きで間違われた。やれやれ、だ。

2008年10月10日(アイメイト・デー)
 元の体育の日。現在はハッピー・マンデー計画のため、体育の日は10月第2週目の月曜日に移ってしまったが、かつては10月10日だった。この日は晴れの特異日。すなわち、統計的に見て晴れの確立が高い日である。ゆえに1964に開催された東京オリンピックでは、開会式の日に選ばれた。・・・ が、昨日夜、雨が降ったではないか。非常に珍しい。温暖化の影響か。それとも、地軸がずれたのか。やれやれだ。

 ウェールズではバンゴール大聖堂の第81代目司教に、アンドリュー・ジョン(Andrew John、44歳)が選ばれた。彼はウェールズ聖公会(Church in Wales)の北ウェールズの教区のトップに立つことになる。

2008年10月04日(宇宙開発記念日)
 猫の手を借りたくなる。だが、その手で遊んでしまいそうだ。仕事にならんじゃないか。でも借りたい。いや、遊びそうだ。どうしようか。やれやれだ。

2008年9月26日(ワープロの日)
 ハードディスク・レコーダーの調子が悪い。再生には問題ないし、音も良い。だが時折、画面が消えたままになってしまう。従って選曲をする際、闇鍋状態になってしまう。何てことだ。

2008年9月23日(海王星の日)
 日本では秋分の日であり、彼岸の中日でもある。ゆえにこの日に海王星ではなく、本当は冥王星が発見されるべきだったと思ってしまう。

 後日記:たまたまアップロードをし忘れていただけなのだが、25日にAOLより突然のサイト閉鎖通告が来たので、アップロードそのものを見合わせることにした。最終的に、23日以降の雑記はサイト移転後に公開することに決定した。そのため、23日以降の雑記はまとめて公開することになった。ご了承のほどを。

2008年9月18日(満州事変記念日)
 フランスでは去る8日朝、ヘクター・ザズーが闘病中の病院でこの世を去った。彼は今年の初めに重病を患った。そしてそのまま帰らぬ人となった。享年60歳。ザズーは高名な現代音楽の作曲家でありながら、最先端の音楽にも通じた稀有な人である。

 イングランドでは去る15日、リチャード・ライトが自宅で死去した。癌であった。享年65歳。鍵盤奏者であり、ピンク・フロイドの創立メンバーの一人でもあった。400万枚以上を売り上げたアルバム『狂気』では、要となる「ゼ・グレート・ギグ・イン・ザ・スカイ」と「アス・アンド・ゼム」を作曲している。

 ウェールズでは去る14日朝、イアン・ダンゲイ(Ian Dungey)が墓地で首を吊っているのを発見された。原因は明らかにされていない。だが警察によれば、犯罪の可能性はないとのこと。享年30歳。彼はカーディフで最も才能のあるDJとして知られていた。

 日本では台風13号が本州に接近中。このままだと、東京も直撃か。

 嫌だな。それないかな。それてくれ!

2008年9月15日(敬老の日)
 @自民党の総裁選が過熱・・・ しているはず。党員でなければ投票券がないため、候補者らの声も国民全体には届かない。これで日本の総理大臣も決定する(可能性が非常に高い)というのにね。

 A大相撲、この日曜日から開催されているのだね。一連の不祥事を受け、今回の「大会」は自粛しているとばかり思っていた。反省していないんだね。

 Bブリン・ターフェルが自らのことを「ファット・ボーイ・スリム」と呼んだ? ――14日にロンドンで行われた、ヴェルディのオペラ『ファルスタッフ』で禿頭、髭面、パジャマにナイトガウンという出で立ちで現れたターフェル。BBCのインタビューアに応えての発言だった。

 そのターフェルは今日、新しいアルバム『スカボロー・フェア』(原題First Love - Songs from the British Isles )をリリースしたばかり。内容はブリテン島およびその周辺の伝承歌を集めたものだ。ウェールズの歌“Cariad Cyntaf”はもとより、北アイルランドの「ダニー・ボーイ」、イングランドの「スカボロー・フェア」も収録している。

註・・・ 自民党の総裁を決める選挙だが、現在、与党である自民党の総裁が国の長たる総理大臣の椅子に事実上おさまることになるため、一党の総裁選の結果が総理大臣をも決定する。

2008年9月12日(宇宙の日)
 バス・バリトンのブリン・ターフェルが、ここ4年以内に活動の幅を狭めるらしい。一時は引退も噂されたが、何でもオペラやスポーツ・イベントなどよりも、コンサート活動に集中したいとのこと。ターフェルは現在42歳。40代半ばでの引退は、彼のような異才には、早すぎる。

 かつてウェールズの楽曲集を出したターフェルだが、今度はそれをコンサートでやってくれないかな。出来れば、来日して。

2008年9月9日(救急の日)
 イギリスでは、政治家は各家庭を訪問し、庶民の声に耳を傾ける。

 アメリカでは、大統領選挙の候補者は副大統領の候補者を指名し、ともに演説を通して国民に訴えかける。

 日本では、総理大臣が急遽辞任し、次の総理候補者らの声明は聞かれず、代わりに新聞の一面を飾るのは大相撲の理事長辞任のニュースである。

2008年9月3日(ホームラン記念日)
 相撲界は強ければ何でもあり、か。毎「試合」の前後に全「選手」にドーピング検査すべきだね。

2008年8月21日(噴水の日)
 今回から加わった競技、オープンウォータースイミングでデビッド・デイビス選手(David Davies;1985年3月3日、バリー生まれ)、銀メダル獲得! おめでとう!

 この聞きなれない競技は、自然の環境の中での10キロの遠泳である。今回その会場となったのは、オリンピック水上公園。人口湖だ。

 デイビス選手、名前も平凡なようで変わっているが、今回、試合前に一風変わったコメントで注目を集めた。曰く、「もし大きな魚を見たら怖い。彼らは人間じゃない。歩き回らないし、普通じゃない」。この恐怖がなければ、金メダルだったか?! はたまたこの恐怖を克服した銀だったか。当人のみぞ知る・・・ 。

2008年8月18日(太閤忌)
 ゴールド・ラッシュに沸きあがるウェールズ! ボート男子エイトでトム・ルーシー(Tom Lucy;1988年5月1日、ブリストル生まれのモンモウス育ち)選手が銀メダルをもたらした。その直後、ゲライント・トマス(Geraint Thomas;1986年5月25日カーディフ生まれ)選手が自転車(トラック)男子4000m団体追い抜きで金メダルをもたらした。記録は3分53.314秒。何と世界新記録というおまけつきである。

 ゲライント・トマス選手はカーディフ郊外のウィットチャーチ(Whitchurch)に生まれ、現在は、プロの競輪選手として活躍している。このウィットチャーチにはウェールズ語名があり、Yr Eglwys Newyddという。「新しい教会」という意味だ。

 果たして教会が建てられたのは12世紀である。18世紀に開かれたブリキ工場で栄え(1957年に閉鎖)、現在ではウェールズで最も大きい高校となるウィットチャーチ高校があることでも知られる。

2008年8月17日(パイナップルの日)
 昨日速報でお伝えしたトム・ジェームズ選手、何と、オリンピック組織委員会の民族旗掲揚禁止(08月05日の雑記参照)を破り、高々とウェールズの「国旗」を掲げたとか。本人曰く「自分は愛国者だし、オリンピックの地図にウェールズが載るのは素晴らしいことだ」とのこと。

 地図云々というと映画『ウェールズの山』を思い出してしまうが、この映画にも描かれたウェールズ人の「国家」としての意識の高さには敬服する。この意識を持ち、更に他民族を受け入れることが出来れば、民族紛争は少しは減るのではないだろうか。

2008年8月16日(大文字五山送り火)
 速報! 北京オリンピック、男子ボートかじなしフォアで、レクサム在住のトム・ジェームズ(Tom James;1984年3月11日、カーディフ生まれ)選手が金メダル獲得! おめでとう!

2008年8月13日(左利きの日)
 ことによると毎日新聞だけではないのかもしれないが、紙面を飾るオリンピックの報道を眺めていると、かなりの情報の偏りを感じる。なぜ、日本がメダルをとったことのみが掲げられているのだ? 各競技でメダルを勝ち取った国を知ろうとすると難儀する。

2008年8月11日(スポーツ中継の日・ガンバレの日)
 9フィート(約2.743メートル)ものニシクロカジキ(Blue Marlin)が西ウェールズのペンブロークシャーで捕獲された。ニシクロカジキは通常、カリブ海や大西洋に生息している。ニシクロカジキがイギリスの海で見つかったのは、初めてのこと。

 捕獲された時には既に死んでいたらしいが、この魚がイギリスの寒い海に泳ぎ着いたのは温暖化の影響だろうか。それとも、遠泳の記録でも狙ったのだろうか? だとしたら金メダルは確実だが。

2008年8月10日(道の日)
 速報! 北京オリンピック、女子個人ロードレース(自転車、126.4キロ)でニコル・クック(Nicole Cooke)選手が金メダルを獲得した! おめでとう! 

 クック選手は1983年4月13日、ウェールズはスウオンジーで生まれ、グラモーガン谷のウィックで育つ。16歳にしてイギリス・ロードレースのチャンピオンシップで1位になった。今回の金メダルは2008年北京オリンピックでのイギリス初の金メダルであり、同時に、現代オリンピック史上イギリスにもたらした200個目の金メダルと言う記念的な金メダルになった。

2008年8月06日(広島平和記念日・広島原爆忌)
 星新一の「爆発」(『ひとにぎりの未来』、新潮文庫)は心底、素晴らしい作品だと思う。ここで描かれるのは、ふたつの相反する近未来。どちらも現実になりうる近未来を、非常に上手い手腕でつなげている。20世紀SFの伝道入りではないか。特に今日は、そう思う。

 イギリスのBBCでは、この日の出来事として1945年と1995年の項目でヒロシマを扱っている。アメリカでは「なかった」ことだそうだ。数年前、スミソニアン博物館で原爆展を開こうとしたら、アメリカ人の反対派が寄ってたかって「何故お前らは嘘を言うんだ」と詰問したという。おそらく現在のイラク戦争も、数年すればアメリカには「なかったこと」になるのだろう。実際、砂漠の嵐作戦は「なかった」ことになっているらしい。

 空恐ろしい。いや、何がって・・・ 。

2008年8月05日(タクシーの日)
 @。何かと話題の北京オリンピック。開幕直前のここに来て、ウェールズの選手がメダルを勝ち取ったとしても、「国旗」を掲げることができないことがわかった。ウェールズの選手がどんなに頑張っても、赤龍が大会会場の空を悠然と泳ぐチャンスは一切なくなったのだ。

 理由は簡単である。オリンピック組織委員会が、国際オリンピック委員会参加「国」のみ、オリンピック会場での国旗を掲げることを許可したためである。

 公式には明らかにされていないが、今回の委員会の決定の裏には、チベット独立支持者の動きを制限する目的があるようだ。何ともやり切れぬ話である。やれやれだ。

 A。1984年の今日、ウェールズ出身で1、2を争う名優が亡くなった。リチャード・バートン、その人である。

 ウェールズの小さな村ポントリーダヴェン(Pontrhydyfen)のウェールズ語使用者の家庭でで生まれ育った彼は、後にハリウッドでギャラが一番高い俳優にもなる。5回の結婚(うち2回はエリザベス・テーラーとの結婚)もさることながら、『謎の佳人レイチェル 』『クレオパトラ』『バージニア・ウルフなんかこわくない』『史上最大の作戦』『1984年』など数多くの映画に出演したことで知られる。

2008年7月27日(政治を考える日)
 1967年の今日、ウェールズ語法案がイギリス議会で通過した。これにより一部限定つきではあるものの、ウェールズ語が再び公用語として認められるようになる。実に1536年の統合法に伴う禁止令より、430年もの時が経過していた。

2008年7月23日(米騒動の日)
 今朝、銀歯が外れた。どうやら一番奥の歯らしい。食事の時に一番使う歯である。利き腕ならぬ利き歯をなくしたわけだが、もともと根の治療に時間のかかった歯である。なるべく早めに診てもらい、応急処置の必要がある。

 だが診察してもらおうにも、仕事が詰まっていたり、地理的な問題から(つまり各大学の場所)本日の夜しか空きそうにない。そこでいくつかの歯医者に電話をするが・・・ 水曜日はどこも休みのようだ。録音されたメッセージが流れるだけ。本当、殿様商売だな。

 治療時には患者が動けないことをいいことに、使える歯を抜いたり、(以前患者がかかっていた)他の歯医者をけなしたり、患者に暴言を吐いたりなどは、歯医者では日常茶飯事である。私など鼻をゴムのマットでふさがれ、息が出来ないというのに、それを訴えたら逆に大声で怒鳴られた。しかも相手は歯を削る器具を使っている最中である。あれで口の中を傷つけられたら、と、思うと、空恐ろしい。何とかならんのかな。

2008年7月13日(オカルト記念日)
 他人の気持ちになって考えろ、とはよく言ったもので、その人の立場にならないとわからないことは多い。特に弱点においては、他人の理解が及ばないところが多い。

 なぜそれが駄目なのか、嫌がるのか。人それぞれ感覚、生活、そして背負っているものが異なるために、不理解が生じる。相手のウィーク・ポイントを責め、無理強いし、強制/矯正しようとする輩には一生通じないだろうが、人にはどうしても駄目なものはある。民族間となれば、時に不理解から生じる溝は大きくなる。それを乗り切り、相手の考えを受けとめることが異文化理解となる。

 私の場合、夏のクーラーがウィーク・ポイントである。確かに汗だくになるのは、出来れば避けたい。だがクーラーの冷気に当たっていると、たとえ上着を着ていても、気分が悪くなる。今がまさしくその状態。大学の教室でクーラーを浴び、その後、ファミレスで仕事をしながらクーラーを浴びていたら、気分が悪くなった。せめてもの幸運が、移動が今日は車だったこと。これで電車のクーラーを浴びたら、確実に使い物にならなくなっていただろう。いい加減このクーラー地獄、改善してほしい。

 理解云々とえらそうなことを書いたが、どうにも理解できないことが今日、ウェールズで起こった。何と公の機関に勤める組合員が全員、ストライキに突入したのだ。いわゆる公務員は当然のこと、教師、介護人らがストライキに入り、社会サービスは一切行われない。

 ストライキの動機は、賃金。気持ちはわかるが、全て公共サービスがストップってのはね・・・ 。

2008年7月12日(真珠記念日)
 @11日の「人間、やれば出来るものだな・・・ 。」は、2.1キロ減についての言葉。

 Aケリー・マシューズ(元カタトニア)は、現地ではいまだ人気が強いのだな。今でもスクープ写真を撮られたりする彼女だが、今度はラグビー選手のジョナサン・デイヴィス(Jonathan Davies)と一緒にウェールズ議会(Welsh Assembly)の活動を宣伝する2分間のフィルムに出演が決まった。このフィルムは、アイステズヴォッドの会場でも流される予定らしいが、DVDで入手可能とのこと。マニアにはマストか。

 B2008年グランド・スラム勝利への功労者ライアン・ジョーンズ(Ryan Jones)は、University of Wales Instituteのフェロー(特別研究員)に任命された。ウェールズとラグビーのつながりは深いな。かのR.S.トマスはアバーダロンに引込んでから、新聞もTVも見なかったが、唯一気にしていたのはラグビーの試合結果だったという。

2008年7月11日(真珠記念日)
 何とほぼ5週間ぶりに、1日だけ休暇がとれた。行った先がサウナ。絞りに絞って、2.1キロ減。人間、やれば出来るものだな・・・ 。ちなみに本人は、痩身です。

 ウェールズではなく、ロンドンの話。1859年のこの日、国会議事堂のてっぺんに備えつけられたあの大時計ビック・ベンが、初めて鐘を鳴らした。いまやロンドンのみならず、イギリスの象徴的存在のビッグ・ベン。産業革命により発展を続ける中、鐘の音は新しい時代の到来を人々に告げたのだろうか。それとも、来る時代への警鐘を鳴らしたのだろうか。

 先日終わった(らしいですね)洞爺湖サミットは、新しい時代への道しるべを開いたのか。それとも・・・ ?

2008年7月07日(七夕)
 昨日の夜遅くに原稿を入れる。・・・ 少しぐらい休めるかと思いきや、今日も相変わらず授業。試験作成に、予習に、書類整理に、(たまった)添削に、こまごました仕事に、メール・ラッシュ・・・ 。いろんな意味で、七夕どころではない!

2008年7月06日(ピアノの日)
 5週間目突入・・・ 。一昨日より、CRTの見過ぎに起因する目の痛みが生じている。目の奥が痛むのだ。おかげで、目が回る・・・ 。気持ち悪い。

2008年6月30日(ハーフタイムデー)
 予告どおり(?)、ついに4週間目に突入。睡眠時間は3時間をきっている。今日は口が回らなくなってきた。[r]の発音すら、おぼつかない。やれやれだ。なおこの場を借りて、メールの返事をかけない方々に、深くお詫びを申し上げます。大変申し訳ないです。

2008年6月28日(貿易記念日)
 どうやら今週も休みがとれそうにない。この週末(つまり今日、明日)に休みがとれなければ、3週間丸々休みがないことになる。つまり無休で4週間目に突入ということ。少なくとも今日は仕事。ここに書こうと思っていたことも、時間がないまま過ぎ去った。やれやれだ。

2008年6月21日(かにの日)
 @休みがないじゃないか。疲れもひどいし。やれやれだ。

 A南ウェールズはスウオンジー出身の詩人/劇作家のディラン・トマスを描いた映画The Edge of Loveが、18日にスコットランドで開催されたエディンバラ・シネマ・フェスティヴァルのオープニングを飾った。20日からロンドン、ダブリン、スウオンジーで先行上映開始。27日よりイギリスおよびアイルランドで全国公開となる。

 残念ながらアメリカでは公開未定。日本公開の情報も、現時点で入ってきていない。

 この作品ではディランの波乱万丈の人生が、ふたりの女性の目を通じて描かれる。そのふたりとは、ディランの初恋の人で、10年後にロンドンで偶然再会するヴェラ・フィリップスとディランの愛妻ケイトリンだ。映画では、ヴェラをキーラ・ナイトレイが、愛妻をシエナ・ミラーが演じる。なお肝心のディラン・トマスを演じるのはマシュー・リース。カーディフ出身の俳優である。

 非常に豪華な出演者だが、私としては詩がどれだけ効果的に使われているかが気になるところ。この辺りは全く期待しないほうが良いだろうが。

2008年6月17日(砂漠化および干ばつと闘う世界デー)
 忙しすぎて、書いた雑記も忘れてしまう始末。やれやれだ。

 ところで原油価格高騰による物価の上昇は、日本のみならずウェールズにも影響を与えている。食べ物が深刻で、食品の物価は4月の7.2%の上昇率から、5月には最大で8.7%まで昇っている。個別に見てみると、肉が4月の4.1%から5月には8.8%と倍化し、野菜も4月の3.8%から5月には7.2%まで上昇している。

 恐ろしいのはこれが農作物の不作による結果ではなく、原油価格高騰のためということだ。産油国は今後も石油の輸出を出し惜しみし、このまま世界を恐慌にでも押し進める気か? こうなったら、南ウェールズの炭鉱復活だ! 明日のエネルギーを石油に期待するのではなく、石炭に帰ろう! さあ、炭鉱夫よ立ち上がれ。サッチャーがぶっ潰した炭鉱に、復活の火を入れるのは今だ! (今日は疲れのためか、過激です・やれやれだ)

2008年6月02日(横浜港開港記念日・長崎港記念日)
 この半年の間に観たDVD(映画)の中で、今でも印象に残っているのはM.ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』だ。超常現象と一昔前の閉鎖的な村をあえて舞台に選びながら、その実、現代アメリカ社会の問題とコミュニティ存在の可能性を鋭く描いた作品。本作は娯楽作品としても成立しうるが、仕掛けが暴かれると同時に問題が提示され、考えさせられる作品にもなっている。

 シャラマン監督の作品は、『サイン』のように非常に素晴らしいものもある一方で、『シックス・センス』や『アンブレイカブル』のように娯楽作品としては風通しの悪いものもあり、やや敬遠し気味だったが『ヴィレッジ』を観てその素晴らしさを再確認した次第だ。

 もうひとつ、別の意味で印象に残っているのは、『グエムル――漢江の怪物』である。全編恐らく何かの映画作品のパロディなのだろうが、その原典を私が知らぬために、全く笑えなかった。緊張感のないゆるい構成で公害汚染の伏線(ではないのだろうか)もどこへやら、先の見えないストーリーには脱帽である。

2008年6月01日(写真の日)
 @パソコンを使用中に目の疲労を防ぐには、1時間に2、3分の休憩をとるよりも、10分に2、3秒モニターから目を離し、遠くを見たほうが良いらしい。――が、10分に1回、思考をそらされたのでは仕事にならない。やれやれだ。

 Aいやだな。全く休みがないじゃない。どうしようか。

 B1941年のこの日、ホーリーウェル(Holywell)でジョナサン・プライス(Jonathan Price)が生まれた。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーを経由し、TV番組に出演。テリー・ギリアム監督の『未来世紀ブラジル』では、情報局のサム・ラウリーを熱演。その後は、『ブラザース・グリム』『ミス・サイゴン』『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』など数多くの映画に出演している。95年の『キャリングトン』では、最優秀男優賞を獲得している。

2008年5月31日(世界禁煙デー)
 今日で2008年の半分が終わる。あっという間の半年だった。明日から衣替えということになるが、しかし、この急激な気候の変化についていくのが難しい。先週は暑かったというのに、ここ数日は冬物がほしくなるほどの寒さ。一体、どうなっているのだ。

2008年5月20日(東京港開港記念日)
 先日の話。あまりにも多くのメールが届き(全て仕事関連です)、「メール・ラッシュ!」とここに書くのも億劫になる。

 本日の話。東京は未明より強い雨風。そういう日に限って、電車での出講日である。

 朝が早かったこともあり、交通機関の遅れはあまりなかった。だが駅から出て数メートル歩いたところで、強風が私の傘の骨を半分以上破壊した! 幸い、周囲の人に当たることがなかったが、この傘は半年前に買ったばかりだ。どちらかと言えば、お気に入りの一本。やれやれだ。

 音楽の話。最近購入した中では、Jasper TXのIn a cool monsoon と、Ryoji Ikedaのtest pattern が群を抜いて素晴らしい。

 Jasper TXの作品は、聴いているといつの間にか脳細胞のひとつひとつの間に忍び込み、昔の記憶を掘り起こしてくれる。Ryoji Ikedaの作品はそれとは対照的で、細かいパルスとノイズの重なり/連なりが、どんな和音よりも美しい。この美は、これまでにない未来を感じさせてくれる。

2008年5月19日(ボクシング記念日)
 先日、カムライグ学会での発表後。家に帰宅した私は久々の開放感から、深夜に放送していた筒井康隆原作の映画『わたしのグランパ』を観た。期待していなかったのだが、非常に良い出来だと思う。原作を読んでいない人にはわからないところもあるだろうが、上手く脚色し、まとめている。主役3人の存在感もいい。

 正月に放送していた同じく筒井康隆原作『日本以外全部沈没』が喜劇性が高いとすれば、こちらはドラマ性が高い。どちらも同じくらい楽しめた。次はやはり、幻となった『虚航船団』を実写でお願いします。ハリー・ポッター・シリーズばりの3部作で!

2008年5月11日(大津事件記念日)
 原油価格高騰により、消費者が世界的に打撃をこうむっているのは、周知の事実だろう。特に穀物関連の食品は、どれも値上げしている。イギリスは小麦、大麦の産地のため、それほどでもないと思いきや、その逆。2007年夏の冷害のため、収穫は落ち込んだ。加えて原油価格高騰による輸送費がかさみ、卸値は値上がりした。

 この打撃を受けたのが、エールである。ウェールズで有名なブランド、ブレインスは今年に入って1パイントあたりの価格を10ペンス値上げした。実はこの値上げに、先の原油価格高騰が与えている影響は、5ペンス強なのだ。

 あとの4ペンスは、というと、政府による税制の改正である。この時期に政府は、1パイントあたりにかける酒税を4パイント上げたのである。

 さてここで、どこがどれだけ儲かっているのか、考えてみよう。農家は原油価格高騰により、輸送費のかさんだ部分を価格に上乗せせねばならない。原材料の価格値上げは、商品の値段に反映される。それを最終的に負担するのは、その末端。即ち消費者である。

 従って今回の値上げにより、儲けを得ているのは政府だけということになる。親方丸儲けという図式である。やれやれだ。

2008年5月06日(ゴムの日)
 日本では、カレンダーによる唯一の大型連休、ゴールデン・ウィークが今年は今日で終わる。いやはやこの時期は、家で集中的に仕事ができて本当に良い! ・・・ やれやれだ。

2008年5月01日(メーデー)
 @昨日は水曜日。毎週水曜日に行っている大学は、休み。この大学がゴールデン・ウィーク中に休みを作るのは、ことのほか珍しい。これまでなかったはず。

 だが火曜日に行っている大学が、この水曜日に振り替え授業を行うことを決定。普段ならば、通常行っている大学を優先するのだが、今回に限り、そこは休み。おかげで大手を振って、火曜日の大学に行ってきました。やれやれだ。

 A1707年のこの日、イングランドとスコットランドにより、現在のUKの基礎である連合王国が結成された。ウェールズは既にイングランドに統合されていた。その日から、今日で丁度300年を迎えるのである。

2008年4月30日(図書館記念日)
 @去年の7月、3年ぶりに風邪をひいた。その反動か、体質の変化か。また風邪をひいた。一昨日、起きたら鼻が詰まっていた。今日は無理をして喋ったせいか、喉の調子がおかしくなった。私の場合、喉はアキレス腱だ。気をつけなければ。

 A日本の話。ガソリンの暫定税率、復活とか。復活するんじゃ、暫定じゃないじゃないか。復活するのは、あの方だけでいい。

 Bスティーヴ・ライヒの新作Daniel Variationsのタイトル曲を聴く。いや、暗いな。しかも重い。使用されたテキストも、聖書のものと、2002年にパキスタンで拉致され、殺されたレポーターのものを使用している。かつてライヒの『シティ・ライフ』を初めて聴いた時、後半の暗い音にやりきれないものを感じたが、今回は、それに勝る。すごい作品を創ったものだ。

2008年4月29日(昭和の日)
 最近の私にまつわる数字。-1.6、3、33、13.528、35.48、887、99。左から順に、先日、仕事帰りに久々に行ったサウナで落とした体重(実に本人は痩身です)、連日の最大睡眠時間(相変わらず)、今年に入ってから購入したCDの枚数、愛車の1リットルあたりの走行距離(キロ)、その愛車に昨日入れたガソリンの量(リットル)、その量に対する暫定税率が復活した場合の加算額(円)。最後は、今年のゴールデン・ウィーク中に1日以上の休みが取れない確立。やれやれだ。CDの購入枚数は、本当に減ったな。

2008年4月20日(逓信記念日)
 イエイツによれば満月は完成形。そして偶然だろうか、今日は東方教会のイースター。即ちキリストの復活を祝う日だ。完成と復活――。かつて西洋ではトカゲの脱皮を、復活と再生のシンボルとみた。復活は即ち、完成形への進化だったのだ。キリストも復活によって、神の子であることを証明した。このような日に、弊サイトはリニューアル。これからもどうぞ、よろしく。

2008年4月19日(聖エクスペディトゥスの祝日)
 嫌だな。休みが全くないじゃないか。

2008年4月14日(聖カラドグの日
 次の満月は・・・ そうか、20日か。東方教会のイースターと一緒じゃないか。英国国教会をはじめ、西方教会は3月23日だったから、1ヶ月も差があるわけか。

2008年4月5日(聖デルヴェル・ガデルンの日
 もうこんなに時間が過ぎたか――まだ桜は見ていない。もう東京では散ってしまったかな。時期を逃したかな。あの日も逃したな。

 聖デルヴェル・ガデルン(St Derfel Gadarn)は6世紀の聖人。もともとは闘士だった。アルスル最後の戦いとなる、カムランの戦いを最後に刀を置き、バージー島に隠棲。その後、バージー島の修道院長を務めるまでになった。まさに文武両道の人である。

2008年3月27日(さくらの日)
 桜を見る余裕があるかな。非常にきついスケジュール。光陰矢のごとし。メールも電話もラッシュ。目の痛みは通りこし、目が回るようになってきた。乗り物酔いの症状に近いときもある。気づけば、もう3月も終わりじゃないか。自然が恋しい。東京では無理かな。

 何しろ、高尾山は圏央道のために、その腹に風穴が開けられようとしている。国や都に訴えようにも、ここが実行者だから法的効力も何もない。司法も分権しているのに、何もしない。変な国だ。変な自治体だ。イギリスではこのような自然破壊は、考えられないが。大阪では、文化がその自治体の長によって破壊されようとしているらしい。ヨーロッパ諸国では、考えられないことだが。

2008年3月26日(聖ゴヴァーンの日
 聖ゴヴァーン(St. Govan)は、もともとはアイルランドの聖人らしい。6世紀の聖人である。その名は鍛冶屋をあらわすというから、部族内で重要な家系だったのかもしれない。ケルトの社会では鉄を加工できる鍛冶屋は、重宝され、高い位についていた。バルズらと同じか、それ以上だったといわれる。

 その聖ゴヴァーンの教会と呼ばれる石造りの小さな建物が、南ウェールズの海岸にある。切り立つ岩と岩の間に押し込まれたようなこの建物は、一度訪れれば生涯忘れることがないだろう。ここには、何もない。非常に原初的な場所で、切り詰めた生活の中から、聖ゴヴァーンはひたすら神への道を究めようとしたのだろう。

 何もないこと。それが宗教の原点であり、到着点なのかもしれない。現代詩人であり牧師のR.S.トマスは、北ウェールズの何もない漁村から瞑想を続け、現代社会に神の影を見つけた。自然の厳しさに囲まれた隠遁生活の中で、聖ゴヴァーンは神の光を見たのだろうか。

2008年3月20日(春分の日)
 昨日19日、SF界の巨匠中の巨匠アーサー・C・クラークが亡くなった。90歳だった。イングランド人でサーの称号も受けた彼の残した功績は、『2001年宇宙の旅』に留まらず、膨大だ。近年には作品は発表していなかったとはいえ、アシモフも死に、ヴォネガットも死んだ今、ことは重大である。

 日本では「空想科学小説」と訳されたことからもわかるように、SFとは子どものものであった。しかしながら真のSFは、科学が現時点では達成できない結果を、理論に基づき、小説の中で展開・実験することで追求したものであった。この基礎を固めたクラークの死は、大きい。

 ―― ―― ――

 メール・ラッシュ。仕事もきついスケジュール。目の奥が痛む。下手をすると、目が回り、乗り物酔いに近い状態になる。ディスプレイの見すぎだろう。極力、ディスプレイの前ではものごと考えないようにしているが、そうもいかない。加えて息抜きが、この雑記を書くこと。やれやれだ。

2008年3月18日(聖ヴィナンの日
 前日の17日が聖スリオニオ(St. Llionio)の日で、今日が聖ヴィナン(St. Finan)の日。スリオニオに関しては、2005年の3月17日付けの雑記参照のこと。あまり書いてないですが。

 聖ヴィナンは、同名聖人との混乱がある。一人はアイルランドの聖人。こちらは2月9日に祝われる。もう一人が聖ケンティンゲルン(Kentingern)の付き添いを、聖ニダン(St. Nidan)と務めたという聖人である。アングルシー島では、彼らにまつわる村、スランフィナン(Llanfinan)とスラニダン(Llanidan)が残っている。

 聖ヴィナンは520年頃に聖デヴィッドらと会ったとする説もあるが、この辺りの確証が薄い。聖ヴィナンの名が一般的に知られるのは、スコットランドのアバディーン周辺に教会施設を開いたことだ。573年頃のことらしいので、同名聖人の間における情報の混乱があると思われる。

2008年3月15日(靴の記念日)
 ひとつ悪い癖がある。爪を噛み切ることだ。普段の生活では全くしない。だが特に原稿に集中している時に、やってしまう。おかげで最近は、爪がボロボロ。長さは揃わぬし、見た目に汚い。

 始末に悪いのは、これが全くの無意識だということ。以前、深爪をするくらいまで爪を切ってみたのだが、それでも効果なし。気づくと、食いちぎられた爪をもてあそんでいる。

 今日はそれが最悪の事態に発展。噛み切った爪の先が、前歯の間に挟まって抜けなくなったのだ。もともと隙間がほとんどないところに詰ってしまっただけに、動きもしない。たかが爪・・・ と侮った自分が馬鹿だった。その尖った先が口腔内に飛び出て、舌を傷つける。更には血が出る始末。

 仕事は、もちろん中断。鏡を見ながらピンセントを口に突っ込むが、どうにも摘めない。楊枝や歯ブラシも駄目。思いあまり薬局に行き、初めて糸ようじ歯間ブラシを購入。これを爪の挟まった歯の間にこじ入れ、上下に摩ること数回。何とか、外れてくれた。

 半時間も時間を無駄にしてしまった。二度と爪は噛まぬ、と決心して、再び原稿に向かう。だが喉もと過ぎれば何とやら。またしても無意識のうちに、爪を噛んでいるのに気づき、慌てて手を口から離す。

 口寂しいわけではないのだ。ただ考えに集中しすぎると、体が無意識のうちにそこから逃れるために刺激を求めるらしい。やれやれだ。しかもこれを書いている最中にですら、カリッカリッという音が・・・ 。やれやれだ。

2008年3月14日(ホワイトデー)
 昨日、マウスを壊した・・・ クリックのしすぎ。

2008年3月10日(東京大空襲記念日)
 この時期は、各大学から多くの書類が、次々と郵送されてくる。これらを眺めるだけで、この時期はぞっとする。

 授業回数が増える。半期が15回になる。休講が出来ないような措置。祝日までも授業日としたスケジュール。見るだけでぞっとする。

 これらは全て文部科学省の指導によるものだ。だが、もしこれで体を壊したとしても何の補償・保証もない。大学では専任か職員以外は、福利厚生は受けられない。即ち、何年働いたとしても、健康保険も厚生年金もない。このような制度を見ていると、ぞっとする。

 働きすぎと言えば、これからの2週間のスケジュール(現時点では非公開です)を考えると、嬉しい反面、ぞっとする。

 日本は記念日が溢れている。今日は東京大空襲記念日だが、同時に他の記念日も被さっている。多くの日本人がアメリカ人によって虐殺された日に、他の記念日を重ねるとはどのような神経の持ち主なのだろう。ぞっとする。

2008年3月9日(バービーの誕生日)
 この時期、花粉症に悩まされる人は多いと思う。私もその一人。ここ数年は、以前、友人から戴いたアロマ・オイルで何とか乗り切っている。だがこの時期は、家での仕事が多くなる。必然的に家にこもり、外気を吸わずに過ごす。それにも関わらず、朝起きてすぐにくしゃみが出ることもある。この時期になると、体が無条件に反応しているのかな、とも思う。

2008年2月28日(ビスケットの日)
 Monks are killed... それとも Monks Kills ... 忙殺とはどちらなのだろう・・・ ? と、くだらない冗談を考えることで逃避する。だが、現実は待ってくれない。すぐに引き戻される。

 文化祭で流すDVDを作成・・・ が、この編集作業に丸々3日間かかる! 詳しい計算はわからないが、一旦字幕などをつけて編集した映像ファイルを、くっつけるのに全てのファイルを再エンコードしなおし。

 これはまだ序の口だった。このファイルをDVDに焼くのに、再びエンコード。これに半日かかる。ほうっておくだけだが、1台のパソコンが、完全にこの作業に占有される。

 かなりRAMの容量は多いのだが、ああ、それでももっとパワーのあるマシーンがほしい! できれば、NASAやFBIクラスのやつが。無理か。

 エンコード中に私は何をしていたのかというと、もう1台のパソコンで原稿を書いていた。この時期に休めないとはね。やれやれだ。

ぼう‐さつ〔バウ‐〕【忙殺】
[名]スル《「殺」は意味を強めるために添えたもの》多忙なこと。仕事などに追われること。「雑務に―される」
大辞泉より

2008年2月27日(新撰組の日)
 忙殺。

2008年2月08日(針供養)
 AOLへの苦情への電話で約4時間。途中仕事をしながら電話。電話を切り(この荒れた精神状態でどうやって原稿を書く?)、予定の外出も取り止めざる終えない時間になる。

 従って仕方なく、本とネットから別の仕事の資料集めへ変更。明日、あげようと思っていた仕事だ。その最中にふと立ち寄った、AOLをサーバーとする他人のサイトに表示される広告を見て、驚いた。カメラ・レンズがあると思しき方向へ、成人女性が体をくねらせ、時にわきの下を故意に見せつけ、胸を強調する映像が流れる。何じゃこりゃ。ポルノ・サイトの広告か? 出会い系サイト? 

 自身のサイトに戻り、愕然とする。一方的に表示される広告は、このサイト内容と不釣合いばかりか、非常に不快感を感じる。仕事の手を休める。休まざる得ない。携帯では、全く表示が出来なくなっている。私が原因ではないにもかかわらず、サイト・トップにお詫びと報告を掲載しなければならない。ついで、この雑記だ。予定も何も狂ってしまった。どうしてくれる。

2008年2月05日(パンケーキ・ディ
 告解の火曜日。灰の水曜日の前日を、このようにキリスト教では呼ぶ。イギリスではこの日にパンケーキを食べる風習があり、パンケーキ・ディとも呼ばれる。

 パンケーキはホットケーキみたいなものか、と思っていたのだが、どうやらクレープの皮のほうが近そうだ。表面に細かい砂糖の粉末(キャスター糖)をふりかけ、丸めて食べる辺り、クレープを連想させる。ジャムをこれに塗る人もいるそうだから、昔のクレープかな。

 さて、なぜパンケーキを食すのかと言えば、翌日からレント(受難節)が始まる。これより復活祭まで、断食の習慣があった。故に甘いパンケーキを食すのは、断食前の最後の楽しみ、というところだ。

―― ―― ――

 先日、ウェールズで雪の予報を書いたが、それどころではない、東京近郊でも日曜日には雪だったではないか!

 そのウェールズの話。飲酒問題はヨーロッパの諸国の中でも、イギリスでは特に深刻である。酒量と乱れ方が、半端ではないのだ。その酒量は、ここ20年の間、増すばかり。特にウェールズでは若者の酒量が増し、問題視されているとか。もともと工業地帯では、飲酒の習慣が根強いしね。改善は難しいかも。もっとも、パブ営業時間延長と禁煙法以来、酒の消費量が増えたのでは・・・ ? これは私の邪推だが。

2008年1月31日(生命保険の日)
 アメリカの話。話題は大統領選。ジュリアーニ元ニューヨーク市長が降り、共和党はマケイン上院議員を推す方向らしい。一方、民主党ではまだヒラリー・クリントン上院議員と、オバマ上院議員が推薦の座を狙い、争っている。民主党でヒラリー・クリントン上院議員、共和党でオバマ上院議員をそれぞれ推薦したら、歴史的に見て、面白かったと思うのは私だけではないだろう。女性か黒人か。フェミニズムか、レイシャリズムか。どちらに転んでも、史上初の出来事になる。

 それにしてもこれだけの大事であるにもかかわらず、わが国に大統領選挙の参政権も、投票権もないのはどういうことだ。未だ植民地扱いか(きつい冗談です)。

 ヨーロッパの話。話題はキリスト教。不明の恥を明かせば、グルジア正教というものがあるのを知らなかった。しかも1月7日がクリスマスだという。12月25日が、世界各国共通のクリスマスだと思っていた。日々勉強あるのみだ。

 ウェールズの話。話題は天候。時速70マイル(約時速112キロ)という速度の強風が、北ウェールズで荒れ狂う可能性あり、と、天気予報が告げている。しかも雪を運んでくるそうだ。大変だな。な時速70マイルというと、イギリスでの自動車専用道路における最高制限速度と一緒である。・・・ こりゃ大変だ!

 音楽の話。話題は昨日から今日にかけてはまった音楽。これが何と、マイルス・デイヴィス。しかも60年代から70年代という、過渡期に限定して。別に新しいマイルスのCDを買ったわけではないのだが。特に、ファンク時代の曲"What I Say"のソロにはまった。なぜだ?

 再びウェールズの話。1983年のこの日、イギリス全土で自家用車の運転手及び助手席の同乗者は、シートベルトを締めることが道路交通法で義務づけられた。日本ではそれに遅れること、1986年である(註:高速道路・自動車専用道路のみ85年)。

 個人的な話。原稿を書きつつ、あれやこれやを書いていた。気づけば、1日が暮れた。1日キーボードを叩き、ディスプレイとにらめっこをしていたことになる。肩が痛くなるわけだ。目も悪くなるわけだ。頭も・・・ (?!)。

2008年1月29日(人口調査記念日)
 今日の昼過ぎよりしばらくの間、頭の中でずっとヴィヴァルディの「冬」が鳴っていた。しかも冒頭の静かな部分経て、盛り上がり始めるところの2小節だけが延々とリピートする。何故ここだけ・・・ 。

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 ニュースサイトを読んでいたら、興味深い記事に遭遇した。昨年のイングランド及びウェールズでの禁煙法以来、両国であわせて16万4千人以上の人間が、タバコをやめたとのことだ。国による禁止が、こんなにも強い影響力を発揮するとは、意外である。

 日本でも路上禁煙の地域があるが、効果はいかほどのものなのだろう。この例に倣い、国を挙げて完全禁止にすれば、効力もかなり発揮するのでは。

 もっともタバコによる税収があるので、そう簡単にはこの国は完全禁煙には踏み切らないだろうな・・・ 。加えて東の京の中心に住む人の中でも、困る人が出てくるか。やれやれだ。

 そういえば、去年の夏に旅をした際、アイルランドではパブの外に出てきてタバコを吸っている人を多く見かけたが、ウェールズとイングランドではそれほど見なかったような気がする。あくまでも、「気がする」というレベルの話だが。

2008年1月26日(有料駐車場の日・パーキングメーターの日)
 冬の曲3曲。武満徹「冬(ウィンター)」。アストル・ピアソラ「ブエノスアイレスの冬」。アントニオ・ヴィヴァルディ、協奏曲第4番へ短調「冬」(『四季』より)。

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 ここまで書いてからネット・サーフィンをしたら、驚いた。2008年1月25日、ウェールズ最後の炭鉱、タワー炭鉱が閉鎖されたのである。

 タワー炭鉱は140年以上続いた炭鉱で、サッチャーによる合理化政策によりウェールズ内の全ての炭鉱が閉鎖された後も、この炭鉱だけが「炭鉱夫を守るために」唯一操業を続けてきた。そのタワー炭鉱も、1994年に一度は政府により閉鎖が決定されたことがある。

 だがこの時、立ち上がったのは炭鉱夫自身だった。自らの失業保険を寄付し、銀行から資金を借り受けた。その結果、イギリス史上初の完全民間運営による炭鉱が誕生したのである。その炭鉱が、ついに閉鎖されたのだ。

 炭鉱が南ウェールズに与えてきた恩恵や、ウェールズ全体にもたらした影響、そして大規模な炭鉱閉鎖に対して立ち上がった炭鉱夫らの1984-85年グレート・ストライキが残した傷跡は、計り知れないほど大きい。その中で最後の砦として残されたタワー炭鉱の閉鎖は、かつて炭鉱に従事した南ウェールズのほとんどの人々には、感慨深いのではないか。特に炭鉱夫には、精神的な負担を与えることだろう。この閉鎖が南ウェールズの歴史に深く刻まれるのは、確実である。ひとつの時代の終わりという感じがする。

 なお、ここで働いていた炭鉱夫は、ニース丘陵に新しく開かれたアベルペルグム炭鉱(Aberpergwm Colliery)に移るそうだ。ここで掘られた石炭は、近くのアベルベルグム火力発電所で使われるのと同時に、一般の市場にも出される予定だということだ。

2008年1月25日(聖デュアヌエンの日
 聖デュアヌエン(St. Dwynwen)はウェールズの聖人。女性の聖人だ。恋人のための聖人である。そのため、ウェールズ版聖バレンタインとも言われる。さて、彼女がどうして恋人の聖人になったかというと・・・ 。

 デュアヌエンはマエロン・ダヴォドリスル(Maelon Dafodrill)王子と恋に落ちる。だが彼女の父親は、勝手に他の男性との結婚を決めてしまっていた。そのことを知り、怒ったマエロンはデュアヌエンに乱暴をはたらき、彼女の下を去る。一方、一人残されたデュアヌエンは、神にマエロン王子のことを忘れさせてもらうように祈る。

 それからしばらくして彼女が眠りに落ちると、夢の中に天使が現れた。天使は彼女の願いをききいれ、マエロンのことを忘れさせる薬を与えた。だが同時にこの薬は、マエロンを氷らせる力ももっていた。

 目覚めた彼女は、再び神に祈った。そこで神は、デュアヌエンに3つの願いを叶えると告げた。デュアヌエンは、まず、氷ったマエロンを溶かすことを願う。ついで、恋人たちの願いを神が叶えてくれるように頼んだ。そして最後、自分がこの先誰とも結婚しないですむようにと願った。

 神は3つの願いを聞き入れた。デュアヌエンはその後の生涯を神に捧げ、スランズウイン(Llanddwyn)に修道院を建てた。

 後にこの伝説から、デュアヌエンは愛の聖人として祀られるようになった。

2008年1月14日(愛と希望と勇気の日・タローとジローの日)
 ハッピーマンデーとやらで、かつて制定された15日には二度と成人の日が来ない。これを移してしまったせいか、自治体によっては成人式を更に前倒しをして前日の13日に行ったところもあったようだ。文化の乱れが著しい。

 成人した皆様、おめでとうございます。あまり派手に暴れないように。もう“大人”なのだから。けじめは自分でつけましょうね。責任もとりましょう。

 タローとジローの話と言えば、南極で置き去りにされた犬二匹が自力で生きていたことに日本中が感動した話だ。映画も作られた。星新一がこの話に対して、非常に毒の効いたショートショートを書いている。犬好きならば怒るところだろうが、さすがに星新一、上手くエイリアンと人間に話を置き換えて書いている。視点も人間のものなので、気づかぬ人も多いだろう。もっともそれを後書きで自ら暴露しているが。

2008年1月10日(初金比羅)
 去年購入したCDの中で、3本指に確実に入るのが、ザ・タロ・シンガースによる『武満徹 混声合唱のための「うた」』である。合唱のそれぞれのパートが、独立して完成している。そのため各パートが分離して聴こえてくるのだが、こう書くと、バランスが悪いように思われるかもしれない。しかし、その逆なのだ。各パートが絶妙のバランスで絡み合い、これが非常に曲に新鮮な命を吹き込んでいる。

 それにしても以前から思っていたのだが、ウェールズの男声合唱団に武満の曲を歌ってもらいたいな。「○と△の歌」や「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」はもとより、「死んだ男の残したものは」などは、あの唸る低音で歌われたら、新たな感動を運んでくるのではないだろうか。

2008年1月9日(とんちの日)
 どうも調子が悪い。傍から見ても相当疲れた顔をしているらしい。先日、新年早々、非常に悪い“気”を嫌と言うほど浴びせつけられたからな。そのせいだろう。やれやれだ。

 当の本人は確信犯であるから、やりきれない。その上、自分が非常に悪い気を放出しまくる。場にいた全員が不快感を出しても、止まらない。場がしらけようが、お構いなしなのだ。困った。

 このような現象を最近では「空気が読めない」というらしい。それにしても変な造語である。正式には「場の雰囲気を察しない」なのだろうが。雰囲気の「気」は先の「気」に通ずるが、空気の気は通じない。日本語の乱れもすごいものだ。やれやれだ。そういえば雰囲気を「ふいんき」と読む人が増えているらしい。やれやれだ。

2008年1月8日(平成スタートの日)
 今日はエルビスプレスリーの日でもあり、ロックの日でもある。1935年にプレスリーが、1947年にデビッド・ボウイが生まれたことにちなむらしい。

 1937年のこの日、シャーリー・バッシーがカーディフに生まれた。映画007シリーズの主題歌「ゴールドフィンガー」や「ダイアモンドは永遠に」のヒットでも知られるが、007シリーズの主題歌を2曲以上歌った唯一の歌手であることはあまり知られていない。

2008年1月7日(爪切りの日)
 2002年のこの日、マイアミで一人のウェールズ人が死体として発見された。犬の鎖を使って、首をつっていた。自殺だった。

 短距離走者からドラマーへと転身した彼は、バンド、フィーダーの一員として成功を収めた。フジ・ロックをはじめ多くのフェスティヴァルにも出演し、アルバムの売れ行きも上々。3枚目のアルバムは、ゴールド・ディスクに輝いた。訃報が届いたのは、これから更に上を極めようとした矢先のことである。

 彼の名はジョン・リー。ニューポートで生まれ育った。自殺の原因は、結婚によるトラブルとも言われている。

 葬儀は生まれ故郷のニューポートで行われた。そこには何千というファンが詰め掛けた。マネージャーのマット・ペイジは、詩「私の墓の前で泣かないでください」を朗読した。

 フィーダーはその後、活動を続ける。リーの死の直後に発表されたアルバム『コンフォート・イン・サウンド』の音は痛々しい限りだが、次作『プッシング・ザ・センシズ』はリーへの哀しみが昇華され、普遍的な愛の世界を音で体現している。ロック史上、稀に見る傑作であろう。

2008年元旦
 00時03分。丁度、武満徹の「弦楽のためのレクイエム」を聴き終わったところだ。曲の真ん中辺りに差し掛かったところ、外から花火の音が聞こえてきた――年明けだ。後は、何も聞こえない静かな年明けである。今年も星空で、1年が明けた。

 去年は年末から、やや大人しめの印象を受けたが、年明けも変わらず静かである。かつては年が明けてしばらくすると、初詣に出かける家族連れの声が聞こえたが、今はもう昔である。

 それにしても去年はいろいろとあったが、何とかそれでも新しい年を迎えることができた。皆様に感謝です。

 00時10分。はじめての車が通り過ぎた。去年より、若干早い。さて仕事もそろそろ切り上げようか。サイト用およびメール用の年賀状も作らなければな。

 今年も良い年でありますように。まことの平和が訪れますように。今年もよろしくお願いします。




文章:Yoshifum! Nagata
(c)&(p) 2008: Yoshifum! Nagata






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