――ついに出ました。イギリス・アイルランドを“ケルト音楽”および“ケルトへの旅”という視点で紹介する、ケルトを知るのに最良の書―― これまで幾度もそれとなくその存在のみを示唆してきた本が、ついに日の目を見ることになりました。ここ数年の間で、私が最も力を注ぎ、そして、出したいと思っていた本。それがこの『ケルトを旅する52章―イギリス・アイルランド―』です。 本書『ケルトを旅する52章―イギリス・アイルランド―』は、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、マン島などいわゆる“ケルト”の国/地域を、“音楽”と“旅”というキーワードで切り取った良書です。 旅と音楽という視点でケルトを概観した本は他にはなく、また、そのふたつを1冊の本にまとめたのは、本書が初めてです。本書は「ケルトを全く知らないけど、どれから初めて良いかわからない・・・ 」という方から、「ケルトについてもっと詳しく知りたい!」という方までご納得いただける内容となっています。 本書『ケルトを旅する52章―イギリス・アイルランド―』は全6部構成。第1部から第3部は、ケルト音楽を扱います。ここではアイルランド(第1部)、ウェールズ(第2部)、スコットランドおよびマン島(第3部)のいわゆる“トラッド”といわれる伝統音楽から、ロック、クラシック、パンクやヒップホップはもちろんのこと(!)、エレクトロニカやフリージャズまで解説。ケルトの音楽の今が浮かび上がります。 たとえば第1部(アイルランド)に登場するのは、ザ・チーフタンズやダービッシュ、デ・ダナンは当然のことながら、U2、エンヤ、ポーグスやジ・アンダートーンズ(!)にまで言及。共和国側のみならず、北アイルランドおよびその問題も取り上げ、その音楽が生まれた背景を探ることで、アイルランド音楽をより深く掘り下げます。 第2部(ウールズ)では、男声合唱団やアル・ログらもちろんのこと、宮廷に仕えながらもその音楽の継承が口伝だったゆえにほとんどが失われてしまった、吟遊詩人バルズにも言及。これら伝統的な音楽のみならず、我らがダヴィズ・イワンはもちろんのこと、南部『丘陵地帯』の炭鉱閉鎖およびその前後に起こった若者音楽の台頭も解説。弊サイトでもおなじみのマニック・ストリート・プリーチャーズやステレオフォニックス、スーパー・ファーリー・アニマルズ、MCマボンからダトブラギまで多彩なアーティストが登場します。 第3部(スコットランドおよびマン島)では、バラッドやバグパイプによる音楽はもとより、マン島や外郭諸島の音楽にまで幅広く言及。特にロウランド(エディンバラやグラスゴーなど低地周辺)でのバラッド・ブームや、ハイランド(インヴァネスなど高地地帯)で根づいたクランという家族制度で親しまれたバグパイプに深く切り込みつつ、その一方でニューウェーブの雄シンプル・マインズや前衛パーカッショニストのジェイミー・ミューア、スコティッシュ・ゲール語初のポップ・アルバムを発表したランリグなど、ロウランドとハイランドという地勢が国を分けた結果生まれた特異な音楽形態も紹介しています。 これだけでも本書がこれまでのケルト本にはない特徴が見て取れると思います。しかし本書はこれだけでは終わりません! 第4部から第6部までは、筆者が実際に現地を訪れ、旅をして回って足で調べた旅のガイドとなっています! 第4部のアイルランドではタラの丘にはじまり、ケルト十字や世界遺産に認定されたジャイアンツ・コーズウェイにも言及します。第5部のウェールズでは丘砦などの遺跡から、無形文化のアイステズヴォッド探訪記。第6部はスコットランドの低地・高地を渡り歩き、ついには、マン島やイングランドまで広がりを見せます。 以下に詳しく見ていきましょう。 第4部はアイルランドです。アイルランドの守護聖人である聖デヴィッドを祀る大聖堂から、第4部は幕を開けます。続いて現在でもアイルランド人の心の故郷といわれるタラの丘や、初期キリスト教と土着宗教が結びつくことで生まれた、円環を戴いた十字架のケルト十字はもちろん、様々な十字架のヴァリエーションを訪ねます。その他、修道院跡はもちろんのこと、奇石の連なりが生んだ世界遺産ジャイアンツ・コーズウェイや、北アイルランド紛争が生んだ悲しい文化であるミューラル(壁画)など多彩な“ケルト”を紹介します。 アイルランド南部コークの夜景 ウェールズはバージー島 (アルスルの死後、マーリンがブリテン島13の宝をまもると言われる) スコットランドはアイリーンドナン島 ぜひ、お近くの書店でお手にとってごらんください!! またAmazon.co.jpや、オンライン書店ビーケーワン、楽天ブックス、セブンアンドワイ、紀伊国屋書店BookWebなどでもお求めいただけます。ケルトを、ケルト音楽を知りたいならば、本書はマストです! |